カテゴリーアーカイブ:災害復興

被災者の健康・生活支援

2014年7月24日   岡本全勝

今日7月24日、復興庁で、「被災者に対する健康・生活支援に関するタスクフォース」を開催しました。上の「長引く仮設住宅生活」でも書いたように、被災者の健康と生活支援が、大きな課題になっています。災害復旧と言えば、かつてはインフラ復旧(国土の復旧)でしたが、近年は暮らしの再建に、広がっています。道路が復旧しても住宅が建っても、住民が快適に暮らせないと、まちの復旧にはならないのです。
7月16日には、東松島市を視察した総理から、「住宅やインフラ面では復興が進んでいるが、これからは被災した方々や住民の皆様の体や心の健康のケアに力を入れていく必要性を感じました」との発言がありました。それを受けての会議です。
現地では、市町村や町内会、NPOが、さまざまな取り組みをしています。各省が、それをノウハウや財源で支援しています(現在の取り組み)。生活相談員は600人、復興支援員は180人もいます。
今日の会議でも、各省から、単に予算をつけただけでなく、現地でどのような効果が上がっているか、そしてそれをどのように吸い上げているかが、報告されました。霞が関は、確実に変化しつつあると感じました。
出席者の何人もが、省を超えた古いなじみの知人です。司会の私が視線を向けただけで、発言してくれます(苦笑)。ありがたいことです。
しかし、まだまだ課題はあります(現場の課題)。8月下旬をめどに、次の対策をまとめる予定です。復興庁の担当班は、大車輪で作業をしてくれています。今日の資料も、その日のうちにホームページに載りました。ありがとう。

長引く仮設住宅生活

2014年7月24日   岡本全勝

NHK「時論公論」7月23日深夜は、二宮徹・解説委員の「遅れる住まいの復興 長引く仮設住宅生活」でした。「これだけの内容を、要領よく10分間に詰め込んで、かつわかりやすく解説できるものだ」と、感心しました。絵もわかりやすいですね。ありがとうございます。
インフラや住宅復旧は、どんどん進みつつあります。しかし、まだ時間がかかります。今回、指摘されたように、大勢の人がまだ2年も3年も、仮設住宅住まいを余儀なくされます。これは、阪神・淡路大震災の時には、なかったことです。神戸では、がれきを片付ければ、家を再建できました。今回の被災地では、高台に移転します。住民の意見集約が終わり、計画もできました。しかし、山を切り取る工事は、時間がかかります。なお、借り上げ仮設は普通のアパートなので、住環境は悪くありません。
プレハブ仮設が老朽化し、そして生活不活発病や孤立を招きます。これが、次の大きな課題です。長引く仮設住宅生活での健康と、新しい住宅でコミュニティを作ること。これが大きな課題です。でも、課題はわかっているので、市町村や県と一緒に、そして町内会やNPOの力を借りて、課題を解決していきます。

企業との連携

2014年7月21日   岡本全勝

藤沢烈さんのブログ「被災地における行政と企業の連携が、いよいよ進むのか」(7月20日)から。
・・企業連携の在り方は被災自治体によって違いがあります。RCFが関わる釜石市では、釜援隊が様々な企業からのリクエストを受ける存在になっています。女川町では、NPOアスヘノキボウさんが受け口になっています。大船渡では、市役所に入っている東北未来創造イニシアティブのメンバーが調整役になっていますし、石巻では、これからできる六次産業化センターがその役割を担います。
ただ、これらの市町村は企業連携が進んでいる地域です。多くの被災市町村では、連携の窓口が決まっていなかったり、担当者の時間・経験不足で対応し切れていません。また、自治体の規模やニーズによって窓口の内容や活用する制度も異なるわけですが、そうしたノウハウはあまり共有されていません。さらに言えば、ある自治体に届く企業支援が、一つの自治体にとどまって他には広がらないことがあります。というか、これは私見ですけれども、企業やNPOが検討した支援の8-9割は適切にマッチングされていなかったと感じます・・

被災地の復興には、行政だけでなく、企業やNPO・中間団体の役割が重要です。復興庁では、企業連携班やボランティア連携班を作って、進めようとしています(多様な主体の取り組み)。企業との連携では、大きく分けて2つの分野、2つのアプローチがあります。
一つは、被災地での産業復興です。政府はさまざまな手法で、産業復興を支援しています。もちろん産業の主体は企業や事業主であり、政府の仕事はその支援です。もう一つは、企業のCSRです。「民間企業による主な復旧復興支援活動」を分類して、企業の皆さんに支援を呼びかけています(民間企業による復興段階における支援活動)。
藤沢さんの指摘のように、せっかくの企業からの申し出に対して、まだ十分な対応ができていません。もったいないのです。これまで、自治体は企業誘致の他は、企業との付き合いがほとんどありませんでした。役所は、企業を事業委託の相手方か補助金の相手方としてしか、認識していなかったのです。対等に協力するという経験や発想が乏しいのです。特に域外の企業と、どうやって協力してもらったら良いかのノウハウやつなぐ場がありません。いろいろ試みているのですが、これからの課題の一つです。

企業の災害への備え

2014年7月21日   岡本全勝

7月16日の日経新聞に、「物流網、災害に備え。ヨーカ堂、拠点整備。1か所で必需品そろう」が載っていました。
食品、日用品、衣料の、3つの分野を専門に扱う物流センターが、首都圏に10か所あります。それを、5か所に集約するとともに、それぞれのセンターが、3分野の商品全てを扱うようにします。
これは、東日本大震災の経験を教訓にした、見直しだそうです。これまでの方法だと、あるセンターが被災すると、扱っている商品分野が違うので他のセンターでは代替が難しい場合があったのです。合わせて、これによってトラックの配送効率も高まるのだそうです。
商店やコンビニ、そしてそれを支える物流システムは、災害時に大きな役割を果たします。今回の見直しは、重要な災害への備えですね。ありがとうございます。

資材費高騰対策

2014年7月18日   岡本全勝

被災地では、通常でない量の土木や建築工事を進めています。すると、資材や労務費が高くなります。公共事業費については、国交省が素早く単価を見なおし、事業費を高くしてくれています。
資材費の高騰は、それ以外の事業にも及んでいます。企業の設備や施設、病院施設などの復旧経費も、2年前に見積もった金額では実行できなくなっているのです。2年前に補助金の交付決定をしたけれど、高台移転などの工事を待っているうちに資材が高騰して、当初の予算額では完成しない事例も出てきています。被災地からは、何とかして欲しいとの要望が出ていました。
このうち、企業の施設設備については、今般、中小企業庁が、中小企業等グループ補助金交付決定後の資材等価格の高騰によって工事が完成しない事例について、補助金を増やす決定をしてくれました。これも、これまでにない大英断です。財務省の理解があってできた手当です。
もちろん、その分の財源が、必要になります。これは、国民の皆さんに負担してもらっています。