カテゴリー別アーカイブ: 連載「公共を創る」

連載「公共を創る」構成再検討

例によって、連載「公共を創る 新たな行政の役割」の執筆状況、苦難の報告です。
ひとまず、7月掲載分を編集長に提出し、続き第4章1(2)の残りに着手しています。それと並行して、第4章1(3)、第4章2、3に盛り込む項目も、随時見なおしています。
執筆を開始する際に、粗々の全体の構成を考えました。目次をつくり、これまでに書きためた文章などを、ひとまずその目次に沿って並べてあります。また思いつく度に、それらをこの素材集に放り込んであります。他方で、執筆する過程で、「ここで書いた方がよいなあ」と思う項目を、素材集から引っ張り出し、前倒しで登場させてています。

当初作った目次も、書いていくうちに、話の展開や分量が想定から外れ、見直しが必要になります。ところで、これもなかなかやっかいな作業です。分量が多いのと、話が広がって、そう簡単に整理できないのです。
文章をあっちに持っていったり、こっちに持ってきたり。その作業は、パソコンで簡単にできるようになったのですが。頭の整理は、パソコンは代わってくれません。早起きしたときなど、頭のさえているときに、何度もやり直しています。よって、「全体の構成」は、当初に比べ変わっています。
原稿執筆の前に、これをきちんとしておかないと、執筆はできません。

連載「公共を創る」第82回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第82回「社会の課題の変化―雇用形態格差がもたらす貧困と不安」が、発行されました。前回に続き、格差問題を取り上げています。
現在の格差は、非正規雇用の増加によってもたらされています。それは、いったんは消滅したと思われた「階級」が、再び出現したと見えます。所得や資産の差だけではなく、学歴といった文化資本や人脈といった社会関係資本でも、大きな差が付きます。そしてそれは、ある人の一生を決定するだけでなく、子どもにも相続されます。

ところで、昭和後期は現在より貧しく経済格差もあったのに、不安が目立ちませんでした。それはなぜか。前の希望と後ろの安心があったからです。それが小さくなったことが、不安を大きくしています。

連載「公共を創る」執筆状況報告

恒例の、連載「公共を創る 新たな行政の役割」の執筆状況報告です。
続きを書き上げ、右筆たちに手を入れてもらい、編集長に提出しました。第4章1(2)「新しい不安への対応」のうち、孤立についてです。

2006年に内閣官房で再チャレンジ室長を務めて以来、孤立や生きづらい社会に、関心を持っていました。新聞記事やいくつかの関連書に目を通していたのですが。いざ、このような視点で文章にしようとすると、知見が足りません。もちろん、私はこの分野の専門家でなく、行政を語る視点として、孤立を取り上げているのですが。
ひとまず書き上げ、右筆たちに意見をもらいました。たくさん意見をもらいました。一部は、ズタズタにされました。ありがたいことです。

連載「公共を創る」第81回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第81回「社会の課題の変化―子どもと定住外国人の格差問題」が、発行されました。前回に続き、格差問題を取り上げました。今回は、子どもの貧困と定住外国人です。

非正規労働者の問題とともに、社会に衝撃を与えたのが、子どもの貧困です。子どもの貧困率は14%、7人に一人です。30人学級だと、1学級に4人もいます。子どもにとって、同級生の中で衣類や持ち物で貧しいことは、つらいでしょう。そして、教育を通じて、学歴や就職にも格差が続きます。機会均等ではないのです。
定住外国人と従来の住民との格差も心配です。日本の中に、2つの国民、2つの国ができてしまいます。その子どもたちは、学校に行かず孤立している場合も多いのです。

連載「公共を創る」第80回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第80回「社会の課題の変化―多くの社会生活問題に共通の背景」が、発行されました。

第71回から「社会の課題の変化」として、成熟社会日本に生まれた新しい不安を取り上げています。それらを、格差と孤立で整理するとわかりやすいです
今回は、格差を取り上げます。「平等な日本」と満足していた私たちを驚かせたのが、格差の拡大です。「一億総中流」と信じていたら、実態は大きく変わっていたのです。
大昔から、そして発展途上時代にも、社会には不平等や格差がありました。しかし現在の格差は、それらとは性格が違います。それは、夢をも奪うものなのです。