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社会

近年の少年非行

朝日新聞オピニオン欄11月15日、家庭裁判所調査官・伊藤由紀夫さんのインタビュー「非行少年だけが悪い?」から。
・・・非行少年はうまくいかないことやおもしろくないことがあると、投げやりになって窃盗や無免許運転など行動化します。悪いことだとわかっていても抑えられない。そういう未熟さは今も昔も変わりません。
共働きが普通になり、家族もそれぞれが孤立して、学校にも居場所がなくなっています。昔は反社会的・不良顕示型の少年が多かったですが、最近は非社会的・対人関係回避型が増え、不登校や引きこもり、自殺念慮が目立ちます。「一昨日から何も食べていない」という子どもによく会います。昼夜逆転の生活で親と顔を合わせず、家の冷蔵庫に何もない状態です。小学校高学年から大人と一緒に食事をしたことがない子どもも珍しくありません・・・

・・・自分の部屋でゲームやラインをして親子が面と向かって会話する時間が減っているのでしょう。少年と話すと、「大人にこんなに話を聞いてもらったことはない」と漏らす子も少なくない。早い段階で話を聞いてあげれば、少年たちは変わっていきます。非行を起こした少年が何にはまって、どういう考え方を作り出してしまったのかに社会はもっと目を向けるべきです。大人が子どもを放置しすぎていないでしょうか。
一方、少年院に入るような子は、就職や復学の手がかりが得にくくなりました。高校を中退しても、学習を支援するサポート校に入れば高卒認定資格を取りやすいですが、学費が高い。経済力がないと、学歴を取り戻すのは難しい。かつては型枠や塗装などの親方への弟子入りもありました。でも、いまは一人親方も非正規雇用で、少年を連れて歩くのは厳しいのが現状です・・・

高野山東京別院

高野山。和歌山県にある、空海が開いた山の上の仏教都市です。空海(弘法大師)が開いた金剛峯寺なら、日本史で習いましたよね。
関東の人には、あまり知られていないようですが。関西では、知らない人はいないでしょう。私もこどもの頃、親に連れられていきました。
先日「ブラタモリ」で3回にわたって取り上げられたので、見られた方も多いでしょう。

その高野山に、東京出張所があることをご存じですか。高野山東京別院です。
高野山は、江戸時代2万石の所領を持っていました。石高は十分な「大名」です。よって、参勤交代を命ぜられていたのです。その江戸屋敷です。明治時代になって、お寺になりました。
なかなか立派なお堂が建っています。地下には、東京電力の変電所があるのだそうです。これもびっくり。でも、合理的な考えですよね。広い敷地があって、地下は利用しないでしょうから。

困った客2

11月17日の日経新聞が、「百貨店やスーパーなどの従業員の約7割が客から暴言や暴力などの迷惑行為を受けている」と伝えていました。労働組合が5万人を対象に実施した実態調査です。
多いのは「暴言」(27.5%)、「同じクレームを繰り返す」(16.3%)、「説教」(15.2%)などです。「セクハラ行為」(5.7%)や「土下座の強要」(1.8%)などもあります
客に「バカ」「死ね」と言われたり、機嫌の悪い客から買い物カゴや小銭を投げられたりした事例。客に20分以上謝り続けたり、3時間以上説教を受けたりしたという従業員もいたとのことです。

困った客

NHKのウエッブニュースに、「悪質クレーム 流通業で働く人の7割が経験 初の実態調査」(2017年11月9日)が載っています。
とんでもない客が、たくさんいるようです。クレーマーが問題になっていますが、小売業ではそれが特に現れるのでしょうね。困ったものです。
役所にも来られます。学校でも、モンスターペアレントが大きな問題になっています。
「お客様は神様です」という言葉が、間違って理解されているようです。

日本人は優秀だ?

11月7日の朝日新聞経済面「波聞風問」は、堀篭俊材記者の「不正続く製造業 経営も現場で5回の「なぜ」を」でした。
日本を代表する世界的製造業で、不正が相次いでいます。法令や社内基準を満たしていない製品を出荷していました。さらに、ことが発覚して、社長がおわびの会見をしてからも、不正を続けていました。
現場の監督者も本社の幹部も不正を知っていた(らしい)のに、社内調査では「ない」と報告していたことも。結果として、社長に恥をかかせたのです。
何度も不祥事でおわびをした経験者から見ても、まずい対応ですね。

さらに、「日本の××は、優秀だ」という通説は、疑ってかかる方がよいかもしれません。残念なことですが。
かつては、官僚や銀行、電機メーカーをはじめとする経済界が、このような評価をもらっていました。でも、そうでないことが、次々と分かってきました。