連載の推敲、三層構造

連載の執筆に際して、皆さんになるべく読みやすく、わかりやすいように書くことを心がけています。これは、どのような文章を書くときでも、必須ですわね。

ただし、「明るい公務員講座」と「公共を創る」とでは、少々気配りが異なります。「明るい公務員講座」の内容は、主な読者である公務員の身近にあることなので、項目を立てて、それに沿った具体事例を書けばすみます。他方「公共を創る」は、うまく対応できていない社会の課題をどのように考え、解決するかですから、そうは行きません。次のように、三層構造で文章を考えています。

一層目は、具体事例です。私の体験、皆さんの周りにある出来事、ニュースが取り上げるような出来事です。そこには、外に表れる出来事と内面の意識とがあります。
二層目は、それらが、現在日本社会の課題群として、どのように位置づけられるかです。マスコミの解説(ニュースに取り上げられる個別の出来事でなく、それらの意味です)や、新しい課題を取り上げる新書などを想像してください。
三層目は、それら日本の課題を、どう変えていくか。これまで対応できていないのは、従来の行政の役割、公私二元論、自立した市民という考え方には、はまらないからです。個別の政策では解決できないと、私は考えています。すると、西欧で200年近く続いた、近代憲法構造(思想)を再検討しなければなりません。
こう考えると、我ながら、大それたことに挑戦していますね。

布を織る際に、小さな模様を集めて、一つの大きな模様にします。さらにそれを集めて、もっと大きな柄にします。それを想像してください。
もちろん、全体構成を作り、それを分けて第二層である章や節にしています。そしてその節の趣旨に沿った文章を書く際に、具体事例を並べています。
この項続く