カテゴリーアーカイブ:著作と講演

サントリーみらいチャレンジプログラム、記者発表

2023年6月29日   岡本全勝

今日6月29日は、サントリーみらいチャレンジプログラムの記者発表に、福島まで行ってきました。先日審査した結果、今年度の助成先の発表です。

私の役割は、審査員として選定過程を話すことですが、この支援の意義も話してきました。
すなわち、被災地の復興に携わった際に、道路や住宅などのインフラ復旧だけでは街の暮らしは戻りませんでした。買い物の場と働く場が必要であり、さらにつながりを絶たれた住民に、つながりやコミュニティを作ってもらう必要がありました。これは、行政には難しい仕事であり、またお金ではつくることができません。
サントリーの支援は、この部分を補ってくれるのです。ありがとうございます。どのような企画を選んだかは、発表資料を見てください。

このような活動があることを、広く県民のみなさんに知ってもらって、理解してもらうとともに、参加して欲しいです。

ベトナム地方政府幹部研修

2023年6月26日   岡本全勝

今日6月26日は、ベトナム地方政府幹部研修に、政策研究大学院大学に行ってきました。4月19日にも、政策研究大学院大学でベトナム政府幹部研修をしました。

具体事例を入れたリーダーシップの講義で、東日本大震災で指揮を執った経験を話せとのことでした。地方政府幹部なので、大災害の際の心得と復興の際の心得をお話ししました。20人の方が、熱心に聞いてくださいました。

通訳の方は前回と同じ、ベトナム語を母語とされる方で、丁寧に通訳してくださいます。もっとも、聞いていても、全くわかりません。翻訳された資料も、理解できず。
質疑も充実していました。的確な質問が出ると、うれしいですね。なので、最近は質疑の時間を長めに取るようにしています。でも、時間を超過しました。

連載「公共を創る」第154回

2023年6月22日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第154回「社会像と行政手法の転換」が、発行されました。国家の役割と機能の見直しを迫る要因を説明しています。今回は、前提とする社会像や市民像が転換していることを説明しました。

西欧近代国家そして日本が前提とした「自由で自立した市民」は、理想であっても、現実ではありませんでした。自立できない市民を発見し、それへの支援を整備してきたのが、この200年の歴史です。そして、さらに「社会生活での自立が難しい人」が生まれてきたのです。人は自立しているのではなく、互いに依存して生きているのです。
それは、公私二元論にも修正を迫ります。

政府が取り組むべき課題が変わることで、手法も転換する必要があります。その一つは、実施の手法です。支援対象となる個人は、引きこもりのように役所の窓口には来ません。これまでのように、請求があって支給する方法は機能しません。
また、社会の意識を変える必要がある場合も多いです。それについても、経験は少ないです。

講義、働き方改革

2023年6月20日   岡本全勝

今日6月20日は、市町村アカデミー「自治体の働き方改革」で「働き方の変化と課題(体験談を基に)」を講義しました。「時間割
担当教授の指示は、「学長はワーカホリックだったと聞いた。その話、特にひどかった実態を経験談として話せ」とのことでした。職場に泊まり込み、1週間も自治省の建物から出なかった、2週間も寮に帰らなかった経験を持っていますから、お安いご用ですが・・・。

当時はそれが当たり前、そのようにして官僚は鍛えられるのだと信じていました。一種の誇りでもありました。報道機関も、官僚の長時間労働をよく取り上げ、敬意を持って褒めてくれたのです。
今から思うと、おかしなことでした。家庭や私生活を省みなくてもよい、あるいは省みない「健康な、世間常識を欠いた、男性」だけの世界です。

確かに仕事は山のようにあり、覚えるべきこともたくさんありました。しかし、長時間労働は「入力・インプット」であり、「産出量・アウトプット」でも「成果・アウトカム」でもありません。それを考慮しない長時間労働は、賢くないですね。
自分が好きでやってもよいですが(それもいけないことですが)、職員にさせるようでは上司として失格です。

私は途中で気がつき、反省して、コペルニクス的に考えを変えました。管理職になったら、職場で居残らないようにしました。特に、部下への配慮です。「それでも厳しかった」と部下からは、批判が出そうですが。

連載「公共を創る」第153回

2023年6月15日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第153回「課題の転換を迫る背景」が、発行されました。
前回まで、政府の役割を再定義する前段として、その分類を行いました。ところが社会の新しい課題の多くは、これまでの分類にうまく当てはまりません。

これら新しい課題の多くは個別ばらばらに生じているのではなく、共通した背景と原因を持っているというのが私の分析です。この大きな動きを押さえた上で、場当たり的でない国家の役割と機能の見直しが必要なのです。それは、行政分野の拡大や手法の改善などという微修正では済まず、市民像や公私二元論といったパラダイム(ものの見方、考え方の枠組み)の転換が必要となります。
これまで述べてきた国家の役割の見直しを迫る背景や見直しの方向などを順次、要約します。

まずは、課題の転換を迫る背景です。大きな課題であった貧困からの脱出に成功したのに、なぜ社会に不安が生じているのか。それは、経済発展によって私たちの暮らしが変化したことで、新しい不安が生じたためです。
そして、日本においてこのような不安が顕著なのは、成熟社会に見合った意識への転換が遅れているからです。それは、いくつかの場面で現れています。