カテゴリーアーカイブ:著作と講演

NHK解説 国会連絡室の「トンビ」

2023年2月3日   岡本全勝

NHKウエッブサイト「政治マガジン」に「その名は“トンビ” 「国会は戦場だ」 官僚の情報戦」が載りました(2月3日掲載)。金澤記者から取材を受けて、記事の後ろの方に私も登場します。

「トンビ」と聞いても、何のことか分かりませんよね。各省の国会連絡室(場所は国会の敷地内の建物にあります)に勤務している職員たちの俗称です。議員会館の廊下を訪ね歩く姿から「廊下トンビ」と自称し、それが短くなったものと考えられます。
各省の国会関係の「情報収集機関」の働きとともに、国会審議を円滑にする役割もしています。世間の人はもちろん、公務員の多くも知らない、国会運営の裏方です。金澤記者も、よいところに目をつけましたね。

国会連絡室は、各省の官房総務課や文書課に属しています。私は、総務省官房総務課長を2年半勤めました(通常国会は3回)。その頃の仕事は、このホームページの「国会」に書きました。20年近くも前の話です。
国会開会中は、総務課長も国会内の連絡室に勤務し、トンビたちの指示に従って、議員のところにお願い、お詫び、お礼に行きます。

連載「公共を創る」第142回

2023年2月3日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第142回「行政改革から社会改革へ」が、発行されました。前回まで、1990年代と2000年代に行われた行政改革の成果と問題について説明しました。

さらに視野を広げてみると、これら行政改革が求められた要因には、日本独自のものと、先進国共通のものがありました。
日本にあっては、経済発展の終了と成熟社会の到来に対して、社会と行政が対応できていないことです。
先進国にあっては、日本より先に経済成長が鈍化し、小さな政府と効率化、顧客重視の改革に取り組まれました。新自由主義的改革と新公共経営(NPM)です。

では、日本の行政改革は、目的を達したか。行政改革は成果を上げたのですが、社会はそれ以上に変化していて、行政改革だけではそれに応えることができていないのです。必要なのは、行政改革以上に、社会の変革です。今回は、それを説明しました。

連載「公共を創る」執筆状況

2023年1月30日   岡本全勝

恒例の連載「公共を創る」の執筆状況報告です。
相変わらず、締め切りに追われる、自転車操業が続いています。本業やら講演活動やらで、なかなかまとまった時間が取れません。いつも同じことを言っています。かつては、書きためて余裕があったときもあったのですが、最近はどうもいけません。
それでも、締め切りに遅れたことがないのは、健康であることと、雑な原稿に急いで手を入れてくれる右筆のおかげです。

月に3回の連載となると、同時に4本の原稿が走っています。1月26日に第141回が掲載されたばかりですが、現時点では、第142回(2月2日号)が完成し、掲載を待っています。第143回(2月9日号)は、編集長の了解を経て、校閲を待っています。第144回(2月16日号)を、編集長に送りました。私は、次の第145回(3月2日号)を書いています。こんな状態ですから、気をつけないと頭の中が混乱するのです。
その合間を縫って、コメントライナー(9回)の原稿も書いています。我ながら、よくやっています。

全体の構成では、第4章 政府の役割再考 2 社会と政府(3)社会をよくする手法、を書き進めています。その中で、「大きな政府と小さな政府」「市場への新しい介入手法」「行政改革」を終えて、次回からは「行政の手法」に入ります。
この部分は、執筆に入る前に、まだ骨格が整理できていません。関連情報を知人の教授らに教えてもらうなど、勉強中です。どうなることやら。

連載「公共を創る」第141回

2023年1月27日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第141回「近年の行政改革における問題点」が、発行されました。前回から、行政改革を振り返り、改革で目指された政治主導の現状を評価しています。

第2次安倍内閣と菅内閣では、政治主導や内閣主導ではなく、官邸主導という形が定着したようです。「官邸一強の弊害」という批判もあります。その一つは、官僚たちが官邸からの「指示待ち」になったというものです。
ただし、「官邸一強」と呼ばれるのは、官邸と各省官僚との関係だけで、与党と内閣・官僚たちの関係は変わっていないようです。官僚は、官邸の了解を取ることとは別に、与党の了解をも取らなければならないのです。政治指導の一元化は、されていません。
また政治改革も、道半ばです。二大政党制は定着せず、国会での党首討論も開かれません。政党の政権公約についても、マニフェストは定着しませんでした。

行政改革の話に戻すと、公務員数の削減は業務にしわ寄せが来ています。そして、新しい仕事に取り組まなくなったように見えます。

若手新聞記者への講義

2023年1月23日   岡本全勝

今日は、ある新聞社に呼ばれて、若手記者の研修講師を務めてきました。記者が官庁を取材する際の心得と作法を、取材される側として話しました。

報道機関には、駆け出しの頃から「普通の」取材を受けていたのですが、30歳、鹿児島県県税務課長のときに、課税ミスで厳しい追及の「洗礼」を受けました。42歳、富山県総務部長のときは、談合事件やカラ出張不正で、何度もお詫びの記者会見をしました。
もちろん記者さんとのお付き合いは、お詫びばかりでなく、地方交付税の課題や地方分権改革、県の行政改革などでは、正しく取り上げてもらうべく、昼に夜に説明を行いました。総理秘書官や大震災復興のときも、記者さんとの対応にはかなりの時間を使いました。
「ここを聞いて欲しい」「こんな角度から書いてほしい」と思うこともたくさんありました。「お詫びの仕方・形も大切」「報道記者との付き合い方

公務員にとって、一般的には記者はやっかいな存在です。記者発表ものなら大きな問題はないのですが、そうでない取材には「聞かれたくないこと」もあります。
ところで、管理職研修に、「記者との付き合い方」は入っていないようです。私も、自己流で経験を積んできました。「明るい公務員講座 中級編」第15回に、「交渉 情報発信」を書きました(「明るい公務員講座」第4巻に載せる予定なのですが・・)。
そのようなことを踏まえて、期待を込めて、取材される側の手の内を明かしてきました。