カテゴリー別アーカイブ: 行政機構

行政-行政機構

政策決定の透明化

日本銀行が31日に、金融政策決定会合の議事録を公表しました。1日の各紙が伝えています。
これは、1998年の日銀法改正で、定められたものです。政策の決定過程を公開し、透明性を確保するのです。今回公表されたのは、10年前の議事録ですが、会合直後に日銀総裁が記者会見し、議事要旨は1か月後には公表されます。読売新聞は、アメリカ・EUと比べ、日本がかなり充実していることを、表にして示していました。
政策決定過程の公開・国民への説明は、近年の政治・行政改革の重要な要素です。もっとも、日銀は経済に大きな責任を持っていますが、狭い意味での「政府」ではありません。議事録公開でも、政府からの独立性確保が、一つの焦点になっています。

災害復旧経費

今日は、衆議院災害対策特別委員会で、答弁の機会がありました。豪雨災害の応急や復旧にかかる自治体の経費を、特別交付税で措置することになっています。「大丈夫か」との質問に対し、「きちんと措置します」という答弁をしました。
自治体による応急や復旧措置が、住民の被害についての「保険」だとすると、特別交付税はその「再保険」です。各自治体では対応しきれないものを、国が引き受けます。もちろん、それぞれの掛け金は、税金です。

連載・厚労省

日経新聞が、連載「ザ厚労省」を始めました。第1回は「羅針盤なき巨大組織、思考停止に膨らむ不信」です。
・・・人が生きるための制度をつかさどる。老後の安心、働く環境、医療の再生、子供の未来・・。頼るべき組織と人に、頼りないことばかり起きている。古びた制度や体質が、この国の行く先をさびつかせる。
・・・座標さえ見失った老朽船。厚労行政は、今も古い時代を生きる「戦時下の落とし子」だ。・・戦後は成長のレールの上で国富が膨らみ、人口も増えた。社会保障という「成長の果実の分配」に大きな苦労はなかった。そして急成長の時代が過ぎ、少子・高齢・人口減の時代が来た。過去の延長線では、日本の社会保障は崩壊する。価値軸が「負担の調整」へと変わっているのに、それを説明するすべを持たず、行き先を示せず、制度の手直しにきゅうきゅうとする。それが10万人を超す大所帯に膨れあがった今の厚労行政だ。
・・・「すべてを自分たちが扱っているようで、実は何も扱えていない」。昨年まで厚労相だった柳沢伯夫はそう思う・・
日々の事件報道だけでなく、このような構造的な分析記事は、重要です。連載に期待しましょう。そこには、厚労省に限らず官僚機構に共通する問題、日本の政治の問題、そして厚労省に特有の問題が含まれています。それらを腑分けして、論じてもらいたいです。

空港経営の効率化

赤井伸郎准教授が、週刊『エコノミスト』7月15日号に、「インフラ資産の有効活用を促すガバナンスのあり方を考える」を書いておられます。空港と道路というインフラ資産について、どう仕組むと管理者がよりよい経営をするかについてです。
空港には、国管理と地方団体管理がありますが、国管理の中にも、直営(羽田)、特殊会社(成田)、株式会社(関西、中部)と、いろんな形があります。そして、滑走路、空港ビルなどで、管理者が別れています。