カテゴリーアーカイブ:社会

なぜエスカレータの片側を空けるのか、2

2026年9月26日   岡本全勝

「なぜエスカレータの片側を空けるのか」の続きです。日本では法律や合理性より、社会の通念、世間体が行動基準となります。

憲法に男女同権が定められても、長年、職場や家庭で男女差別を続けてきました。結婚は二人の意思と決められても、結婚には親の了解を得た(両家の結婚式)のです。世間の通念は、憲法より強かったのです。
日本は集団主義と言われます。それは、各人が判断して集団のためになる行動を取っている(積極的集団主義)のではなく、他者の行動にあわせている(消極的)集団主義なのです。日本では、規則や合理性より強い行動規範=世間に合わせる=世間の目を気にするです。「ムラ社会」です。

会社の側も社員がそれぞれに判断するのではなく、会社の都合に合わせるように期待し、それに報いました。採用されると、人事課が配属や昇進を決めてくれるのです。「面倒見のよい会社」と「甘える社員」ができました。いわゆるメンバーシップ型雇用とジョブ型雇用の違いです。
この集団主義は軍隊や経済発展期の工場では、みんなが同じことをする際に効果的でしたが、各人が判断して行動する場面になると欠点になります。学校での「集団主義」「画一的」教育と、自分で考えるのではなく正解を教える教育は、自分では考えない国民をつくってしまいました。
エスカレータの片側を空ける行動は、根が深いものがあります。

披露宴に日本茶が出ない

2026年9月25日   岡本全勝

日経新聞夕刊「人間発見」、9月14日の週は、日本茶専門店「おちゃらか」店主・ステファン・ダントンさんでした。
・・・世界は抹茶ブームのただ中にある。だが日本茶の業界を見渡せば、茶葉の消費量も農家もどんどん減っている。理由は「売る努力が足りないからだよ」。日本茶専門店「おちゃらか」(東京・中央)店主、ステファン・ダントンさん(62)はそう言い放つ。フランスから来日して34年。ワインのみならず日本茶を知り尽くし、その潜在力を信じるがゆえに直言居士を貫く・・・

15日の第2回「美食の街から日本へ」に次のような話が載っています。日本に来て日本茶の素晴らしさに目覚めます。故あって、ブライダル会社(結婚式の企画運営する会社でしょうか)に勤めます。
・・・全国を飛び回ったよ。1カ月のうち25日間、地方を回った時期もある。そのうち、なぜ披露宴で日本茶を出さないのか不思議に思った。ソフトドリンクといえばウーロン茶かジュース。聞けば「急須もないし、オペレーション上できないないんだよ」だって。ならば水出しのお茶をグラスで出せばいいじゃん。温める時はお酒のお燗をつける道具を使えばいいでしょ。
それから地方の式場では地元のお茶の水出しを作ることにした・・・
「おちゃらか」のホームページ

日本人は、お茶は水と同じくタダで出てくるものと思っていました。そして結婚式の披露宴などの場では、「格式の高いもの」を出すべきだとの意識があったようです。一時期は、披露宴はフランス料理で、日本料理ではなかったのです。西洋に憧れたのでしょうね。
かつて、海外のお客さんをお迎えする夕食会に同席した際、フランス料理だったのですが、お客さんから「日本酒が飲みたい、日本料理は出ないのか」と言われました。
宮中晩餐会ではフランス料理が出るようですが、和食も一部付け加わったようです。「令和7年3月25日ブラジル大統領宮中晩餐」
・・・宮中晩餐では、今回新たに和食の前菜が提供され、江戸切子で日本酒が提供されました・・・

ところで、社長はホームページでは「ダントン・ステファン・ルネ」と名乗っておられます。日本式に姓名の順なのでしょう。

なぜエスカレータの片側を空けるのか

2026年9月22日   岡本全勝

なぜエスカレータの片側を空けるのか。それは日本人が、規則や合理性でなく、世間の目を気にして行動するからです。

日本人は助け合いの精神や、街をきれいに保つという公共心が強いです。国に強制されなくても、新型コロナではマスクを着用し、外出を控えました。関係資本や文化資本が強い、「この国のかたち」です。ところが、それらの行動が規則に従っているか、合理的かと言えば、そうでもないのです。

エスカレーターの片側を空けるのは、急いでいる人を通すために導入され、多くの人が守るようになりました。しかし、エスカレーターを駆け上るのは危険なことと、片側を空けるのは効率的でない(2人並んで乗ることに比べて輸送量が減る)ことから、2列で立ち止まって乗ることを鉄道会社は呼びかけています。
ところが多くの地域で、片側(東京では左側)に並び、他方(右側)を空けています(名古屋市では条例もあり、歩かないことが定着しているようです)。すいている時は片側に並ぶのはよいとして、右側が空いているのに左側に列を作って並ぶことは非合理です。そのような場合、私は右に立ちます。
ある新聞に、読者に聞いた結果が載っていました。「みんなが並んでいるのに、一人だけ違うことをするのは嫌だ」という意見がありました。そうなのです。規則に反しても、合理的でなくても、「他人と違うことはしない」「みんなと同じ行動を取る」のです。出る杭は打たれるので、なるべく目立たないことが処世術でした。

自転車レーン足りない日本

2026年9月14日   岡本全勝

8月30日の日経新聞1面に「自転車レーン足りない日本 東京はパリの1割、「青切符」で危険露呈」が載っていました。詳しくは記事を読んでいただくとして。
自転車が安全に走れる道路の長さを面積あたりで比べると、東京23区はパリの1割未満です。1平方キロメートルあたりで比べると、パリは10キロメートル、アムステルダムが4キロ近く、ニューヨークでも3キロほど、東京23区は0.7キロメートルです。

自転車は軽車両で、車道を走ることが原則ですが、条件付きで歩道通行も容認されてきました。それが、危険な自転車走行を取り締まる交通反則金制度が今年4月から始まり、より車道走行が求められるようになったのです。ところが、安全に自転車が走ることができる道路が少ないのです。自転車専用道路や専用通行帯です。
そして他国に比べ、交通事故死に占める歩行者と自転車の比率が高いのです。自動車を優先してきた結果でしょう。
横断歩道橋という、自動車優先・歩行者劣後のとんでもない施設もあります。
「電柱王国日本」

写真は嘘をつく

2026年9月8日   岡本全勝

インターネットで、天気予報や野球の結果を見ると、画面の上や横などに宣伝が出ます。気を引こうといろいろ工夫していますね。
時に「え~」と思う写真があって、よく見ると「これは作り物やな」とわかります。危ないので、クリックはしません。
「証拠写真」という言葉がありましたが、現在では使えませんね。簡単に加工できるのですから。

文章なら読む苦労があって、そう簡単には引っかかりませんが、写真は一目で理解するので、危ないのでしょう。世の中には、悪い奴がたくさんいます。