カテゴリー別アーカイブ: 行政

行政

官僚の国会待機

丹羽宇一郎伊藤忠商事会長が、日経ビジネス3月26日号に「官僚深夜待機への疑問」を書いておられます。
国会開会中、大勢の官僚が午前1時、2時といった深夜まで、待機を余儀なくされている。翌日の質疑に必要な答弁を、書くために残っている。いったい官僚に徹夜させるほど急を要する質問が、どれほどあるのだろう。突発的な事態を除いて、前々日までに質問を出さない場合は、国会で答えない。必要ならインターネット上で解答するなど、国民が見られるようにすればいい・・・

新しい仕事47

25日の日経新聞読書欄「経済論壇から」(大竹文雄さん)から。
春闘は、ストを背景に大幅賃上げを獲得できたころの労働者の一体感はもはや存在しない。労働組合の存在感は、政治的にも小さくなった。この原因を、伊藤惇夫氏は次のように分析している(文藝春秋4月号)。かつての労働運動は、貧しさや厳しい生活環境から抜け出すため、勝ち組である経営者側から、少しでも多くを奪い取るための闘いだった。ところが、大企業の正社員と官公労働者が大半を占める連合の組合員は、いつの間にか勝ち組になっていた。春闘は、勝ち組の内輪のイベントになり、多数派である未組織労働者の共感を得られなくなった。
正社員が既得権益を守る立場になった経緯を、城繁幸氏は次のように述べている(VOICE4月号)。バブル崩壊で継続的な成長の見込みがなくなった日本企業は、労務戦略の大幅な見直しを迫られた。しかし、問題は日本には「一度上げてしまった序列も賃金も、引き下げるという慣習がまったく存在しない」ことだった。賃下げのため、日本企業がとったのは「年功序列的」な対策だった。既存の中高年世代の賃金には手をつけず、ひたすら若者の昇級昇格を難しくし、非正規雇用という形で低賃金で若者を抱え込んだ。
それぞれ、なるほどと思いますね。そして、「一度上げてしまった序列を下げる習慣がない」という指摘には、目を開きました。校長や教頭が、適格性がない場合に、一般教員に降格する仕組みがあります。管理者側からの降格だけでなく、本人の希望によるのもあります。このような仕組みも、もっといろんな職場にひろげる必要があるのでしょうか。

新しい仕事46

今日、参議院本会議で、地域再生法の改正が可決成立しました。再チャレンジ寄付税制は、この法案に乗っているのです。並行して、内閣府令(省令)の準備も進めています。もっとも、この寄付税制は、制度を作るのが目的でなく、寄付を広げるのが目的です。わかりやすいパンフレットも制作中です。でき次第、お配りします。
また、先日、各県と政令市の窓口を載せましたが、徳島県がHPを作ってくださったので、リンクを張りました。ありがとうございました。他の自治体も、準備ができ次第、リンクを張ります。

業界行政から消費者行政へ

22日の朝日新聞は、「経産省、消費者行政に本腰」として、製品安全課をとりあげ、産業振興を掲げてきた経産省が、消費者行政に力を入れていることを解説していました。
「戦後の欧米に追いつけ追い越せの時代に、旧通産省はニッポン株式会社の主要な牽引役だった。だが、日本が世界第2位の経済大国になって経済が成熟すると、不要論もつきまとうようになった。旧大蔵省の護送船団方式の金融行政が批判され、そこから分かれた金融庁が業界とドライな関係となって投資家保護を唱え始めたように、経産省も産業界寄りのままではいられない時代だ。・・・とらえどころのない消費者相手。それでも、行政ニーズは今後、伝統的な産業行政部門より、むしろ大きくなる可能性がある。省庁再々編論議では、消費者行政庁構想も取りざたされる・・・」
この切り口は、私が唱えている、これからの行政のあり方=「業界振興から生活者保護」そのものです。「行政の役割変化」(2月8日11日をお読みください。このように、このアイデアが共有されると、次の改革につながりますね。

新しい仕事45

21日の読売新聞は、同社主催のフォーラム「日本の決断-格差と再チャレンジ」を特集していました。22日の日経新聞「ニュースがわかる」は、「産業界、正社員化へ動く」として、契約社員やアルバイト・パートを正社員化する動きが産業界全体に広がってきたことを解説していました。