カテゴリー別アーカイブ: 再チャレンジ

行政-再チャレンジ

刑務所出所者の社会復帰

29日の読売新聞に、福島自立更生促進センターが、8月から入所者を受け入れるという記事が載っていました。自立更生促進センターは、刑務所を出所する人たちの社会復帰を支援するための施設です。法務省のホームページには、次のように書かれています。
・・犯罪をして刑務所に入った人も,刑期が終われば必ず社会に帰ってきます。こうした人たちが,二度と犯罪をすることなく,確実に更生することは,社会の安全にとても重要なことです。
ところで,刑務所を出ても,頼るべき親族や知人がなく,仕事もない中で,すぐに自分一人の力で生活しながら更生することは,決して容易なことではありません。こうした人たちを確実に更生できるようにするためには,刑務所からの釈放と同時に国が手を離し,いきなり一人で社会に戻すのではなく,出所後も一定期間,国の専門機関の監督下に置き,犯罪とは縁のない健全な社会生活を送れるよう,指導や援助をしていくことが必要です・・
そして、身元の引き受け手がない仮出所者を受け入れ、就労支援をするのが、この自立促進センターです。再チャレンジ型の社会にするためには、重要な施設です。しかし、施設周辺住民の反対などもあり、なかなか難しいのです。

児童虐待

厚生労働省が、児童虐待の件数などを発表しました。昨年度、全国の児童相談所が対応をした児童虐待の件数は、4万4千件と過去最多になりました。この件数は、10年ほど前から急増し、児童虐待防止法が施行された平成12年度のおよそ2.5倍に増加しました。虐待を受けて死亡した子どもは64件で67人です。何とも、痛ましいことです。

引きこもりの人数

7月24日に、内閣府が、「引きこもり調査」結果を公表しました。新聞各紙も伝えていますが、それによると、狭義の引きこもり(自室からほとんど出ない、家から出ない、ふだん家にいるがコンビニなどには出かける)は、全国で24万人。準引きこもり(ふだんは家にいるが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出する)が46万人。あわせて、70万人いると推計されます。うち、男性が66%、女性が34%です。別途、厚生労働省による推計は26万人で、引きこもりの人数は、ほぼ一致しています。
なお、対象となる15~39歳人口は3,880万人ですから、2%になります。また、「引きこもりの人たちの気持ちがわかる」という「親和群」は、このほかに155万人、4%います。
あわせて、内閣府は報告書をまとめ、ひきこもりや若年無業者など社会生活が困難な子ども・若者への支援について、地域における具体的な連携の在り方を関係者に提案しています。
このように、内閣府の共生社会政策統括官(局に相当)が、対策を進めています。

続・若者の自立支援

先日、若者サポートステーションが増えていることを紹介しました。昨日は、NHKニュースが引きこもり家庭の苦しみを、取り上げていました。今日は、この問題の取り扱った資料を紹介します。
フリーターとニートについては、「青少年白書」が、まとめています。それによると、10代の雇用者は7割が非正規雇用です。就職後3年のうちに、中学校卒業者では就職者全体の3人に2人が、高等学校卒業者では半数が、大学卒業者では3人に1人が離職しています。フリーターは170万人、ニートは64万人います(概要版第3章)。
引きこもりについては、内閣府が行った公開講座「ひきこもりを考える」の資料が、役に立ちます。推計では25万人程度です。
まだ、政府や自治体の取り組みは始まったばかりです。政治家や国民にも、十分に理解されていません。しかし、これら社会関係問題は、今後、自治体の大きな仕事になるでしょう。そしてこれらの課題は、お金を配ったりコンクリートがあれば解決できる問題ではないので、行政にとって難しい課題です。

地方自治体での犯罪被害者対策

内閣府が、犯罪被害者等施策に関する調査報告書を公表しました。今回は、地方公共団体での取り組みについての調査です。犯罪被害者等基本法は、2004年にできました。そこでは、国とともに地方自治体にも、相談、医療や福祉サービスの提供、安全と居住の確保などの責務が、書かれています。被害者への支えは、国ではできないのです。
その結果は本文を見ていただくとして、概要は本文「4」に載っています。担当窓口は、県や政令市では置かれていますが、その他の市町村ではまだです。条例を制定しているのは18県、135市区町村にとどまっています。
私はこの施策を、社会の新しいリスクであり、行政の新しい課題であると位置付けています。しかし、まだ、自治体や住民には認知されていないようです。