カテゴリーアーカイブ:行政

地域の看護師、コミュニティナース2

2023年12月13日   岡本全勝

地域の看護師、コミュニティナース」の続き、矢田さんの発言です。「教科書に書いてあることは、「過去のこと」が多い。教科書通りだけのことをしていては、時代に乗り遅れます。ですので教科書に載る前の「実験」を続けています」は、耳が痛いです。

――行動力がすごいですね。
看護は実践学という思いが強いのです。看護に限らず、知は実践に生かさないと意味がない、と考えています。誤解を恐れずに言えば、教科書に書いてあることは、「過去のこと」が多い。教科書通りだけのことをしていては、時代に乗り遅れます。ですので教科書に載る前の「実験」を続けています。

――民間企業とのコラボレーションも進んでいます。
瞬間瞬間で出会った人と、考え方や感性が合えば、ご一緒しています。「コミュニティナースがいる日本をつくりたい」という計画を企てていこうという方たちです。1億総コミュニティナース化が目標。元気なうちからコミュニティナース的にかかわる、という共通目標をもっています。
日本列島を人体に見立て、そこに考え方が合った自治体や企業という「良い血液」を流し、いい細胞をつくるイメージです。これまで鉄道会社やコンサルティング会社、ガス会社や製薬会社などと連携を進めてきました。具体的には、コミュニティナースを派遣したり、社員を受け入れたりしてきました。これらの会社は、社会的な意義を感じ、トップ自ら経営マターとして取り組んでくれています。

――医療・介護の枠をはみ出ていますね。
自分では、社会システムの変革者、ゲームチェンジャーだと思っています。この国にまだない健康インフラをつくろうとしています。コミュニティナーシングというマインドやふるまいを、全国民が享受できる世の中にしていきたいと思います。

フードバンク、行政の役割

2023年12月12日   岡本全勝

11月24日の朝日新聞「フードバンクの今:下」「持続可能な活動へ、行政の役割とは」から。
・・・困窮している人たちへの食料支援で大きな役割を担うフードバンクだが、企業や個人の寄付で運営しており、多くの団体はぎりぎりの状況で活動を続けています。支援を持続可能なものにするには何が必要なのでしょうか。
徳島県は昨年12月、フードバンクなどの困窮者支援団体や子ども食堂に、無償で食品を提供する事業を全国に先駆けてスタートした。
カップ麺などの県産食品セットや県産米、菓子パンなどの食品の提供費用として、補正予算で5億円を計上した。1団体あたりの上限は月200人分を目安とした。
県によれば、7月末までに、県内約130団体に県産米約118トン、県産食品セットは約2・6万人分を提供、9月末でいったん受け付けを終了した。その後、9月の補正予算で新たに予算を確保、来年1月末まで食品の無償提供を続ける予定という。
急きょ事業を立ち上げたきっかけは、福祉団体や社会福祉協議会などを通じて困窮者に食料を提供するNPO法人フードバンクとくしま(徳島市)が食料不足に陥っているという情報が届いたことだった。
県国保・地域共生課の加藤貴弘課長は「物価高騰で生活困窮者の暮らしはより深刻になっている。フードバンクに十分な食料が集まらなくなれば、そこから食品を受け取る様々な団体も活動継続が難しくなる恐れがある」と説明する・・・

・・・物価高騰やSDGsへの意識の中で減っているとされる企業の食品ロスだが、さらに食品ロス削減を進めるため、消費者庁は、関係省庁と連携しフードバンクを「重要なパーツ」(自見英子消費者相)として捉え、年内に施策パッケージをとりまとめようとしている。
企業にとって、食中毒などの事故が起きた場合に法的責任を追及されることや、寄付した食品が転売されて企業の評価低下につながることなどへのおそれは、食品寄付のハードルを高くしている。そこで、一定の基準を設けて、損害賠償などの責任を軽減する仕組みを検討している。
また、農林水産省ではこれまでは主に食品ロス削減の観点から捉えていたフードバンク活動を、十分な食料が得られない経済弱者を支える役割として捉え、支援することを検討している。24年度予算の概算要求では、新たに約10億円を盛り込み、フードバンクや子ども食堂などが食品取扱量を増やすために必要な倉庫費などを補助することを予定している・・・

