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社会

大学生、勉強と読書よりスマホ。

全国大学生協の「学生生活実態調査」です。
1日の平均読書時間は24分、他方でスマホをいじっている時間は3時間です。
年々減少する大学生の読書時間。遂に、全く読まない学生の割合が、半分を超えたそうです。もっとも、読んでいる学生はいるので、二分化している(といっても、読まない大勢と、よく読む少数)ということです。

調査によれば、次のようです。
授業時間を除く予習・復習・論文などの勉強時間は、1日平均50分。学部別では、文系32分、理系60分、医歯薬系73分です。
1日の読書時間は平均24分。1日の読書時間が「0分」の割合は53%です。「120分」以上は2004年から4.5%〜7.5%を推移し、「0分」が4割を超えた2013年以降も5%以上を継続。長時間読書する層が存在することにより、読む人の平均は51分です。
1日のスマートフォン利用時間の平均は177分。利用時間「0分」(スマホを持たない、または利用しない)は1%と、ほぼ全員が利用しています。

まあ、昔から学生の中には、本をよく読む学生と読まない学生がいました。驚くことはないのかもしれません。
読まなくても卒業できる。大学に籍は置いているけれど、勉強はしない。そういう学生が多いということです。多くの学生にとって、大学生活は、大いなるお遊びの時間、モラトリアムの時間のようです。
すると、本を読んで知識を得る学生、本の読み方やものの見方を身につける学生は、良くできる一握りの学生になることができます。それは、社会に出ても、財産です。
こうして、努力する人とそうでない人に差が出ます。とはいえ、全体の水準が落ちることは、良くないですよね。勤勉であることは、これまでの日本人の長所・財産だったのですから。

舗と舘

「舗」と「舘」の左側の違いって、不思議だと思いませんか。「舘」は、土がひっくり返っています。舎は土で、捨などもそうです。
私は社会人になってから、「舘」という字を名字や地名で見て、「書き間違いではないか」、あるいは「その家やその土地だけの特殊な漢字だ」と早合点していました。学校でも、習いませんでしたよね。
気になっていたので、肝冷齋先生に教えを請いました。おおむね、次のような答えです。

これらの漢字の左側の字形(康煕字典で整理された「部首」ではないので「字形」というしかありません)は、本来「余」の下に「口」がある、という文字なので、「舘」の左側が「正しい」ようです。
ただし、和風の俗字として「土」を使った字形があって、当用漢字を定める際にこちらが当用漢字の正字としてとられた、という経緯だそうです。現代では「舎」は建物の意味でしか使わないので、「土」のほうがわかりやすい、と文部省の関係者が決めたのでしょう。
「舘」は、「館」が正字に選ばれたので直されてません。

社会は変わる、葬式と墓の変化

2月22日の日経新聞「ポスト平成の未来学」は、「空中に生前の姿 会話も」です。お墓の形が変わりつつあります。記事では、技術を使って個人の姿が浮かび上がるものなど、新しい形が紹介されています。
・・・墓は家族のあり方とともに変化してきた。「○○家」の墓石を立てるようになったのは家制度が普及した明治時代。核家族や単身世帯が増え、墓の継承が難しい現代では、法的に議論のある散骨すら選択する人も。葬儀は身内のみの「家族葬」や儀式をしない「直葬」が広がる。東京大学の瓜生大輔助教(34)は「技術や家族の変化を背景に、弔いは今後一層パーソナライズ(個人化)する」と推測・・・

宗教心の希薄化だけでなく、家制度が変わり、子どもの数が減り、また故郷に戻らない子どもが増えるなどのよって、お墓を維持することが難しくなっています。

お葬式の形も変化しています。私の子どもの頃は、近所総出で葬式をしました。勤めてからは、職場のOBのお葬式が、組織を上げて行われました。
しかし、田舎でも葬祭場で葬式をするようになりました。職場のOBも長寿でなくなられるので、現役諸君は個人を直接知らず、また知人も退職しているので連絡が来ません。組織を上げてのお葬式でなく、家族葬になります。
「「家から個へ」変化する弔いの形

社会は変わる、技術の進化の影

技術の進展が、社会を大きく変えています。光の部分とともに影の部分も。
日経新聞連載「平成の30年」、2月17日は「「つなぐ力」悪用深まるネットの闇」でした。
・・・時間、場所、職業、年齢――。あらゆる枠を超え、人と人を瞬時に結ぶインターネット。その圧倒的な「つなぐ力」は、悪事をたくらむ者たちにとっても便利なツールとなった。平成に入り、ネットは犯罪の新たなインフラとして社会に根を張っていく。

覚醒剤やわいせつ物を取り締まるには、電柱に貼られたビラやチラシ広告に目を光らせる。それが警察捜査のイロハだった。だが1990年代になってパソコン通信が広まると、様相は一変する。
自室のパソコンを入り口に、不特定多数の人たちとつながる世界。顔を合わせることなく違法薬物などの売り手と客を結ぶルートが築かれていく・・・

・・・サラリーマン、主婦、子どもたち。かつては犯罪グループと接点を持ったり、「危ない場所」に近寄ったりしなければ、違法な世界とは無縁でいられた。それを、ネットが瞬時に結びつける・・・

日本語の3相

日本語は、大和言葉の上に、漢字と漢語を輸入して、できあがりました。1,500年前から1,000年前頃でしょうか。150年ほど前から、西欧の言葉が入ってきましたが、漢語に翻訳して、日本語に取り込みました。哲学、民主主義、電気・・。
ところが近年、漢語に翻訳することなく、カタカナ表記で日本語に取り込むことが増えました。インターチェンジ、インターネット・・。それはそれで通じるのですが。

日本語の基礎は、大和言葉と漢語でできているので、カタカナ語はどうも据わりが悪いです。漢字が表意文字なのに対し、カタカナ英語は表音文字なのが、大きな理由でしょう。
「携帯電話」と書けば、初めての人も、どんなものか想像がつきます。でも「スマホ」は、想像できないのです。「スマートフォン」と聞いても、「スマート」「フォン」が日本語からは連想できないのです。ハイウエイは、高速道路が定着し、これはわかりやすいです。インターチェンジは、良い日本語がなったのでしょうか。
IT関連は、特に翻訳を怠っているようです。おっと、「IT」はカタカナにも変換せず、アルファベットのまま、日本語に取り込んでいます。駅のICカード(これもアルファベットのままですね)の機械は、「チャージ金額を・・・」と話しますが、「チャージ」なんて使わなくても「入金」ですむのに。
かつて書きましたが、カタカナ英語は、非英語圏の人が日本語を学ぶ際に、苦労することです。そして、高齢者にもわかりにくいのです。漢語に翻訳する努力をして欲しいです。

私たちは、次のような3相(3層)の日本語を使っています。
1 あの人は、気持ちを抑えられない。
2 相手方は、感情を制御できない。
3 クライアントは、メンタルをコントロールできない。

私も、職場ではついつい3を使ってしまいます。家では1を使っています。書き物では、できるだけ3を使わず、1か2に書き換えるようにしています。