時事通信社の地方団体向け専門情報サイト「iJAMP」4月1日に、庄司昌彦・武蔵大学教授「システム標準化「多くの犠牲の上でたどり着いた60点」」が載っていました。
この問題(期限に間に合わないこと)は、当初から指摘されていました。現場での移行が遅れたのではなく、そもそも期日の設定に無理があるというのです。突然、現場の意見も聞かずに、移行期限を決められたとも言われています。記事でも、意思決定過程の不透明さが指摘されています。
・・・地方自治体の情報システム標準化は2025年度末に移行期限を迎えた。「半数超の自治体で遅れ」と報じられているが、1システムでも遅れる自治体がいくつあるかというより、約3万4000のシステムのうち、どれだけ遅れているかという視点の方が重要だ。大いに心配していたので、期限までに移行完了したシステムが半分を超える見込みという現状は「なんとか大失敗にはならなかった」と捉えたい。多くの障害を乗り越え、いわば文字通りの不眠不休の努力の上に何とかたどり着いた「60点」と評価できる。ぎりぎり合格点といったところだが、途中でもっと判断を誤れば、50点、40点、もしくは30点となったリスクもあっただろう・・・
・・・スケジュールを巡って、自治体関係者の反応が厳しいことは承知している。ここまできたら遅れの有無そのものを問題にすべきではない。遅れを問題視すれば、「危険でも早く終わらせろ」という動機が働きかねない・・・
・・・心身を病んで離職した職員や「もう行政のシステム市場には関わりたくない」と言っている業者も存在する。意思決定をする立場の人は、こうした事実を認識すべきだ。特定の悪者がいて、どこかと癒着していたというような単純な構図ではなく、情報共有や意思決定に関する構造的な課題が主な原因であると考えられる。今後もシステム改修は続くので、今回の反省を次に生かしていかなければならない。
標準化20業務のうち9業務について座長として仕様書策定に関わった立場でも見えない部分が多いくらい、標準化やガバメントクラウドに関する全体像や意思決定過程は不透明だった。会議としてはデジタル庁に「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ」が存在するが、3年ほど開催されていない。司令塔的な会議体がない上、公開の場で外部の視点による検証の仕組みもなく、方針が突然示されるような状況が続き、適切な意思決定プロセスとは言いがたかった・・・
