カテゴリーアーカイブ:地方行政

全国知事会、コロナ対策での役割

2020年8月8日   岡本全勝

8月6日の読売新聞解説欄は、「知事会 コロナ積極提言…オンラインで意見集約」でした。
・・・新型コロナウイルスの対応をめぐり、全国知事会の動きが活発化している。機動的にオンライン会議を開いて各知事の意見を集約し、繰り返し政府に提言している。ただ、かつての「国との対決姿勢」は影を潜め、国への依存が強まることを危惧する声もあり、地方分権のあり方が問われている・・・

・・・知事会で全国の知事が顔を合わせるのは通常、年2、3回の会議のみ。だが、新型コロナの感染拡大を受け、2月下旬に飯泉会長を本部長とする対策本部を設置し、これまでに10回もの会議を開く「異例の対応」(事務局)をとる。5回目以降は全面的にオンラインでの開催となり、地元にいられる便利さから知事本人の出席が一気に増えた。
新型コロナ対応では自治体が主導的役割を担わざるを得なくなり、最前線に立つ知事に脚光が当たった。改正新型インフルエンザ対策特別措置法では、緊急事態宣言下での外出自粛の要請や施設使用制限の要請・指示など、知事に強い権限が与えられた。知事会も、現場の声が集まる場として注目されたことで知事の参加意欲も高まった。
知事会は会議のたびに政府への提言を取りまとめ、機を逃さず担当閣僚らに要望。提言は「対策本部」名義だけで11本に上る。感染拡大を防ぐための休業要請に応じた事業者への補償をめぐっては「休業要請と補償はセット」と訴えた結果、地方創生臨時交付金を休業への協力金に充てることが認められた・・・

新しい形での、全国知事会の役割が見えてきました。詳しくは記事をお読みください。

最近の地方活性化

2020年7月26日   岡本全勝

7月23日の読売新聞解説欄は、阿部文彦編集委員の「東京一極集中 止まらない…コロナ時代の地方創生 地域の雇用増 効かず」でした。

・・・17日に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生基本方針」は、地方の活性化に向けて、テレワークの推進や地方大学への支援強化などを柱としている。どう具体化するのか。過去5年間の東京圏への転出入や雇用創出数などの実績を基に、「ウィズコロナ」時代の地方創生の課題を探った・・・
・・・政府が2014年末に決定した地方創生の総合戦略は、今後加速する人口減少を背景に、2060年に1億人程度の人口の維持を目指し、出生率の上昇と東京一極集中の是正を二つの柱に掲げた。長期間の施策のため、15~19年度を第1期と定め、政策ごとの数値目標を掲げ、進捗状況を検証してきた。
20年を目標年とする第1期の主な目標の達成状況を見てみよう。

まず、最重要目標の東京一極集中の是正は、成果が上がっておらず、むしろ悪化した。19年の地方から東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)への転入者数は約49万8000人で、15年に比べて約1万人の増加。東京圏から地方への転出者数は約35万2000人で、約1万6000人減だった。この結果、東京圏への転入超過は、15年の1・2倍にあたる約14万6000人に拡大した。

一方、創生本部は、地方での若者の定着に欠かせない職場の確保などの分野について「目標達成に向けて進捗している」と合格点をつける。地方での若者の雇用創出数は、15年から24万人増の34万人で目標を達成。都市部の若者らが地方で働く「地域おこし協力隊」の参加者は15年度の2倍の5466人だった・・・

詳しくは、原文をお読みください。日経新聞やさしい経済学は、牧瀬稔・関東学院大学准教授の「地域活性化の新たな潮流」が始まりました。

砂原庸介教授「国の政治主導、地方の政治主導」

2020年7月23日   岡本全勝

月刊『中央公論』2020年8月号は、特集「コロナで見えた知事の虚と実」です。砂原庸介・神戸大学教授が、2人の知事に取材をし、取材後記として「国の政治主導、地方の政治主導」を書いておられます。詳しくは原文を読んでいただくとして。

