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行政-行政機構

金融危機対応

8日の朝日新聞変転経済「金融危機10年」は、1990年代の公的資金投入の経緯です。
銀行の不良債権の存在と、それへの対応の必要性は、早い段階から指摘されていました。しかし、その手始めである住専への6,850億円投入が、大きな議論を招きました。その後遺症もあり、銀行への投入が進みませんでした。記事では、官邸・与党の動きが鈍かったこと、情報が十分開示されなかったこと、所管省が対応をとらなかったことを、指摘しています。
政策変更時や危機対応時の、政治と行政の役割を考える、よい材料です。

続・政策の意図と効果、その検証

昨日、上のように優遇税制の検証について書いたら、8日の朝日新聞は、租税特別措置全般についての、民主党の検証結果を伝えていました。来年度に向けて、各省が延長や新設を求めている137項目についてです。もっとも、この検証は、それぞれの租税特別措置の当否ではありません。それぞれの効果について、必要性の説明を求めたのに対し、各省が説明できたかどうかです。民主党によれば、4割が説明不十分とのことです。
租税特別措置の多くは、ある政策目的のために、税金を優遇する=まける制度です。形を変えた補助金です。
ここでは、政策の検証について、二つのことが問題になっています。一つはもちろん、それが、どのような目的に対しどの程度効果があるかです。もう一つは、それを判断するために、十分な説明がなされるかどうか、情報開示と説明責任です。後者がないと、前者の判断はできません。
もっとも、新設の場合は、効果は推測にならざるを得ません。

政策の意図と効果、その検証

税制改革議論の中で、証券取引優遇税制の議論がなされています。6日の朝日新聞は、「誰が恩恵を受け、効果はどうだったのか」と解説しています。この税制は、株式と公募投信の譲渡益と配当の税率が、20%から10%に引き下げられているものです。2003年に、株価が大きく落ち込んだとき、個人マネーを株式市場に誘導しようと作られました。
それから5年たって、株価は倍以上に回復しました。個人マネーも増えたようですが、欧米に比べれば、その比率はなお低いようです。
一方問題になるのが、この税制で誰が恩恵を受けたかです。株や投信を持つ個人の64%が、50歳以上です。もちろん、所得の高い世帯の方が、株・投信の保有は多いです。金持ちの高齢者が恩恵を受けているのではないか、という指摘です。

政策評価・第三者の目・続き

先日、経済財政諮問会議で「政策評価の重点分野」が取り上げられたこと、そして第三者の目が必要なことを、書きました(11月26日の記事)。議事概要p12で、丹羽委員が、次のような発言をしておられます。
・・一言だけ申し上げるが、過去私も政策評価・独立行政法人評価委員会の委員長をやっていたが、各府省に一任していると、自らの府省の都合のいいテーマだけを政策評価の対象にしてきた。今回は総務大臣から諮問を受け調査審議していただいた政独委の方に大変努力をしていただいた。これは、省庁の壁を破るという意味で画期的なことで、是非、総理の御指示の下でこれを実行していただきたい・・