10月30日の朝日新聞国際面は、アメリカの中間選挙を伝える記事で、住民投票の署名集めを請け負うビジネスを紹介していました。カリフォルニア州では、9件が住民投票にかけられます。カリフォルニア州では、住民投票のためには、43.4万人の署名を150日間で集める必要があります。州憲法改正の住民投票には、69.4万人の署名が必要です。
一見、高いハードルですが、ある案件は2か月足らずで、必要数の署名を集めたそうです。夫婦二人の会社が請け負い、1,500人のスタッフで集めました。署名1人当たり1.55ドルの出来高払いです。提案者はそのために、103万ドルを使ったそうです。
その他、投票の文言を書く弁護士、運動を仕切るコンサルタントなどのプロが介在し、テレビのコマーシャルにも巨費が投じられます。ときに、1千万ドルにもなるとのこと。企業や労組などのスポンサーがついた投票も多くなります。住民投票もビジネスになる。アメリカらしいですね。
カテゴリーアーカイブ:行政
日本農業・失われた50年
日本経済新聞が27日から、連載「ニッポンの農力、自立するために」を始めました。環太平洋協定(TPP)が政治課題になり、農業保護が問題になったのです。
その記事によると、農業就業人口は、ピークであった50年前から8割以上も減り、今年は260万人と全就業者に占める割合が3%台に低下しました。農業総産出額は8.5兆円と、最も多かった1984年に比べ72%に低下しています。農林水産業がGDPに占める割合は、1960年には13%でしたが、現在では1.5%です。記事では、「国内農業は失われた50年」と形容しています。
稲作は50年前に比べ、生産性が大幅に向上しました。これだけ農家が減っても、米は余っています。しかも、減反を4割もしています。その点では、成功したのです。しかし、国外産に比べ、まだ低いのです。問題は小規模なままで、大規模化が進まなかったことです。兼業農家が、片手間でできるようになったのです。日本の農業問題は、稲作とその他の作物に分けて考えなければならないこと、そして問題のカギは農地です(2007年6月23日の記事)。
国家のパワー再考・相手を動かす力と左右されない力
日系定住外国人施策
地域の悩みの一つに、定住外国人問題があります。特に日系外国人は、多数の人が一部地域で固まって住むことで、日本社会と関わりを持たなくても暮らしていけました。しかし、日本語が話せない、文化や習慣が違うことから、地域住民と摩擦を起こすことも多いです。さらに近年の日本の不況で、困難が増しています。地方自治体は、様々な取り組みをしています。
内閣府共生社会政策統括官にある定住外国人施策推進室が、取り組み事例を取りまとめました。ご覧下さい。
私がこの問題を取り上げるのは、次の2つの理由からです。
一つは、この問題が、これからの自治体にとって、課題は地域で発生し、解決策も国からは来ないという一例だからです。
もう一つは、自治体がつくらなければならない「マチ」とは、道路や施設といった有形のものだけでなく、人と人との付き合いや助け合い、ルールやマナーといった無形の社会資本が重要だということです。住民の暮らしにとって、道路や施設以上に、人とのつながりが重要なのです。外から来た人が困ることを数え上げると、何が重要なマチの要素であるかがわかるのです。これについては、拙著『新地方自治入門-行政の現在と未来』p177で述べました。
民主制の機能、政治エリートの選別
10月17日日経新聞「民主主義を考える」は、宇野重規東大准教授でした。
・・代議制は国民の代表を通じて民意を反映させるためのものだが、同時に政治エリートを選別し、競争させる仕組みでもある。現在はまさにこの仕組みが機能不全を起こし、指導力のある政治家をうまくつくり出せないでいる。
問題は、政治エリートと呼べる人が今の日本にいるかどうかだ。政治学者はこれまで一部のエリートが政治を独占することを批判してきたが、今や批判する相手が見えにくくなっている。
政党が自らの価値観に沿って人材を養成して「さあどうですか」と人びとの前に差し出すのが政党政治だったのに・・ただ首相を替えていくだけでは、遠からず差し出す営業品目がなくなる・・
詳しくは原文をお読み下さい。