カテゴリーアーカイブ:社会

電子メールでのアンケート

2026年4月21日   岡本全勝

みなさんのパソコンやスマートフォンにも、迷惑メールや詐欺メールがたくさん届くと思います。かなりのものは、通信会社が削除してくれるのですが、それをすり抜けてくるのがあります。困ったものです。
自動車を持っていない私に来る「ETC(電子料金収受システム)について」とか、契約していない銀行などのメールは、悩まずに削除できるのですが。嘘かどうか迷うものもあります。

有名な出版社など登録している会社から「アンケートに答えると1000円のギフト券進呈」と来るのですが、「ひょっとしたら詐欺かもしれない」と思うと、答えることを控えます。
何を信用して良いのか、いけないのか。迷惑メールは、このような負の作用も生んでいます。

出入国者数の大きな差

2026年4月13日   岡本全勝

3月27日の日経新聞夕刊に「出入国ギャップの陥穽 理由は円安のみならず」が載っていました。

・・・日本を訪れる外国人と海外に出国する日本人の数のギャップが広がっている。2025年は訪日客が渡航者の2.9倍になった。ビジネス出張が減り、円安の進行で日本人の内向き志向に拍車がかかる。往来の偏りの先には日本の競争力に影響する陥穽(かんせい)があるかもしれない。
日本政府観光局によると、25年の訪日客数は24年比で16%増の4268万人。2年連続で過去最高を更新した。
一方、日本人の出国者数は13%増の1473万人だった。新型コロナ禍前の7割の水準にとどまる。26年も2月の出国者数がマイナスに転じており、頭打ち傾向だ。
要因の一つは円安だ。22年1月に1ドル=115円前後だった円相場は足元で160円近くまで下落した。JTBのアンケートでは、26年に「一度も海外旅行に行かない」と考える人は77%にのぼる。「旅費が高い」「円安」が理由の上位を占める。

為替要因だけではない。総人口から年間の出国者数を割って算出する「出国率」を調べると、コロナ禍前の13年からすでに低下傾向にあったことがわかる。25年の出国率は11.9%。同じ東アジアの韓国や台湾を20ポイント以上下回る。
日本人のパスポート保有率も25年末時点でおよそ18%にとどまる。日本旅行業協会(JATA)の統計によれば韓国の保有率は4割、米国は5割、台湾は6割だ。この違いはどこからくるのか。
1980〜90年代に日本の技術力は世界をリードし、多くの企業が海外に進出した。好景気で海外旅行や留学もブームとなり、95年までの10年間に海を渡る日本人は3倍に膨らんだ。
だがバブル経済が崩壊すると、失われた30年のもとで出国者数の伸びは止まった・・・

記事では、ワーキングホリデーの利用について、日本人は英語圏への出国が多く、日本への利用者は国籍が多様であることを紹介しています。

・・・日本が国際交流を広げるには何が必要か。立教大観光学部の川嶋久美子准教授に聞いた。
日本人の海外志向の弱さは構造的な問題だ。景気や円安といった短期要因だけでは説明できない。
日本は国内市場が大きく、生活や娯楽、観光の多くが国内で完結する。国内旅行なら言語の問題はないし、ビザやパスポートを取る手間もいらない。
有給休暇を取りにくい労働環境も要因だ。大型連休などの旅行は混雑したり渡航費が上がったりして海外旅行のコストが高くなる・・・

日本人は沈黙に強い?

2026年3月23日   岡本全勝

3月7日の日経新聞に「日本人は沈黙に強い? 気まずさ感じるまで7.8秒、世界平均より長く」が載っていました。

・・・上司や初デートの相手などと話している時に会話が途切れ、気まずい思いをした経験がある人も少なくないだろう。だが、日本人は世界的に見ると沈黙に強い方なのだという。どんな背景があるのだろうか。
オンライン語学学習サービスを手掛ける米プレプリーは2024年、世界21カ国・地域の約3万人を対象に「予期せぬ沈黙から気まずさを感じるまでの時間」を調査した。日本人の回答の平均は7.8秒で、世界平均より1秒長かった。調査対象のうち最も沈黙に強いのはタイ(8.1秒)で、最も弱いのはブラジル(5.5秒)だった・・・

その理由として、日本では沈黙時間が何も起きていない時間ではなく、意味がやりとりされている時間と見なされるからだという説が紹介されています。
欧米人との1対1の会話の際に、沈黙はよいものとは受け止められないことも、指摘されています。無言で黙り込むのではなく、「考える時間をください」と一言伝えてから間を取るのが良いそうです。
また、講演でも一方的に話すだけでなく、参加者に質問を投げかけた後、3~5秒の間を置いて考えるための沈黙を作ると、共感が生まれるとも指摘されています。

私は会話時の沈黙が怖いので、すぐにしゃべってしまいます。だから、大勢の前で話すより、1対1の方が疲れます。ただし、講義講演の際には、話の転換の際に、一呼吸置くことを心がけています。

