「講演」カテゴリーアーカイブ

講演

ウクライナ政府幹部講義、ヴェトナム政府幹部講義

今日10月22日午前は、国際協力機構が行っているウクライナ緊急復旧・復興プロジェクトの講師に行ってきました。今回で5回目になります。ウクライナ政府や地方政府の幹部が、17人参加しました。
私の役割は、破壊された町(津波被害)、しばらく住まなかった町(原発事故避難)の復旧経験です。公共施設や住宅の復旧だけでは町のにぎわいは戻らないこと、産業と生業の再開やコミュニティの再建が必要なこと、その際の中央政府と地方政府の役割を話しています。
今回も、質問がたくさん出て、講義が成り立っていることがわかりました。

午後は、政策研究大学院大学でヴェトナム政府幹部講義。こちらは、危機の際での政府幹部のリーダシップです。16人の方が、熱心に聞いてくださいました。
質問もたくさん出て、実りの多い研修だったと思います。地方分権との関係、国は自治体に何を支援するのか、政府職員の自治体への派遣、どれが一番難しかったか、巨額の予算を使って汚職はなかったか、さらには日本経済は復活するかといった質問も出ました。

これらの講義は、私の経験がお役に立つならと、引き受けています。重なるときは、重なるものです。

サヘル諸国地方行政能力向上研修

今日9月26日は、国際協力機構の依頼で、「サヘル諸国・周辺国における地方行政能力強化による政府と住民間の信頼醸成」研修の講師に行ってきました。
参加者は、ブルキナファソ、チャド、モーリタニア、マリ、コートジボワールから11人でした。9月17日から広島市で研修を受け、東京に移動して、30日に帰国します。

私の担当は、「日本の発展を支えた行政機構」です。この講義は、最近しばしばやっているので、それを基に資料を改編し、話す内容の重点も変えています。この内容を理解してもらうことも重要ですが、日本を好きになってもらうこと、「我が国も日本のように発展しよう」と思っていただくことも重要です。
フランス語の通訳です。言葉より、写真や図が伝わりますね。
今回も参加者の関心事項に適合したようで、喜んでもらえました。たくさんの質問が出て、時間を超過しました。

「日本とお国とでは、どちらが暑いですか」と質問したら、「気温はアフリカの方が高いけど、日本の方が暑い」とのことでした。湿度が高いことが、きついようです。

マレーシア国政府行政官研修

今日9月18日は、国際協力機構の依頼で、マレーシア国政府行政官研修の講師に行ってきました。この研修は、1981年、当時のマハティール首相が「ルックイースト」を唱え、日本を手本に近代化を進めました。その協力の一つとして始まったようです。15人の行政官が3週間にわたって、日本の行政などを学びます。

もっとも、マレーシアは急速に経済発展して、すでに1人当たり国民所得は1万4千ドルだそうです。
「もう、日本に学ぶことはないでしょう」と言うと、「いえいえ、まだあります」との答え。「東京は暑いですか」と聞くと、「マレーシアより暑い」と言われました。「今週末から涼しくなる予報です」と答えておきました。

私の講義は、日本の近代化と行政の役割です。「マレーシアと比べながら、聞いてください」とお願いしました。日本に来るのが初めての人も多く「座学も良いですが、外に出て日本を見てください」と助言しました。
田植え機の写真を見て「クボタ」と声が上がります。産業立地の話になり、トヨタやパナソニックを出すと、「ホンダ」など次々に聞かれます。
例によって、鋭い質問がたくさん出ました。日本の外国人労働者受け入れと移民政策、国民倫理、いくつかの産業分野で中国に負けていないか、などなど。最後は時間切れになりました。

日本語がけっこうできる方もおられます。最後に記念撮影を求められ、真ん中に立とうとしたら、日本語で「ボウシ」と帽子をかぶることを要求されました(笑い)。真面目でない方の写真を載せておきます。

埼玉県職員研修講師

今日9月10日は、埼玉県職員研修のため、さいたま市浦和まで行ってきました。研修は「リーダーシップ・トレーニング」で、参加者は県職員(主幹級・主査級)の計12人です。10時半から16時半までの長丁場でした。
私の役割は「自治体職員のリーダーシップ」を講義することですが、講義だけでは参加者も飽きるでしょう。そこで、主催者と相談して、午前中は講義、午後は班別討議(2題)と質疑にしました。

管理職や管理職を目指す人たちの研修でなく、主幹級(課長補佐)や主査級(係長)から選ばれた12人に、リーダーシップを講義するのです。主催者と何度もやりとりをして講義の内容を固め、また班別討議の設問も一緒に考えてもらいました。
班別討議は、予想以上に盛り上がりました。そのために工夫もしたのですが。反応が良いと、やりがいがありますね。
彼ら彼女らが、さらに経験を積み、視野を広げて、立派な幹部になることを期待しています。

補足 新聞を読むことの意義は「新聞の役割」をご覧ください。

朝日新聞福島総局勉強会

今日は、朝日新聞福島総局での記者勉強会に、福島市に行ってきました。
頂いた主題は「復興政策の理想と現実」で、「巨大津波と世界最悪級の原発事故に見舞われた地域の復興に対し、政策をつくる側は何を考え、どう地元と対話し、どのような復興を目指したか。そして現実はどうだったか。できたこと、できなかったこと、今後どうあるべきかなどについて解説する」です。

発災以来すでに14年余りが過ぎました。当時のこと知る記者も少なくなり、若手記者は体験していません。時間とともに記憶が薄れることは仕方ないことであり、人間の脳にとって必要なことです。しかし、現状を分析し、何がうまくいっていて何がうまくいっていないか。それを記事にするためには、これまでの経緯も知っておく必要があります。
復興庁は、なるべく記録を残し、ホームページに載せることに務めてきました。また、それだけでは当時の意図や苦労がわからないので、関係者から聞き取りをして残すこともしています。私自身も、書物や新聞の取材に答えることで、残し伝えることを心がけてきました。(私の所管ではありませんが、新型コロナ感染症対策では、どのように記録は残っているのでしょうか。)

私も担当を離れて5年が経つので、改めて保管してあった資料(かつて使った講演資料など)を引き出し、講義資料を整えました。電子媒体は便利ですね。ところが、どこにどんな資料を保管したか(講演で使ったか)がわからず、講義資料の半封筒の紙資料を見て、整理しました。あわせて、これを機会に、半封筒の紙資料は捨てました。

勉強会は、前半を大震災全体、主に津波被害とし、後半を原発被害としました。そして、記者の関心に応えるため、質疑の時間をたっぷり取りました。
約20人の方が出席、5人の方がオンラインで参加でした。さすが第一線で活躍している記者たちです。鋭い質問がたくさん出ました。このような形でお役に立てるとは、うれしいです。