9月25日の朝日新聞オピニオン欄は、「バーベキューは迷惑か」でした。川崎市の多摩川河川敷での問題です。春から秋にかけて、土曜日曜は大勢のバーベキュー客で、「花見の公園」状態だそうです。楽しんでいる人はよいのですが、問題は大量のごみと騒音。音響機器とロケット花火もすごいそうです。花火は朝まで鳴っていることも。夕方からは、お酒が入って、物を壊す、吐く、便をする・・、地元民にとっては、たまったものではありません。そこで、有料化への社会実験を始めました。
このような地域の問題を、どう解決するか。地域コミュニティと自治体の力が、試されます。3人の方の意見が、紹介されています。ご覧下さい。
地域の課題は、国から来るのではなく、地域から発生する。そしてそれは、お金をかければ解決できるものではない。コンクリートやモノの問題ではなく、人と人との関係である。私が長年主張していることの、一例です。
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アメリカの連邦と州、訴訟による決着
公務員制度改革、職員の意欲
9月21日、日経新聞経済教室、加藤創太教授「公務員制度改革の論点」の発言から。
・・公務員制度改革の目的は、①国家と公務員の目指す方向性を一致させ、②政官の役割分担を定め、③目指すべき方向性に向け「個」の公務員の意欲・活力を最大化させることに尽きるはずである。これは企業など他の組織改革と変わらない・・
そして、先進各国の人口1,000人当たり公務員数と、GDP比の公務員人件費の図が掲げられています。日本は極端に少ないのです。
・・日本は先進民主主義国家の中で、人口当たりの国家公務員数が非常に少ない。その上さらに公務員人件費を縮減しつつ、望ましい公務員制度改革を達成するためには、よほど効率よく①②③を達成しなければならない・・
・・企業などの組織改革でトップが最も重視するのは、構成員へのインセンティブ(誘因)の付与であろう。適切なインセンティブを与えることで構成員を前向きに正しい方向へと誘導できれば、構成員の意欲の最大化だけでなく、組織と構成員の方向性の一致も実現できるからだ。これに対し、トップが構成員を強権的に抑えつければ、方向性は一致できるかもしれないが、意欲が損なわれる。
だが、同じ人間の組織を扱っているにもかかわらず、公務員制度改革では公務員にインセンティブを与えるという前向きの議論は少なかった・・
ペイオフ発動・金融行政の進化
9月10日に、日本振興銀行が経営破綻し、ペイオフ(上限つき預金保護による処理)が行われました。ペイオフが発動されたのは、わが国では初めてのことなので、大きく報道されています。日経新聞経済教室、15日の翁百合さん、16日の佐藤隆文教授(前金融庁長官)が、わかりやすいです。
私の関心は、市場(金融)に対して政府(行政)はどうかかわるかということと、金融危機という社会のリスクにどう備えるかということです。
普通の会社が倒産しても、それは関係者の負担で処理されます。手続や優先順位は、一般的な破産法制で決まっていて、それに沿って処理されます。しかし、銀行の場合は、これまで倒産させず、ほかの銀行に合併させて救済したり、国費を投入して保護したり、一時国有化して救うなどの処理をしました。預金も全額保護したのです。
これには、大きく二つの要因があったと思います。一つは、銀行の倒産が、次々とほかの金融機関に波及し、金融システムが機能不全になる恐れがあること。システミック・リスクです。金融はお金のネットワークなので、このようなことが起きます。もう一つは、国民の間に「銀行は倒産しない」という信仰があり、預金が戻ってこないとは考えていなかったこと、そして通常の会社と違い、取引先(預金者)が一般人で範囲が広いことです。社会不安を引き起こす可能性があるのです。
今回、初めてペイオフによる破綻ができたのは、それをするだけの条件が整った、整えたからです。この点は、佐藤論文に詳しく書かれています。
佐藤教授は、事前予防と事後処理の整合性を、指摘しておられます。金融行政は、かつてのきつい規制行政から、規制緩和が行われました。そして市場の競争に委ねるようにしたのですが、破綻した場合の処理が、一般企業と違って問題になるのです。
預金者保護・金融システム維持のために、セーフティネット(安全網)を強くすると、ずさんな経営者が出てくる可能性があります。高い利息で預金者を集め、うまくいかないと倒産させるのです。このような銀行や預金者が保護されるようでは、まっとうな競争は生まれません。そして、その費用負担は国民に押しつけられるのです。他方、安全網がないと、金融システムの危機が発生する可能性があります。
それをにらみながら、うまく制度を組み立て運用する。この20年間の銀行破綻と金融行政の経験から、日本が学んだことです。
児童虐待防止法10年
日経新聞が17日から社会面で、連載「震える小さな命。児童虐待防止法10年」を始めました。児童虐待は、新聞報道の中で、最も涙が出る話です。記事にも書いてありますが、各家庭の問題から、社会全体で取り組むべき課題へと変わりました。しかし、家庭の中で起きる、子供は外に訴える手段を持たないことが多いことなどから、なかなか有効な手は打てません。
介護保険制度もできて10年なのですが、こちらは「見えるサービス」なので、問題点の改善が容易です。行政は、人間関係、家庭の中の問題は、得意ではありません。