カテゴリーアーカイブ:復興10年

東日本大震災復興予算、2026年度から5年間1.9兆円

2025年7月2日   岡本全勝

6月21日の朝日新聞が「復興予算1.9兆円、政府決定 26年度から5年間 立ち入り制限緩和検討、課題山積」を載せていました。

・・・東日本大震災の復興政策を決める政府の復興推進会議(議長・石破茂首相)は20日、2026年度からの5年間(第3期復興・創生期間)に投じる予算規模を、総額1・9兆円とすることを決めた。
東京電力福島第一原発事故からの復興事業が中心で、福島県への事業に1・6兆円を充てる。ハード面での整備がほぼ完了した岩手・宮城両県にも1千億円ずつを配分するが、「中長期的に取り組むべき課題」としている心のケアや被災した子どもへの支援は「真に必要な範囲」に縮小する。
復興予算は25年度までに33兆円が使われる見通しで、30年度までの20年間では34・9兆円になる。

原発事故の影響で福島県の大熊町や双葉町など7市町村に残る帰還困難区域では、立ち入り制限の緩和も目指す・・・
・・・福島県内には、原則立ち入りが禁じられている帰還困難区域が残る。面積は東京23区の半分ほどで、境界にはバリケードなどが設置されている。中に入れるのは元々住んでいた住民や防犯パトロールなどに限られ、自治体などの許可も必要だ。
国は区域内を除染して人が住めるようにする取り組みを進め、22年6月以降、役場周辺など区域全体の約8%で避難指示を解除。今はそのほかのエリアでも29年までに帰還希望者が戻れるように自宅などの除染を始めている。ただ、除染されずに残る約9割のエリアをどうしていくかの具体的な計画はない。国が基本方針に盛り込んだように、安全確保を前提に自由に活動できるようになれば大きな転換となる・・・

復興庁オーラルヒストリー3

2025年5月20日   岡本全勝

復興庁オーラルヒストリー2」の続きです。「東日本大震災に関するオーラルヒストリー」に、追加がされています。
佐藤 慎一・元内閣官房内閣審議官と田島 淳志・元東日本大震災復興対策本部事務局参事官、元復興庁参事官(総括班)の記録が、興味深かったです。発災直後から、政府として何をするべきかを考えていたのです。そして、復興法案等準備室をつくり、復興基本法の案を作成し、構想会議を立ち上げ運営し提言をとりまとめます。
復興構想会議の審議(迷走ぶり)は報道で知っていましたが、知らなかったことが多いです。私が被災者生活支援本部で、被災者の支援と被災地の応急復旧に取り組んでいた時に、内閣官房ではこのようなことが行われていたのですね。

佐藤さんは、想像力を生かすことと、業務の日程管理、担当者の配置、彼らへの指示に気を遣います。このあたりは、私と同じ苦労ですね。前例のない緊急事態の際の対応は、いかに人によるかがわかります。
このような知恵と苦労について、行政文書にはどの程度残っているのでしょうか。かつての公文書にしろ新しい概念である行政文書にしろ、ここに記された佐藤さんの苦労ぶりや知恵の出し方は、残らないと思います。聞き書き(オーラルヒストリー)が持つ効果でしょう。

後に被災者支援本部を閉じて、復興本部をつくる際(2011年6月)に、被災者支援本部事務局と法案準備室とが合体することになりました。当然、佐藤審議官が新しい本部の責任者になる(私はお役御免で元の職場に戻る)と思っていたのですが、佐藤審議官は財務省に復帰し、私が復興本部に勤めることになりました。

法案準備室は主に頭脳作業をしていて、被災者支援本部は現地で汗をかいていた(服装は出動服)ので、私は冗談で「法案準備室は頭脳労働者、被災者支援本部は肉体労働者」と表現していました。その二つの組織と職員を合体させることは、うまくいくか心配でした。
法案準備室から来る田島参事官と2人で、新しい組織をどう作るか打ち合わせをしました。初対面でしたが、話しがかみ合って安心しました。私が本音をぶつけても、全て理解して対応してくれたのです。
で、復興本部とその後の復興庁の組織編成や職員集めは、ほぼ田島参事官に任せました。2人で、前例のない大胆なことをしました。いろいろ悩むこと困ったこともありましたが、うまくいったと思います(正確には悩んでいるひまがなく、次の課題を片付けなければならなかったのです)。田島君のおかげです。

大震災融資の返済繰り延べ

2025年5月14日   岡本全勝

4月20日の読売新聞に「168事業者 返済繰り延べ 大震災融資 岩手・宮城・福島 100億円超す」が載っていました。

・・・東日本大震災で被災した中小事業者の復旧費用を国と県が4分の3負担する支援制度「グループ補助金」を利用した岩手、宮城、福島3県の事業者のうち、自己負担分の残り4分の1を制度の枠組みである無利子融資で賄った30事業者が破産し、168事業者が返済を繰り延べたことが、各県への取材でわかった。同制度は復興を推進した一方、100億円超が繰り延べされ、識者は融資やその後の支援のあり方を見直す必要があると指摘する。

無利子融資は「高度化スキーム貸付」と呼ばれ、2024年末現在、3県で計947事業者に647億円を貸し付けている。同補助金を利用した事業者の約1割にあたる。返済開始には5年の猶予が設けられ、その後も事業者が県に申請して認められれば月や年度単位で繰り延べできるが、20年以内の完済が必要だ。
返済を繰り延べた168事業者の内訳は岩手75、宮城69、福島24。昨年末現在に繰り延べ中の貸付残高は計119億円で、宮城県が79億円で最も多い。収益が改善せず、何度も繰り延べる事業者もある・・・

・・・施設や設備を原状復旧するのが同補助金の主な目的だが、破産や返済に窮する事業者の中には、震災前から経営不振だった事業者もあった。一方で、復興に向けて迅速な対応が求められたため審査が甘く、「書類を出せばお金が出る」という状況があったとされる・・・

経済同友会の能登半島地震復興支援

2025年4月8日   岡本全勝

東日本大震災の復興の際には、経済同友会に多大な支援をいただきました。能登半島地震についても、同様の支援をしてくださっています。
私も運営委員会委員を仰せつかっていて、先日、委員会がありました。オンライン会議なので、便利です。

第一期の実績がまとまりました。292の企業・法人、37名の個人から、当初目標を大きく上回る43,777,247円が集まり、被災地の高校に寄付されました(紹介動画)。
引き続き、第二期に入ります。