「著作と講演」カテゴリーアーカイブ

丹波市講演会

3日は、兵庫県丹波市に講演に行ってきました。土曜の夜7時半からというのに、190人もの人が集まってくださいました。阪神タイガースの試合も見ずにです。地方自治や財政に関心を持っていただくことは、ありがたいことです。楽しい話ができればいいのですが、厳しい話で申し訳ありません。
丹波市は、6町が合併してできた市です。早めに行って市内を案内してもらいました。もっと山奥かと思っていたのですが(失礼)、きれいな田園が広がり、街並みも落ち着いた良いところでした。泊まりは、柏原の三友楼でした。純日本風で、良い旅館です。部屋は新館(鉄筋コンクリート)に取ってもらってあったのですが、わがままを言って旧館(木造建築)の座敷の上の部屋に変えてもらいました。なかなか、こんな部屋には泊まれませんから。庭も立派でした。

兵庫県宍粟市「三位一体改革と地方自治体の生き方」

3月4日は、兵庫県宍粟市に講演会に行ってきました。土曜の夜7時から9時という時間帯なのに、おおぜいの議員や職員が集まってくださいました。宍粟市は、去年に合併で誕生した新しい市です。司馬遼太郎さんの「街道をゆく9」(朝日文庫)の「播州揖保川・室津みち」に、山崎、一宮伊和神社として出てくるところです。かつては、たたら製鉄と林業で栄えました。市と言ってもほとんどを山林が占め、林業衰退・人口減少などで地域の将来を悩んでおられます。その上に、交付税の減少が乗っかり・・。
日本の多くの地域が、同じような悩みを抱えておられます。威勢の良いお話はできず、「今後も交付税は減りますよ」とさらに暗くなる話しかできないのですが。
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日本青年館清渓セミナー

今日は、日本青年館清渓セミナーに行ってきました。講演とパネルとに出演しました。パネルは、福岡政行立命館大学客員教授と穂坂邦夫前志木市長とでした。観客は主に市町村議員で、150人ほどの方が熱心に聞いてくださいました。数字や事実を基に、私の日頃の考えを主張してきました。皆さん熱心なので、ついつい調子に乗って、厳しいことをしゃべりました。申し訳ありません。でも、これが事実なのです。

自主研究グループ「ソーシャルアクションスクール」(大阪)

今日は大阪に行って、3時間しゃべって来ました。公務員や学生さんの自主研究会「ソーシャルアクションスクール」です。50人ほどの方が、熱心に聞いてくださいました。休みの日に集まって、こうして勉強されるのは、頭が下がります。私も応援します。がんばってください。
1時間目はちゃんと90分で終えたのですが、2時間目は30分勘違いして、100分もしゃべってから質疑応答をしてしまいました。三位一体改革が日本の政治改革・革命であることと、政策をどう実現していくかを、私の体験を基にお話ししました。後段がどういう話かは、企業秘密ですよ・・。そう簡単には公開・伝授できません。現場の経験のない学生諸君には、どの程度理解してもらえましたかねえ。
12日に講演に行ったメンバーから、いくつか便りが来ました。半分お世辞とと思いつつ、うれしいですね、反応があるのは。よいしょばかりじゃ、私にとっても進歩がありません。批判こそが、ものごとを進めます。それぞれに返事を書きますが、しばらく時間を下さい。(11月14日)

地方財政改革論議

           2002年5月、出版社ぎょうせい刊
           2006年1月、第6刷

【有名になった拙著】
月刊「経済セミナー」(日本評論社)7月号が、「夏に読むこの1冊」を特集しています。財政分野の担当は橋本恭之関西大学教授で、拙著「地方財政改革論議」を取り上げてくださいました。
「日本社会の構造を大きく変える三位一体改革。・・・このような国と地方の財政関係を、なぜいま変えなければならないか、その改革がわれわれの生活にどのような影響をもたらすかについては、以下の3冊を読めば理解できるはずです」
「まずは、岡本全勝著「地方財政改革論議」をご一読ください。・・・この本では、地方交付税の基本的な仕組みを丁寧に解説したうえで、地方交付税に関する改革論議を紹介しています.・・・」
橋本先生、ありがとうございます。(2005年7月10日)
【第5刷】
拙著「地方財政改革論議」の5刷が出ました。このような専門書が売れるのは、地方財政、特に地方交付税の行方に、関心が集まっている証左だと思います。地方分権・地方財政の問題が、政府の重大課題に取り上げられるのは、ありがたいことです。一般の方が地方財政を理解して下さるのに、少しでもお役に立てれば幸いです。(9月30日)
1 最近の地方財政改革論議
最近地方財政、特に地方交付税の改革論議が高まっています。私は、次のような2つの要因によると考えています。
(財政的要因)
この時期に改革議論が高まった主な原因は、財政赤字の増大です。国家財政の急速な悪化から、経済財政諮問会議の主要課題の一つとして地方財政が取り上げられました(後の課題は、公共事業と社会福祉)。また、地方自治体にとっても、このような借入でによる財政運営は、持続可能か疑問がでてきたのです。
(社会的要因)
もう一つは、第1次分権改革が成就し、次なる分権は地方財政の分権だと認識されたからです。また、地方財政が「ナショナル・スタンダード」を達成したことも、もう一つの要因であると、私は考えています。
2 現在の地方財政の課題は、大きく言って二つ有ります。
 一つは、財政赤字の解消です。もう一つは、地方財政の自立です。
3 本書では、最近の地方財政改革論議を検証し、現在取り組んでいる交付税の見直しを解説するとともに、これからの地方交付税像を検討しています。
追補
その後の動きは、次をご覧ください。
「進む三位一体改革-評価と課題月刊『地方財務』2004年8月号、9月号
「続・進む三位一体改革」同2005年6月号
また、次も参考になります。
「近年の地方交付税の変化」月刊『地方財政』2004年1月号

「地方財政改革論議」

 「地方財政改革論議ー地方交付税の将来像」
目 次
第一章 財政再建
一 借入金の増大
二 借入金の縮小へ
第二章 地方交付税の課題
一 交付税批判の整理
二 総額論
三 算定の簡素化
四 行革努力と財源確保努力
第三章 地方税財源の充実強化
一 分権改革の次の課題
二 選択肢(税源移譲)
三 今後の方向
第四章 将来に向けて
一 「交付税問題」の原因
二 地方財政の課題
 1 地方財政改革の目標  2 団体自治の観点から  3 住民自治の観点から
三 地方交付税の将来
 1 改革のシナリオ  2 生じる問題と対策  3 これからの地方行政論