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講演

2006年12月9日 福岡大学法科大学院

(官僚と法律)
今日9日は、福岡大学法科大学院で、講演をしました。テーマは「立法と行政-公務員の役割と行動」です。官僚と法律との関わりを、経験を交えてお話ししました。通常、大学や大学院で学ぶのは、できあがった法律の解釈学です。しかし、官僚は、その解釈・執行だけでなく、補充をし、また改正や新規立法をします。六法全書に載ってからと、載るまでといったら、わかりやすいでしょうか。しかし、物の本や講義では、立法学はあまり教えません。せいぜい、立法過程論、技術論ですね。
霞ヶ関の官僚と国会議員は、政策実現の大きな手段として、立法に携わっています。それは、どのようにして課題を拾い、解決策を考えるかという問題です。私の持論ですが、これまで日本の官僚は、欧米先進国に課題と解決方法を学び、輸入していました。発展途上国時代は、それで良かったのです。しかし、国内の問題を自ら拾い上げ、解決策を考えるということには、なれていません。その証拠の一つとして、日本が欧米に輸出した法律って、私が知る限り迷惑メール防止法だけです。輸入はしても輸出はしない、内弁慶です。アジア諸国には、輸出していますが。
また、このHPに何度か書いているように、これまで保護育成=業界相手の仕事だったのが、国民相手になりました。手法も、事前調整から、ルールを作って自由にし事後チェック型に転換しつつあります。ここに、官僚と法律の関係も、大きく変わりつつあります。このあたりを、お話ししました。もっとも院生さんは若くて、私がこの10年の実例を出しても、知らない人が多く、しゃべるのに少し苦労しました。

2006年12月2日 兵庫県篠山市(講演)

2日は、篠山市に講演に行ってきました。職員有志の勉強会が、勧進元です。毎月勉強会をしていて、今回は広く職員向け講演会を企画したそうです。市長さんも、飛び入りで参加してくださいました。拙著を読んでくださったそうです。休憩を挟んで2時間半の講演と質疑、その後少人数での質疑、さらに場所を変えて懇親会で議論と、今回も人使いの荒い勉強会でした。
でも、ありがたいですね。こうして、地域から自治や行政を考える動きは。できる限り応援しますよ。こういう若い力が、将来の篠山市や地域の自治を良くしてくれるのでしょう。期待してます。
篠山は古くからの城下町、デカンショ節で有名です。また、いち早く合併をした町です。私は河合雅雄さんのエッセイで、先生が子どものころ城跡で遊んだ思い出などを読んだことがあったので、一度訪ねてみたいと思っていました。古い街並みや再建されたお城の大書院も、見せてもらいました。落ち着いた良い町です。黒豆とイノシシ鍋も有名ですね。
昨日の行きの新幹線では、きれいな冠雪した富士山を横目に、しゃべる内容を再確認。今日の帰りの新幹線では、来週の福岡大学での講義のレジュメ加筆と、明日の中国共産党党校教授らへの説明資料作成。へへへ、師走というのにいろんなことしてます。新幹線は、邪魔が入らない良い時間と空間なのですが、狭いのと揺れるのが難点ですね。
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2006年11月20日 関西大学経済学部(講義):大阪

今日は、林宏昭教授に呼んでもらって、関西大学まで講演に行ってきました。本業が忙しくなって綱渡りでしたが、行くことができました。三位一体改革(第一次)が終わったので、その位置づけと、これからの見通しをお話ししました。日本行政のレントゲン図などを使って、わかりやすく話したつもりですが、学生さんには少し難しかったかな。

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2006年10月5日 東京大学公共政策大学院・公共政策ワークショップ

今日は、東京大学公共政策大学院の公共政策ワークショップに行って、「三位一体改革はどうして進んだか」をしゃべってきました。多くの院生が熱心に聞いてくれました。森田朗先生金本良嗣先生も一緒に聞いてくださいました。短時間でたくさんのことをしゃべろうとするので、いつも早口になり、時間が足りなくなります。ごめんなさい。
官僚批判で話が終わったので、公務員という職業に失望された方もおられたかもしれません。しかし、官僚という仕事はまだまだ魅力があり、社会的にも重要な仕事です。ただ、今までのようなやり方=業界を保護し、補助金を配る、規制をするだけでは、国民の期待に応えていないということです。また、外国から制度を輸入するのでなく、国民が抱えている問題に取り組むべきなのです。その方向転換に、遅れているのです。
私の都合で、質疑応答の時間が十分にとれず、申し訳ありませんでした。もう少し時間があれば、これからの官僚をしゃべりたかったのですが。それはまた別の機会に。
概要が、大学院のHPに載りました。(10月18日)

2006年6月30日 大阪市立大学

30日は、北村亘先生のお招きで、大阪市立大学へ行ってきました。学部生への講義、有志との座談会、研究会での発表と、3コマも働かせてもらいました。結構、人使いが荒いです(笑い)。
学生はみんなまじめで、よく聞いてくれました。でも、もっと笑ってくれてもいいのに。静かに聞かれると、「ほんまにわかってるんやろか」と心配になるのです。拙著をゼミで使ってくださっている先生もおられるとのことで、ありがたいことです。学生さんに聞いたら、「難しくてわからないところもある」とのことでした。ごめん。
研究会は行政学系の先生たちで、大阪市立大の稲継裕昭先生、永井史男先生のほか、松並潤先生(神戸大学)、辻陽先生(近畿大学)、徳久恭子先生(立命館大学)たちも参加してくださいました。短時間でしたが、いろいろ鋭い御指摘と、質問をいただきました。人前でしゃべることと質問に答えることは、私自身の勉強と頭の整理になります。また、機会があれば、呼んでください。