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社会

自衛隊の働き方改革、やればできる

今日紹介するのは、4月21日の日経新聞夕刊の「働き方改革 自衛隊も」です。
・・・いまは政府も民間企業も働き方改革が花盛り。少子化で人手不足に悩む自衛隊もそこは同じだ。女性が生き生きと働き、子育てもできる――そんな職場づくりに取り組んでいる。自衛隊は総勢23万人弱と、トヨタ自動車の単体ベースの従業員の約3倍に達する巨大組織。陸海空の現場でどんな改革をしているのか・・・

自衛隊といえば、屈強な男の職場を思い浮かべます。家庭に妻と子どもを残してと。ところが、女性自衛官も増えて、女性や母親も働ける職場に変わりつつあるのです。航海に出たら何日も戻らない海上自衛官はどうするのか。職場の工夫をお読みください。

中途採用の増加

4月24日の日経新聞に、「中途採用今年度11.8%増」という記事が載っていました。日本経済新聞社が、主な企業の採用計画をまとめたものです。調査対象は4,700社あまり、回答企業は2,536社です。
それによると、2018年春の採用計画は、大卒が11万4千人、高卒などをあわせて16万4千人です。それに対し、中途採用は4万人あまりです。単純に比較すると、新規学卒採用4に対し、中途採用が1の割合になります。
記事では、その原因は人手不足と、先進技術に対応するための即戦力を求めているとのことです。
日本の労働慣行では学卒一括採用が主でしょうが、中途採用が増えると、終身雇用制度が緩くなる=転職がしやすくなるでしょう。その職場に向いていないと感じても、退職すると次の就職先がないので我慢するといった「不幸」が減ると思います。

企業の従業員によるボランティア活動

「企業ボランティア・アワード」って、ご存じですか。
東京ボランティア・市民活動センターが行っている事業で、「都内の企業で働いている人たちによる非営利団体でのボランティア活動を表彰し、広く社会に広報することによって、企業人のボランティア活動への参加や企業と非営利団体の協働を促進することを目的とした事業」です。このほど、第2回の受賞企業が発表されました。
どのような企業のボランティア活動が受賞したかは、それぞれの紹介を見てください。

ここでは、MS&AD インシュアランス グループ(三井住友海上火災保険・あいおいニッセイ同和損害保険)の「世界の子どもたちへ編み物作品を贈ろう」プロジェクトを紹介します。読んでいただくとわかるように、従業員たちが始めた編み物を送る支援は、企業の枠を越えて、編み手のボランティア、その人たちとの連携、輸送など、たくさんの人と企業を巻き込んだ活動になっています。

個人ボランティアでは、限界があります。その人たちをどのように束ねるか。連携や協同が重要です。企業ボランティアは、組織と継続性があるので、期待できますね。

イスラーム

NHKテキスト「宗教の時間 イスラームという生き方」が、勉強になりました。宗教の時間というより、イスラーム世界を知る文化人類学です。心の問題、悩みに答える宗教であるとともに、日常生活を律する生活の指針でもあるのですね。子供を持つことの勧め、利子を取ってはいけないという教え、ラマダン・・・。
他方で、日本やヨーロッパでは宗教・習俗が生活を律していた時代から、近代に入って世俗化が進みました。仏教は殺生を禁じましたが、私たちは、肉を食べています。そのように、近代化とともに、脱宗教・世俗化が進みます。イスラーム世界は、このまま宗教が生活を律するのか、他の世界と同じように世俗化が進むのか。

残業を減らすために日本型働き方を変える

4月4日の日経新聞オピニオン欄「働き方改革 ここが足りない」から。
オリックスCEOの井上亮さん。
・・・私は就職してから40年以上、定時退社を信条としている。顧客との夜の会合などを除けば過去3回しか残業はしていない。残業をしなくて済んだのは、仕事を自分の裁量でコントロールできたからだ。新しい案件を担当するときは最終期限から逆算して、スケジュールを立てる。いつまでに何をするか。結果が伴っていれば自由裁量が許された。もちろん顧客等の要請で急きょ残業をしなくてはならない業務も一般的にはある。ただすべての業務が急に生じるわけではない・・・
・・・グローバル市場で勝ち残るためには、今までのように「会社に労働時間で報います」といった働き方はいらない。高度成長時代は労働時間の長短が企業の競争力に大きく影響したが、今はどれだけ他社にないアイデアを生み出せるかが求められている。それぞれの企業でも創意工夫によって働き方改革を実現できるはずだ・・・

リクルートワークス研究所の石原直子さん。
・・・日本企業の生産性が低い一番の理由は意思決定が遅いことだ。特に部長や本部長といった中間管理職がリスクを取らない構造に問題がある。例えば新しい事業を始めようとするとき、課長クラスは、ありとあらゆるリスクを潰してから部長に上げる。これにかなりの時間を取られる。部長はノーリスクの計画にはんこを押すだけ、というのはよくある風景だ。
現場が半年かけて準備したことが上層部の会議で「やはり実行しない」と決まることもある。この場合、現場は頑張ったけれども成果はゼロだ。いずれも、やるかやらないのかの判断を上の人がリスクを取って最初に決めてくれれば1分ですむ話だったりする。
こうした意思決定の構造を残していては生産性は上がらない。管理職の責任と権限をきちんと定義する必要がある。管理職はリスクをとるからこそ高い給料をもらっているはずだ。責任を分散する体制も意思決定のスピードを落とす。年収2000万円の部長が5人いるより、年収1億円の部長1人がリスクをとって決めた方がいい。イノベーションも生まれやすくなる・・・

残業を減らすためには、旧来の日本型働き方を変える必要があります。原文をお読みください。