東日本大震災の被災者支援や復興に際して、これまでにない政策をつくり、またこれまでにない手法を生みました。
一言でいうと、「国土の復旧から暮らしの再建へ」です。そして、政策が広がったことで、それを実現する主体も、手法も広がりました。公共を支える3つの主体の協働です。
拙著『復興が日本を変える』に詳しく書きました。わかりやすく図表にしたので、ここに載せておきます。(2016年7月31日)
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復興がつくった新しい行政
拙著「復興が日本を変える」で、復興の哲学や手法を変えたことを論じました。講演会などで使っている図表を、このホームページに貼り付けました。「復興がつくった新しい行政」
技術的にうまく行かなかったのですが、復興庁職員の協力で貼り付けに成功しました。Hさん、E君、ありがとう。
保守主義とは何か、宇野重規先生
宇野重規著『保守主義とは何か』(2016年、中公新書)が、勉強になりました。詳しくは本を読んでいただくとして。あまり考えることなく、「保守」や「革新」、「保守主義」という言葉を使います。伝統主義、復古主義、新自由主義、さらには保守感情とは、どこが違うのか。よくわかります。
保守感情、伝統主義は古くからありますが、保守主義は「革命」「進歩」という概念、政治主張に対して生まれた考えです。進歩という概念が力を失うと、保守主義も影が薄くなってきます。
宇野先生の、いつもながらの切れ味の良い説明は、わかりやすいです。ただし、第4章日本の保守主義は、対象となる日本の保守主義が曖昧なので、分析は一刀両断にはならないようです。
お勧めです。
憲法改正の回数
7月25日の読売新聞政治面、井上武史・九州大学准教授のインタビュー「社会の変化 対応する憲法に」に、主要国の憲法改正要件と戦後の改正の回数が載っています。それによると、各国の憲法改正の回数は、次の通り。
韓国9回、アメリカ6回、カナダ19回、フランス27回、ドイツ60回、日本なし。
やはり、日本は特異ですね。この70年間、解釈改憲でつないだのか、改正すべきことがなかったのか、改正すべきことがあるのに放置しているのか。
いろいろな原因や背景があります。しかし「日本は、憲法を改正する必要はなかったんだ」と言い切れるでしょうか。私は、時代に合った憲法に改正すべきだと考えています。「憲法を守れ」と「必要な改正はする」は両立するはずです。マスコミが「革新勢力」と呼んだグループが、憲法改正に反対するという「ねじれ」あるいは「命名の間違い」も、あります。
復興庁は何を変えたか
季刊『行政管理研究』2016年6月号(行政管理研究センター)に、寺迫剛さんが、「東日本大震災から熊本地震へー復興・創生期間1年目の復興庁」を書いてくださいました。
復興庁が大震災からの復興に際し、新たに取り組んだことを、適確に整理してあります。「セクター間協働の拡大」を横軸とし、「政策範囲の拡大」を縦軸とする図を示し、次のように書かれています。
「・・・復興庁の新たな取り組みは、行政単独ではなく他セクターのアクターと協働し(横軸方向)、インフラ復旧だけではなくコミュニティ再建等の人々の暮らしの再生(縦軸方向)にも拡大している。ここで指摘しておくべきこととして、図の縦軸方向と横軸方向それぞれへ拡大は不可分の関係にあったということである。なぜなら、図の横軸で示したとおり、官共私三元論を標榜してNGO 等の非営利セクターや私企業との協働関係を構築・拡大したからこそ、コミュニティに暮らす人々との信頼関係を築き、事業者の視点に立った産業再生支援の枠組みを構築できたからである・・・」
また、別図では、この新型行政が被災地に限らず、地域振興策として全国へと拡大展開することが、示されています。
行政研究者が見た、復興庁の新たな取り組みの分析と評価です。ご関心ある方は、お読みください。


