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社会

平成の30年間、敗北の時代

1月30日の朝日新聞オピニオン欄、小林喜光・経済同友会代表幹事のインタビュー「敗北日本、生き残れるか」から。

「平成の30年間、日本は敗北の時代だった」と発言されていることについて。
・・・テクノロジーは、さらに悲惨です。かつて『ジャパン・アズ・ナンバーワン』などといい気になっているうちに、半導体、太陽電池、光ディスク、リチウムイオンバッテリーなど、最初は日本が手がけて高いシェアをとったものもいつの間にか中国や台湾、韓国などに席巻されている。もはや日本を引っ張る技術がない状態です。
米中間でせめぎ合いが続く通信の世界でも、次世代規格の5Gに至っては、日本メーカーのシェアはごくわずか。牽引役は中国の華為技術(ファーウェイ)が先行し、北欧のエリクソン、ノキアがどうにか追随している状況です。自動車の自動運転や遠隔医療など次世代の基幹的技術になる5Gでこの有り様では、敗北と言わずに何を敗北と言うんでしょうか。

・・・そもそも失われた20年とか、デフレマインドの克服とかいうこと自体が本末転倒です。安倍晋三政権で、アベノミクスが唱えられ『財政出動、金融の異次元緩和を進めるから、それで成長せえ』といわれました。しかし本来は時間を稼ぐため、あるいは円高を克服するために取られた手段で、それ自体が成長の戦略だったわけではないのです。この6年間の時間稼ぎのうちに、なにか独創的な技術や産業を生み出すことが目的だったのに顕著な結果が出ていない。ここに本質的な問題があります・・・

社会が規定する「主婦の役割」

朝日新聞1月29日オピニオン欄「家事は続くよ」、佐光紀子さんの発言から。
・・・重曹やお酢を使った掃除の本を書いて、なぜ日本の女性はこんなに家事に縛られているのだろうと疑問に感じるようになりました。その歴史的経緯や海外の状況を知りたいと思い、大学院で研究しました。
明治以来、男性を戦争に送り出し、立派な子どもを家庭で育てることが女性の仕事とされてきました。ところが戦争が終わって憲法で男女が平等とされる時代になっても、女性に求められた役割は、高度成長を支える企業戦士を仕事に集中させ、優秀な次世代の労働力を生み育てることだったのです。
核家族化が進むと、かつてお手伝いさんや家族と分業していた家事が家庭の専業主婦一人にのしかかるようになりました。さらに炊飯器や洗濯機、掃除機などの家電の普及によって、毎日洗濯してアイロンをかける、食事の品数を増やすなど、家事の水準が上がって負担が増えていったのは皮肉な話です・・・

子供のゲーム依存症

1月26日の朝日新聞別刷りbeの「ゲーム依存は、病気です 低年齢化にどう向き合うか」。深刻な事例が報告されています。これまでの依存症は、お酒であったり薬物であったり、子供が簡単に接するものではありませんでした。しかし、これらの事例を見ると、何らかの対策が必要だと思います。

・・・鹿児島市の心療内科医・増田彰則さん(67)は、ネット・ゲーム依存の低年齢化を実感している。この2年で依存と診断した小学生から高校生は110人、うち小学生が23人
▼小3男=深夜までゲームをしていることを母から注意され暴力を振るい、異常な騒音に驚いた隣人が警察を呼んだ
▼小4の兄と小1の妹=両親の財布から多額のお金を盗み、ゲームソフトを購入。店頭で「親の許可を得ている」とウソをついた
▼小6男=ゲームばかりしていると注意され、激高して母と妹にノコギリを振り上げた。母が警察を呼び精神科病院に緊急入院
▼中1男=親のクレジットカードを使い、1カ月で課金アイテムに20万円をつぎ込んだ。
110人のうち41人は1~2回、33人は3~5回通院した後、依存状態のまま姿を見せなくなった。10回以上受診した23人のうち19人は症状が改善。改善率は17%と低く、治療は難しい・・・

意識の変化、夫婦の役割分担

日経新聞世論調査結果「浮かぶ日本人の姿」の続きです。「信頼できない人たち

夫婦の役割分担についての意識です。
家事全般(炊事、掃除、洗濯など)について、「夫も妻も同じ」と答えた人が、20代では6割なのに対し、50代だと3割です。
年齢による差が際立ちます。この30年間に、日本人の意識が大きく変わったことが読み取れます。
この世論調査は、調査項目と分析結果、その切り口が鋭いですね。

歩くことで健康を

1月21日の読売新聞が2ページを使って、体を動かすことの重要性を解説していました。
一つは、歩くことです。現代人の1日の歩数は、7千歩。狩猟時代は3万歩、江戸時代も3万歩と推定されています。狩猟時代は1日に30キロメートル歩いていた可能性があるとのこと。江戸時代の旅は、1日に男が40キロ、女が36キロ。1日に60キロ歩くこともあったそうです。
日本陸軍は、休憩を入れて1時間に4キロ、1日に24キロでした。1時間に6キロ、1日に40キロという話もあります。重い荷物をしょっていますから、そんなに早く遠くまで歩けたとは思えないのですが。
たまに日曜日に10キロ歩いた、それもゆっくりでは、ご先祖様に叱られます。

人類は何万年もの間、歩き続けました。交通機関が発達して、歩かなくなったら、体力が落ちるでしょう。いまの高齢者は、若いときは歩いて鍛えた世代です。今後、若い世代が歩かなくなると、健康寿命は短くなる可能性があります。

1に日にどれくらい座っているかの、各国比較が出ています。
ブラジル180分、アメリカ240分、ノルウェー360分、日本は420分です。
う~ん、これも我が身を省みて、そうですね。

また、30代の日本人の都市別歩数も出ています。
5万人未満の地方では6.2千歩、都市が大きくなるほど増えて、大都市だと1千歩です。これは、実感します。
東京だと、歩く距離が増えます。鉄道や地下鉄で移動して、そこからバスに乗るかタクシーですが、階段の上り下りがあり、少々の距離なら歩きます。また、建物が大きいので、その移動も歩きます。総務省から財務省まで歩くと結構な距離です。地方から来た人は、「車で行かないのですか」と言います。
地方都市だと、近い距離でも車で移動することが多いですよね。皆さん車を持っているし。
これが続くと、都会人の方が、健康で長生きすることになります。

記事のもう一つは、運動すると肉体だけでなく、脳を活性化するらしいのです。これも、実感できますよね。
じっと座っていることが続くと、良い考えが浮かびません。休日にごろんごろんしていると、すっきりしませんよね。