12月9日の朝日新聞別刷りbeには、「行政による食料支援 民間と連携、生鮮食品含め提供」が載っていました。
・・・物価高騰のなかで値上げが相次ぐ食品類。家計が苦しく、日々の食べ物を手に入れるのに苦労する人が増えています。こうしたなか、生活に困窮した人に対する緊急の食料支援に本格的に乗り出す自治体が出てきました。民間の取り組みが先行する食料支援に、行政はどう関わっているのでしょうか。全国に先駆けて取り組む長野県と東京都板橋区の実践を報告します・・・
原文をお読みください。

地域の看護師、コミュニティナース

2023年12月10日   岡本全勝

12月9日の朝日新聞、別刷りbe1面、「フロントランナー」に「CNC代表取締役・矢田明子さん 暮らしの中で住民をケア」が載っていました。

「コミュニティナース」って、ご存じですか。病院にいる看護師さんと違い、街へ出て、普段の生活に溶け込んで、住民の世話をします。「日常生活の中で住民と顔を合わせ、心身の健康だけでなく、毎日の「楽しい」や「うれしい」を一緒に手がけていく実践活動だ」。
矢田さんのあふれる笑顔の写真と一緒に、本文をお読みください。

私はある勉強会(オンラインです)で、矢田さんとその活動を知りました。現代社会の大きな問題である孤立・孤独への対策を実践しておられる実例としてです。地域のつながりでは、このホームページで子ども食堂を紹介していますが、コミュニティナースはまた違った方法での対策です。
私も知らなかったのですが、世間でもまだ知られていないでしょう。カタカナでなく、何か良い日本語はありませんかね。

公的な私文書

2023年12月10日   岡本全勝

11月13日の朝日新聞夕刊「アナザーノート」に、藤田直央・編集委員の「現代外交史に新たな角度、「公的な私文書」読み込む」が載っていました。

「最近の連載で、日本外交への提言を続けた元外交官の故・岡本行夫氏が残した文書を取り上げた。岡本氏が1990年代後半に橋本龍太郎内閣で、2000年代前半に小泉純一郎内閣で、首相補佐官を務めていた頃のものだ。
こうした「公的な私文書」に出会い、現代史を新たな角度から見つめ直す記事を書くことが最近続いた。政府の外交文書とは違う、入手から記事化に至るまでの醍醐味がある。その話をしたい」
として、三木武夫首相、若泉敬教授、岡本行夫さんの3人の文書が紹介されています。
ここで「公的な私文書」と呼ばれているのは、役所が保管していない文書で、政府の政策や行動に関する記述がある個人の文書です。藤田さんの意見を引用します。

「最後に、「公的な私文書」をどう扱うべきかについて述べたい。
「公的な私文書」という表現は実は政府寄りだ。三木文書の1973年の日ソ首脳会談議事録のように、「極秘 無期限」で作成者として外務省の担当課が記され、明らかに元首相の遺品である文書ですら、外務省は「民間所有の文書にコメントしない」という立場を取る。だから私文書扱いとなり公文書管理法の対象外となる。
それでいいのか。例えば米国では、大統領は退任時に公務に関する文書を全て国立公文書館に渡すよう義務づける法律がある。保秘のためだけでなく、後の開示に備えて管理する公的な制度で、文書を勝手に持ち出していたトランプ前大統領から捜査機関が押収するなど厳格に運用されている。

日本では「公的な私文書」は劣化し、散逸するばかりだ。三木文書では56年の日ソ首脳会談議事録の肝心な部分がかすれ、判読が難しくなっていた。佐藤家では秘密文書の扱いに悩み、燃やそうという声もあったという。こうした文書が失われていくほど、戦後日本外交の選択を検証する際の記録は、外務省の「30年ルール」による開示に頼りがちになる。
しかし、三木文書には30年経っても外務省が出さない文書が含まれ、若泉文書には外務省とは別ルートでひそかに首相の決断を支えた文書があり、岡本文書には首相の「勝負会見」で外務省が準備したのとは別の発言案があった。こうした文書の多様さは歴史的な検証の幅をぐっと広げる。国民の共有財産としてどう保存し継承するか、議論を急ぎたい」

塩野七生さん「政治はまず大目的を掲げよ」

2023年12月8日   岡本全勝

11月25日の日経新聞夕刊に「塩野七生さん「政治はまず大目的を掲げよ」」が載っていました。塩野七生さんが、今年度の文化勲章を受けての共同記者会見を開いた席での発言だそうです。

「いまは世界の指導者のだれひとり、何をやったら良いのかわかっていない。
目の前のことだけやっているのではなく、ひとつ上のことを決めて処していくのが政治です。動乱の時代には、まず大目的を上に掲げること。日本は課題が山積しているが一番大切なのは何かといえば、私は国土と安全保障だと考えます」