朝日新聞は16、17日に「首相主導、政策決定の内実」を連載していました。
「『諮問会議と自民党の協力が深まったということじゃないかねえ・・・』記者団から『経済財政諮問会議の勢いが低下したのでは』と問われた首相はそう笑い飛ばした。予算編成方針の決定権を握り、自民党が反発する改革を次々と打ち出してきた経済財政諮問会議。だが、郵政民営化の是非を問うた総選挙を機に、今や自民党も首相指示になびく。あえて諮問会議を、自民党に改革を迫るテコとするまでもないー。そう言わんばかりの余裕がにじんだ」。
医療制度改革も、族の抵抗を一言で打破。
「ただ、首相主導のための仕組み作りについては、小泉首相就任後の5年間、曲折が続いた・・・。結局、首相vs族議員との膠着状態を打開したのは首相の解散権だった。9月の衆院・解散総選挙と抵抗勢力の排除ー。自民党の純化は進み、首相官邸と党が一体化した政策決定を実現できる」
「小泉首相がいま、首相主導のために活用する経済財政諮問会議や官邸スタッフの政治任用などの仕組みは、いずれも橋本政権が残したものだ・・・。とはいえ、その仕組みをすべての政権が活用できるわけではない・・・」
「中川氏(政調会長)は言う。『小泉構造改革の要諦は、内閣と与党の政策意思決定システムを、内閣を中心に一元化することだ。小さな政府とは、政治主導による政治主導による官主導の打破であり、官僚内閣制を終わらせることにある」。
そして、「小泉政権トップダウンの歩み」が表にされています。
2001年、首相公選制、懇談会立ち上げ→懇談会報告書はたなざらし。
2002年、道路4公団民営化推進委員会人選、「国会同意は求めない」→委員間の意見対立、委員の辞任相次ぐ。
与党の事前承認原則廃止、副大臣の党部会長兼務など(自民党国家戦略本部委員会提言)→たなざらし。
与党の事前承認抜きで郵政公社法案など提出→最終的に法案を一部修正、与党了承手続き。
「衆参の施政方針演説は一本化できないか」→断念。
2005年、郵政民営化法案、自民党総務会は多数決で了承→参議院で否決され、衆院を解散。
総選挙、法案反対組を非公認、刺客擁立→大勝、自民党純化進み、求心力増す。
また、「小泉自民党の総選挙後の成果」も、表になっていました。
党の調査会長などの任期は2期2年に(中川政調会長)→任期制導入。
道路特定財源一般財源化(首相)→一般財源化、暫定税率維持は明記。具体案は先送り。
三位一体改革、地方案を尊重(首相)→税源移譲は実現、義務教育では文教族に譲歩。
政府系金融機関、できるなら一つに(首相)→1機関に、国際協力は今年度末まで検討。
これらの表は、役に立ちます。もっとも、やや不満の残るところもありますが。