ノースカロライナ州立大学の勝又綾子研究員が、甘いものを食べないゴキブリを発見したことが、ニュースで伝えられています。4年間に7千匹のゴキブリに餌を与え、ブドウ糖を苦いと感じて、食べないゴキブリを見つけたのです。駆除剤は、ブドウ糖で包んでゴキブリが食べるように仕掛けてあります。生き延びるために、いえ食べなかったから生き延びたのでしょうが、そんなゴキブリがいるのです。甘い物好きのメタボには、朗報なのか地獄なのか・・。
今日紹介するのは、勝又さんの次のような発言です(2013年6月4日、読売新聞・顔欄)。勝又さんは2009年から、アメリカ暮らしだそうです。
・・米国生活は好きだが、レストランの味が今ひとつなのが悩みだ。「米国人はなぜ、この味をおいしいと思うのでしょうか」。いずれ、人間の味覚も研究したいという・・
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企業の社会的責任
東京財団の亀井善太郎研究員が、「CSR再論―いま、改めてCSRを問い直す」を書いておられます。なかなか興味深いです。
公共空間が、行政だけでなく、企業(市場経済)やボランティア(非営利活動)によって成り立っていることは、このホームページでも、何度も主張しています。また、復興の過程においても、それらが必要であることも取り上げています。例えば、「被災地で考える「町とは何か」~NPOなどと連携した地域経営へ~」(共同通信社のサイト「47ニュース」2012年8月31日)。
企業の社会への貢献は、大きく分けると「善意による支援」と「本業を通じた貢献」の2つになるのでしょう。しかし、多くの人には、前者の義援金、物資の提供、社員のボランティア派遣が、想起されるようです。後者の本業による貢献も、大きいのですが。そこで、復興庁で整理した「民間企業の支援活動の分類」では、最初に事業活動=本業による貢献を書いてあります。
少し範囲が広がりますが、アメリカの大学の教科書に『企業と社会』(邦訳、2012年、ミネルヴァ書房)があります。企業の社会的責任を、広い観点から整理してあります。私は、読みかけて途中で放棄してありますが(反省)。
学会の責任
日本原子力学会が、3月27日に「事故調査委員会中間報告」を発表し、その中で歴代幹部へのアンケート結果(289人中101人が回答)を載せています。各紙が報道していたので、読まれた方もおられるでしょう。主な問と回答を紹介します。
「私たちはなぜ、事故を防止できなかったのか」との問には、スリーマイル島やチェルノブイリ事故の教訓を学ばなかった。安全性に対する慢心、自信過剰、謙虚さの欠如。
「私たちのどこに問題があったのか」には、電力会社に遠慮することなく、日本の原発が外国のそれよりも危険であることを、勇気を持って直言すべきだった。異議を唱えることは、原子力反対派に見られるのではないかと、勇気が要ることだった。
「私たちはこれから何をすべきか」には、事故直後の学会対応は、極めて悪い。原理力専門家としての反省のメッセージが出なかった。信頼を失う一因であった。学会は基本的に同好会組織であり、事故に対して動くには別に組織を作るべき。
中間報告書本文では「7 原子力学会の役割と責任」、アンケート結果は最後についています。
学会が「同好の士」とは極端ですが、同じ「知的共同体」「政策コミュニティ」に属する人たちですから、「ムラ」になりがちです。さらに、出身大学学部が限られ、就職先も限られるとなると、その傾向は強くなるのでしょうね。その中にあって、自由な議論、反対を許す空気を作る必要があります。でないと、学問の進歩はありません。
学会だけでなく、私たち官庁の職場でも同様です。異論の中に、現在の施策の欠点や、新しい課題が含まれていることもあります。異論を許さない組織は、エピゴーネン(模倣、亜流)しか生まず、進化することなく衰退していきます。
安定志向の若者
3月27日の日経新聞に、日米中韓4か国の高校生を対象とした、将来(進路と職業)についての調査結果が載っていました。財産法人、日本青少年研究所「高校生の進路と職業意識に関する調査」。
それによると、「起業したい」は、日本では6%、中国が31%、アメリカが19%、韓国が12%です。
日本の高校生の安定志向は、次のような項目でも明らかです。日本の高校生の志望第1位は公務員(20%)、第2位が教師(18%)、第3位が建築家やデザイナー(13%)です。アメリカでは、医師(30%)、建築家やデザイナー(24%)、スポーツ選手や俳優(19%)。中国では、起業家(31%)、経営者や管理職(27%)、建築家やデザイナー(26%)。韓国では、建築家やデザイナー(30%)、教師(28%)、経営者や管理職(27%)です。
「社会的に偉くなりたい」は、日本45%、中国89%、アメリカと韓国70%です。
私も公務員ですから、日本の若者を批判できませんが。
日本料理を世界に、今こそ攻め時や
朝日新聞夕刊連載「人生の贈り物」。今週は、料亭「菊乃井」主人の村田吉弘さんです。ロンドンで、会席料理の店を開いておられます。25日の記事に、次のような発言が載っています。京都の本店とは変わった、ロンドン風にアレンジしたメニューが話題だそうです。
・・・相手が望むもんを出すのは、料理の基本やね。「これが本物やから、これ食え」っていうのは、乱暴な話やろ・・
そこの国の食材で作らんと、日本料理は根の生えたもんになって、どこにもいけなくなる。外国のお母さんがうちで、「今日はすしつくるわ」といわはるようになって、世界に定着したといえるわけや・・