カテゴリー別アーカイブ: 連載「公共を創る」

連載「公共を創る」第4回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第4回「想定外が起きた─政府の役割を考える(2)何をするかを考える」が、発行されました。
今回は、急きょ作られた、被災者生活支援特別対策本部を立ち上げた際の苦労を紹介しました。
現地の詳しい状況と全体像が、わからない。何をしたらよいかがわからない。そのような状況で、何をするか、そのためには、どのような組織を作るか。私が考え行ったことを、整理しました。

連載「公共を創る」第3回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第3回「想定外が起きた─政府の役割を考える(1)東日本大震災の衝撃」が、発行されました。

今回から、本文に入ります。全体構成では、次のような位置づけになっています。
第1章 大震災の復興で考えたこと
1 想定外が起きたー政府の役割を考える
(1)東日本大震災の衝撃

第1部では、東日本大震災にの際に私が考えた「行政の役割の再考」と「町とは何か」についてお話しします。この経験が、公共と行政を考え直す具体事例になりました。それまでも、このテーマで長く考えていたのですが、身をもって体験することになったのです。そして、かねて考えていた方針を、実行することができました。

あれから、8年が経ちました。若い人たちは、詳しく知らないのですよね。で、まず今回は、大震災の概要を説明します。

連載「公共を創る」第2回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第2回「はじめに2 公共とは何か」が、発行されました。
今回の連載で考える「公共」について、少し説明しました。
公の対になるのは、私です。公私区分には2種類あります。1つは、官と民の区分です。もう1つは、社会・世間を公として、家庭を私とする区分です。
近代市民社会では、国家は私の分野には介入しないとされました。市場に介入しないレッセ・フェールであり、家庭には立ち入ってはならないのです。しかし、この区分が崩れました。

また、ここでは、公共を3つの次元から考えます。
1つめは主体です。公共を創るのは行政だけでなく、企業も、民間非営利団体もあります。
2つめは、機能や関係です。世間で暮らしていくには、公共サービスだけでなく、民間サービスも重要です。そして、他者とのつながりも必要です。
3つめは、場です。暮らしやすい社会は、各種の制度や人と人の関係の「束」からなる場です。上皇陛下が、在位30年記念式典で「この国の持つ民度」という言葉を使われました。

いずれにしても、私の関心は、公共を行政だけで考えるのは狭いということです。これまでの、公共政策論は、狭いのです。

連載「公共を創る」執筆の苦しみ2

連載「公共を創る」執筆の苦しみ」の続きです。
いつものことですが、苦しんでいます。この連休も、家族との「お勤め」や、美術展巡りのほかは、原稿と格闘中です。なかなか、思うようには進みませんねえ。ほかの本に手を出したり、このホームページにしょうもないことを書いてみたり。夜は早くに寝てしまうので、朝起きたら机に向かっています。

粗々の全体構成は、できています。「部品」は、このホームページを含め、いろんなところで書きためてあります。ところが、その部品を、忘れているのです。
全体構成を眺めつつ、「あれも忘れていたな」と、書くべきことを思い出しています。また、各部品が、うまく全体構成にはまるとは限りません。力を入れて詳しく書いたのに、全体を通して読むと、不必要に長かったりします。で、せっかく書いた文章を、ばっさり削除します。その過程で、構成が変わります。

執筆には、集中が必要です。そのような時間を、作らなければなりません。それが、なかなか難しいのです。平日は仕事があり、休日は他のことに気が向きます。そしてなにより、体力と気力も必要です。若い時のように行かないことを、痛切に感じます。
少しずつ、書けるところから書いて、何度も手を入れることを繰り返しています。いつものことです。
締めきりがないと、執筆は進みません。しかし、毎週締めきりが来ることは、精神衛生上良くないです。で、いつも、なにかに追われる人生です。貧乏性です。

今回の連載も、書いた原稿を「右筆」に見てもらい、大胆に加筆してもらっています。私の文章が読みやすくなっているとするなら、右筆のおかげです。

連載「公共を創る」執筆の苦しみ

3月下旬から、連載「公共を創る」の執筆に、取り組んでいます。

第1回は、4月25日に掲載されました。第2回と第3回はすでに提出し、編集長から了解をもらいました。
第4回、第5回分も、書き上げました。全体構成では、第1章1(2)(3)に当たります。
引き続き、第1章2に、着手しています。第1章の1と2は、東日本大震災で考えたことです。『復興が日本を変える』で、当時の考えをまとめました。それを素材に、今回の連載の意図に沿うように、再考しています。従来の被災者支援や復興の枠を越えた施策を実施しました。そこで考えた、「行政の役割」と「町とは何か」です。

今回の連載は、広く「公共」という視点から、日本社会の変化や行政の役割の変化を考えようという「壮大な試み」です。
新地方自治入門』も、地方行政から、日本社会の変化と、行政の改革を論じたものです。その後も、この問題を考えていました。このホームページのほか、次のような論考も執筆しました。「行政構造改革-日本の行政と官僚の未来」「社会のリスクの変化と行政の役割」(以上2つは『地方財務』)、「行政改革の現在位置~その進化と課題」(北海道大学公共政策大学院)。慶應大学法学部でも、講義しました「公共政策論」。

この大きな問題は、私一人の力では難しいとわかりつつ、問題提起をしようという試みです。官僚として、この変革期の行政に従事した経験と、そこで考えたことを、皆さんに伝えたいのです。うまく行けば、良いのですが。
全編書き下ろしが、理想的ですが、私には無理です。連載のような形で、締めきりに追われながらしか、書くことはできません。