18日の産経新聞は、「フリーターの老後」下を載せていました。フリーターを続けながら老後の生活設計をすることができるか、というテーマです。正社員とは、生涯賃金で2億円以上の格差が生じ、なかなか困難なようです。小杉礼子さんによると、「20代後半のフリーターは切迫感がなく、養うべき家族ができたり、体力の限界を感じるようになると、現実を直視するようになる」とのことです。また、「フリーター歴が3年以上、学歴が低い、25才以上の3つがそろうと、なかなかフリーターから抜けられず、そうなるとあきらめてしまって、能力開発などの施策にも乗ってこなくなる」とのことです。
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行政
新しい仕事5
17日の毎日新聞は「いざなぎ超え、長寿景気の実態」で「60万円のスーツ、2000万円のクルーズ人気、3人に1人が非正規雇用、年収200万円以下981万人」を書いていました。賃金水準が正社員の6~7割ですむパートや派遣社員など非正規雇用の比率はこの景気回復期に上がり続け、06年4~6月で32.3%と3分の1を占める。国税庁によると、給与所得者のうち年収200万円以下は95年で793万人(全体の17.8%)だったが、05年は981万人(同21.8%)に増えた。
新しい仕事4
経済財政諮問会議が動き出した上に、再チャレンジ室長の仕事もいただいたので、えらく忙しくなりました。記者さんの取材も増えたのですが、まだ十分な説明をできません。なにせ、週末に担当室の改装をしてもらい、机とパソコンが入ったのが、16日の月曜日です。今、職員と、課題と対策の分類・優先順位付け・問題点の洗い出しをしているところです。
こられる記者さんには、この事情を説明すると同時に、「良い知恵を貸してください」とお願いし、「お宅の会社は、フリーターを途中採用していますか」と質問をしています。論点が整理できたら、このHPをご覧の方にも、うまくいっている事例や、解決策のお知恵を借りたいと思います。ただし、焦点を絞らないと、漠然と聞いても効果がないと思います。再チャレンジといっても、フリーター対策と団塊世代の第二の人生活用とは、緊急度や対処方法は別ですよね。これらを整理できるまで、もう少しお待ちください。
審議会政治、審議会の政治学
新しい仕事3
13日の朝日新聞三者三論は「偽装請負、対策どうする」でした。
小嶌典明教授は「規制緩和で請負を活用せよ」として「行政が現場の実情に合わない硬直的な条件に基づいて『適正な請負』と『偽装請負』を区分けしていることだ」「請負を派遣に切り替えれば済む問題でもない・・企業が人件費に使える財源には限界がある・・無理に派遣に替えれば、メーカー側は直接雇用を避けるため、派遣労働者の短期間での契約打ち切りを繰り返すようになり、雇用の安定性が請け負い労働者より低下する懸念もある」
「若年労働者が低賃金で正社員になれる機会も少ないのは確かに問題だが、偽装請負をなくせば解決するものでもない。偽装請負は、正社員の雇用を維持するための緩衝材の役割も果たしてきた。労働組合も自分たちの組合員の生活を守るのに精一杯で、外部の労働者には関心が薄かった。正社員の既得権を見直さないと、若年労働者の問題は解決できない」
鴨桃代さんは「直接雇用を広げる政策を」の中で、「労組も、請負労働者の問題について感度が鈍かったと言わざるを得ない。契約社員やパートよりも外におかれてきたと思う」。
佐藤俊樹先生は「真の問題は世代間不平等」として「偽装請負という法律違反は論外だが、短期雇用自体が不当なわけではない・・では、何が問題なのか。現在30代前半から半ばまでの第2次ベビーブーム世代を中心に、特定の世代に不利益が集中していることなのだ。日本は90年代のバブル崩壊後、若い世代の雇用を犠牲にして、中高年の雇用を守った。今後再び長期安定雇用に戻れば、この10年ほどに新卒だった世代だけが『失われた世代』としてはじき出される」
「海外とのコスト競争で人件費を抑える必要が出ると、先輩社員たちは限られたパイの中、『次の世代を採用して育てるよりも、自分たちが会社に不可欠だ』と判断した。だから、新規採用を抑え、不足する労働力は人件費を抑えられる非正規雇用に頼った・・米国流の成果主義を上手にまねできなかったから、こんなことになった。米国流はもっとドライで平等。若い人だけに不利益を押しつけるのでなく、ベテラン社員でも、必要なくなったら切るからだ」
「解決策として、まずは採用時の年齢制限を一時的にせよ禁止して、直接雇用へのチャンスを広げざるを得ないのではないか・・・そして、直接雇用を増やすための人件費削減については、すでに働いている正社員の部分を削らざるを得ない。払える人件費の総額に限度があるとすれば、その限度の中で公平に負担を分担すべきだ」