今日は、慶応大学で講義。地方税の概要、自主課税とジレンマ、その他の負担の差、さらに地方債まで。順調に進んでいます。
その合間に、地方財政の多面的な見方も、お話ししました。制度(仕組み)と運用の実際、各地方団体と全体、国と地方、国民経済・資金循環の中の地方財政。これら経済としての見方とともに、主権者である住民の意思との関係があること。地域の課題に対し、財政が解決できる範囲など。地方財政は、財政学・経済学であるとともに、実務であり、行政・政治です。お金の循環だけでは説明としては不足することを、大きな図を書いて解説しました。
次回から、財政調整制度に入ります。ここは、私の一番の専門分野です。
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2010年秋学期
2010.10.22
20日は、慶応大学での講義。日本経済に占める地方財政の規模や、財政の役割を解説。さらに、地方自治体の収入の概要を説明しました。だんだんと、学問らしくなってきています。
2010.10.06
今日は、慶応大学授業の2回目。100人あまりの学生が、聞いてくれました。授業の内容も、本格的な部分に入り、だんだん調子が出てきました。学生の目を見ていると、「ここは興味を持って聞いているな」ということが、良くわかります。大事な話なのに反応が今一つの場合は、例を入れ替えたりして、もう一度話すようにしています。
学生とも、歯車がかみ合ってきました。笑ってほしいところで、笑ってもらえましたから。もっとも、40歳前後の自治大の研修生を相手にしゃべるのと、20歳の学生さんを相手にしゃべるのでは、勝手が違います。小話をしながらも、「これは20歳の人には受けないなあ・・」と、反省したり。
私にとって人前でしゃべることは、毎回、これまでに得た知識と経験を総動員し、全身全霊を尽くして行う、真剣勝負です。観客の反応を探りつつです。「あれもお話ししたい」「これも教えておきたい」ということが、次々と頭に浮かびます。必要なことはレジュメに書いておきますが、それは市販されている教科書を読んでもらえばよいことです。書かれていないこと、授業ではそれも重要なのです。
今の学生さんは、まじめです。ほとんどの人が居眠りもせず、聞いてくれます。
残念ながら、来週(10月13日)は、本務が外せず、休講にします。今日配った資料は、20日に使うので、持ってきてください。
授業開始
今日は、慶応大学法学部での授業の第1回目でした。出席者は約110人でした。居眠りする学生もほとんどいなくて(途中で少し眠そうな人もいましたね。笑い)、皆さん、熱心に聞いてくれました。まずは、順調な滑り出しです。
最初の授業なので、学生の反応を探りながらの講義です。食いついてくるか、反応がよいか。気を遣います。もっとも、学生の方もそうでしょう。「この講師はどんな人かな」「どのようなことをしゃべるのだろう」と、見ているのでしょうね。
私からすると、彼らは息子の世代であり、学生からすると、私は父親の世代なのです。なかなか、距離感がつかめません。2年前にも出講していたのですが、どのようにしゃべっていたか、思い出せなくて。しかも、今日は階段教室(大教室)で、これまたやりにくいです。次回からは、もう少しリラックスして聞いてもらえるようにしましょう。
今日も学生に、「新聞を読んでいるか」と聞きました。2年前に比べ、さらに減っています。ぽつぽつとしか、手が上がりません。うーん、困ったものです。テレビやインターネットのニュースとの違いを説明し、「新聞を読んでいないようでは、就職活動もうまくいかないよ」と注意しておきました。読み返してみたら、3年前の授業でも、同じことをしゃべっていますね(2007年4月14日)。
かつて講師控え室があった建物が工事中で、控え室が変わっていたり。いろいろ戸惑いながらの、第1日でした。
慶應義塾大学2010年秋
再び、慶應義塾大学法学部に、教えに行くことになりました。2010年秋学期、水曜日第4限、地方自治論Ⅱです。地方自治論Ⅰにおいて自治の仕組みを講義されていて、Ⅱは地方税財政論です。
(構成)
地方税財政を、3つの角度から解説します。
第1部は、地方自治体の仕事とそれを支える財政がどうなっているか、具体的な例を説明します。現場の地方行財政です。日本では国民への行政サービスの多くが、地方自治体によって担われています。そして、世界最高水準のサービスを、全国で一律に提供しています。
第2部は、地方行財政の仕組みを説明します。日本の地方自治体の税財政制度は、法律によって枠組みが決まっていること、そして国による誘導と地方団体間の調整が行われていることに、特徴があります。これが、全国で均一な行政サービスを達成できた理由です。
第3部は、地方行政と地方自治体が抱えている課題と、それに対しどのような改革が取り組まれているかを解説します。
(授業計画)
第1部 市役所の仕事と財政
第1章 自治体の財政
1 市の仕事と財政
2 多様な自治体
第2章 国家財政と地方財政
1 会計と予算
2 国と地方の仕事の分担
3 日本経済の中の財政
第2部 地方財政制度
第3章 地方税、その他の収入
1 地方自治体の収入
2 地方税
3 地方自治体の自主性
第4章 地方債
1 地方債の機能
2 発行制限の手続
3 どこから借りるか
第5章 国と地方の財政関係
1 国の予算と地方財政計画
2 地方財政対策
3 税の配分と仕事の配分
第6章 財政調整制度
1 地方自治体間の税源偏在と調整
2 地方交付税の算定
3 地方交付税の機能
第7章 公営企業など
1 公営企業
2 第3セクターなど
3 地方自治体のサービス提供手法
第8章 開示と分析
1 財務の開示と分析
2 地方財政健全化法
第3部 課題
第9章 財政の分権、自立、自律
1 国からの分権
2 住民による自治
第10章 財政再建
1 国家財政と地方財政の赤字
2 国際比較
3 経済と社会への影響
第11章 市民の期待に応える
1 市役所の2つの課題・地域経営と組織経営
2 地方行革
3 市民の期待に応える
(授業予定)
9月29日 講義のあらまし、第1章自治体の財政
10月6日 第1章続き、第2章国家財政と地方財政
10月13日 (休講)
10月20日 第2章続き、第3章地方税、その他の収入
10月27日 第3章続き、第4章地方債
11月10日 (休講)
11月17日 第5章国と地方の財政関係
11月24日 (大学休み)
12月1日 第6章財政調整制度
12月8日 第6章続き、第7章公営企業など
12月15日 第7章続き、第8章開示と分析
12月22日 第9章財政の分権、自立、自律、第10章財政再建
1月12日 第10章続き
1月19日 第11章市民の期待に応える
1月26日 試験
(配付資料)
レジュメや資料は、講義の進行に合わせて配付します。教室の後ろに置くので、各自取ってください。欠席者のために、次回も並べます。2回続けて欠席する学生は、知人に頼んで、もらってください。
レジュメ:p1~4(9月29日)、p5~6(10月6日)、p7~11(10月20日)、p12~14(10月27日)、p15~18(11月17日)、p19~23(12月1日)、p24~27(12月8日)、p28~30(12月15日)、p31(12月22日)、p32~34(1月12日)
資料:「講師略歴」、資料1-1(9月29日)、資料1-2~資料1-7(10月6日)、資料3-1~3-4(10月20日)、資料3-5、3-6(10月27日)、資料5-1、5-2(11月17日)、資料6-1~6-7(12月1日)、資料7-1~7-4(12月8日)、資料8-1~8-3、資料9-1、9-2(12月15日)、資料10-1~10-9(12月22日)、資料10-10(1月12日)、資料11-1(1月19日)
パンフレット:「相模原市予算事始」(9月29日)