変化した日常風景

2026年3月21日   岡本全勝

物心がついてから、70年近くの時間が経ちました。社会は大きく変わったところと、あまり変わっていないところがあります。

特に変わったものとして、育児の風景があります。
私の子どもの頃は、赤ちゃんはお母さんが背中に背負うものでした。乳母車も、船のように大きかったです。乳母車の中で、遊ぶことができました。
最近では、お父さんも赤ちゃんを連れています。その際は、胸の前で抱っこをしています。お父さんもお母さんも、おんぶしている人はめったに見かけませんね。乳母車も、折りたためる、軽い小さなものになりました。ただし、シートベルトがついています。ベビーカーと呼ぶそうですが、これも和製英語らしいです。
電車の中でも、普通に見るようになりました。バスにも乗ることができますが、車内が狭くて窮屈ですね。

幼児を自転車に乗せている風景も、普通になりました。昔は、幼児を乗せる椅子がなかったのです。今は、自転車の前と後ろに幼児を乗せる椅子がついています。また、安定がよいように高さが低い(車輪が小さい)自転車や、楽にこげる電動補助自転車も多いです。

所得格差は拡大、再分配所得格差は横ばい

2026年3月21日   岡本全勝

3月2日の日経新聞オピニオン欄に、西條都夫・上級論説委員の「日本が向き合うべき問題は格差ではなく貧困だ 再分配の効率化進めよ」が載っていました。

・・・日本経済をめぐって、過去四半世紀にわたり格差拡大のナラティブ(物語)が繰り返されてきた。非正規労働の拡大や行き過ぎた新自由主義のせいで貧富の差が広がり、昭和時代の総中流社会は過去のものになった、という言説である。
先の総選挙でも、左派系のある政党は「税金は大金持ちから取れ」というスローガンをかかげ、それが格差を縮小する道だと主張した。
だが、本当に格差は広がっているのだろうか。2025年12月に厚生労働省が公表した「所得再分配調査」から浮かび上がるのは、通念とは少し異なる日本経済の姿だ。

それによると、23年の世帯別所得分布の均等度を示すジニ係数(0〜1の値をとり、格差は0に近いほど小さく、1に近いほど大きい)は当初所得では前回調査より上昇したが、再分配所得で見るとほぼ横ばいで、格差は広がりも縮みもしなかった。
世代別にみると、シニア層ほど所得や資産のバラツキが大きいのは周知の事実だ。高齢者の経済環境は長年の仕事の遍歴や人的なつながり、運不運といった個人的な要素を強く反映するので、若い世代に比べ、世代内の格差がどうしても大きくなる(大竹文雄著「日本の不平等」)。
したがって高齢化の進む日本である程度の格差が生じるのは自然な流れで、これが当初所得のジニ係数を押し上げた要因とみられる。

むしろ注目に値するのは、当初所得から税金や社会保険料を差し引き、社会保障給付(公的年金や医療などの現物給付を含む)を加えた再分配所得のジニ係数が横ばいだったことだ。
この傾向は実は今回に限らず、1999年の調査以降、一貫して続いているトレンドで、再分配ジニ係数は0.37〜0.39のボックス内を微妙に上下しているだけだ。
ちなみに人々の意識も驚くほど変化に乏しい。内閣府が24年夏に実施した「国民生活に関する世論調査」では、中流を自認する国民が89%に達し、1.7%の上流や8.7%の下流を圧倒した。
高齢化が世界トップ級の日本で、格差拡大に歯止めがかかっている現状をどう評価すべきか。欠点は多々あっても、税や社会保険などの再分配システムが今のところ何とか機能している証しだろう。
龍谷大学の竹中正治名誉教授は「過去10年以上にわたって人手不足が続き、その間、失業率の低下や最低賃金の上昇、そして非正規から正規雇用への登用が進んだ。これも格差を抑止する効果があった」と分析する・・・

・・・ただ、格差の不拡大を喜んでばかりもいられない。一橋大の小塩隆士特任教授は「所得格差・貧困の近年の動向」という最近の論考で、今の日本経済は「みんな仲良く貧乏に」状態だと指摘した。
米国のように人工知能(AI)長者などのスーパーリッチが大量に誕生するわけでもなく、上流とそれ以外の差はさほど開かない。それはいいとしても、長期に及ぶ低成長の結果、所得分布の重心が低い方向にシフトした。さらに足元では円安による輸入物価、とりわけ食品価格の上昇が家計に重くのしかかる。

今の日本が早急に向き合うべき社会経済のテーマは、おそらく貧困リスクである。
それを浮き彫りにしたのが、総務省が2月に公表した25年のエンゲル係数だ。消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は貧しい世帯や国ほど高く、裕福になると低下することで知られる。
その値が2人以上世帯のケースで25年は28.6%に上昇し、44年前の1981年の水準に近づいた。05年ごろからじわじわ上がってきたが、近年は上げ幅が急だ。円安や天候不順による不作で、生きていくために必須の食品の値段が上がり、生活を圧迫される人が少なくない・・・