・・・全国知事会での対策を主導した二人の知事から異口同音に語られたのは、今回の新型コロナウイルス感染症対策の中で、国が地方からの要求に対して非常に応答性が高かったということである。これまで災害のような緊急時において、しばしば国は地方から、反応が遅いとか不十分であるとか、どちらかといえばネガティブな評価をされるのが通例だった。それに対して今回は、知事から西村康稔新型コロナ対策担当大臣、加藤勝信厚生労働大臣という二人の担当大臣へと行われた要請が、迅速に、時には知事たちの期待上回るかたちで実現したことについて、知事たちも積極的な評価をしているように思われる。

このような変化は、第二次安倍政権において時には批判的に論評される「政治主導」のひとつのあらわれともいえる。従来見慣れた風景は、知事が地方官僚を引き連れて中央省庁に陳情し、「縦割り」省庁間の調整で当初の要請とはかけ離れた決定が行われるというものだった。しかし感染の懸念も後押しするかたちで知事たちは政治に対して直接要求を届け、それを受け取った大臣は何らかの反応を求められることになる。各省間の調整よりも、内閣官房を中心としたトップダウンの調整が行われるようになったことが、応答性の向上をもたらした側面があると考えられる・・・

なお、砂原教授による同号の巻頭言「情報が歴史になるには」も、鋭い指摘です。合わせてお読みください。

会津若松市、情報技術への取り組み

2020年7月22日   岡本全勝

会津若松市の情報技術への取り組みが、注目されています。

NHKウエッブニュースビジネス特集7月8日「東京から200キロ 大手企業が続々集まるワケ
・・・「10年先に起きると予測されていたことが新型コロナの影響で一気に来た」
今月、福島県会津若松市に拠点を設けたセイコーエプソンの執行役員のことばです。三菱商事、ソフトバンク、コカ・コーラ ボトラーズジャパンなど、この1年余りでさまざまな業種の大手企業が会津若松に続々と進出。東京から約200キロ離れた会津若松の魅力はどこにあるのでしょうか・・・

7月20日の日経新聞オピニオン欄、原田 亮介・論説主幹 の「会津発の都市OS広がれ 急がれるデジタル行政」でも、会津若松市の取り組みが紹介されています。

多くの情報技術先端企業が、会津若松市に集まっています。集まることで、次のサービスが生まれるようです。なぜ、地方の12万人の都市で、進んだのか。それぞれの記事をお読みください。

コロナウィルス対策、自治体と国との協力

2020年4月22日   岡本全勝

コロナウィルス対策を、国と自治体が力を合わせて実施しています。全国知事会と国とも意見交換を行っているようです。4月17日の際に「全国を対象とした「緊急事態宣言」の発令を受けての緊急提言」が出されました。そこに、次のような文章があります。

6 地方における円滑な執務体制の確立
・・・また、各省庁からの通常業務に係る照会への回答等が各都道府県の職員の大きな負担となっていることから、こうした通常業務については休止・延期するなど、全都道府県が新型コロナウイルス対策に全力で取り組めるよう、国においても配慮すること・・・

自治体現場、自治体職員にとっては、とても重要なことだと思います。
各府省の公務員は、それぞれの仕事を完璧にこなそうと、さまざまな資料を集めます。また、自治体に文書を送ります。それぞれは小さな業務でも、それが積み重なるととんでもない量になるのです。
今回のコロナウィルス対策では、ふだんでも目一杯の仕事を抱えている部署に、すごい量の照会やら指示が来ていると想像されます。それを処理できない自治体現場では、パンクしてしまいます。
限られた職員と時間の中で、どれを優先するか。国の側で優先順位をつけることも難しいでしょうから、受けた自治体側の判断になります。すると、文書は机の上、パソコンの中に放置されることになりかねません。