『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第16回「交渉(7)付き合いの基本」が発行されました。交渉の最後に、2つのことを書いておきました。一つは、役場の中に閉じこもらず、外に出て見聞を広めよう、異業種の人と付き合おうということです。席にじっと座っていて、仕事が来るのを待つ。今や、そんな公務員は時代遅れです。その方が、楽ですけれどね。
もう一つは、付き合いの基本は、信頼関係だということです。自分の主張だけを声高に言うのではなく、話を聞いてもらうためには、相手の話を聞くことが必要です。難しい交渉こそ信頼関係が必要だという例として、尊敬する先輩である岡本行夫さんの話を紹介しました。今回の内容は、次の通り。
他流試合の勧め、他人の飯を食う、純粋培養の時代は終わった、話を聞いてもらうために話を聞く、傾向と対策、付き合いの基本は人間関係、もう一つの基本。
さて、「第2節 部下の仕事と上司の仕事―仕事の管理」はこれで終わり、次回からは「第3節 褒めて育てる―職員の指導」に入ります。
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連載、明るい公務員講座・中級編
明るい公務員講座・中級編15
『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第15回「交渉(6)情報発信」が発行されました。あなたの課の仕事を、どのようにすれば住民に理解してもらえるか。「世間に知られず、ひっそりと仕事をしている」ことは、市役所では許されません。そんな課は、早晩、行政改革の対象になるでしょう(苦笑)。
駆け出しの課長の下手なことに、マスコミとの付き合いがあります。「どうせ碌なことは書かれない」と、敬遠するのです。しかし、市役所の広報誌は読まれなくても、新聞やテレビのニュースの威力は絶大です。しかも、彼らは知らせるプロで、ただで知らせてくれるのです。
今回書いた内容も、多分これまでの書籍では書かれたことはないでしょう。「キシャコン」って、知っていますか。第一線の記者さんにも、役に立つ記事だと思います。今回の内容は、次の通り。
仕事を知ってもらう、マスコミとの関係、高校生にもわかる説明を、記者懇談会、記者は探知機、勉強になった記者との付き合い、手強いけれど有力な味方。
ある人曰く、「全勝さん。この号も含めて、最近の内容は中級編でなく、上級編ではないですか」。そうですね。でも省庁の幹部や総理秘書官になると、もっと上級編が待っていますよ。
明るい公務員講座・中級編14
『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第14回「交渉(5)失敗の後始末」が発行されました。庁外との関係で「楽しくない」けれども、重要な仕事があります。その二つ目が、部下や組織の失敗の後始末です。
失敗や不祥事は起きないことが理想ですが、なくなりませんねえ。その際に、どのように後始末をするか。これは組織の幹部としては「必須科目」です。しかし、役所も民間事業所でも、これまで組織的・系統的に教えてもらっていないようです。
有名企業幹部のお詫びの記者会見を見るたびに、「下手やなあ」と思います。
私は若い時から何度も、組織を代表してお詫びの記者会見をしました。最初は下手でした。経験を積み重ねて、上手になりました(と思います)。逃げてはいけません。詳しくは、本文をお読みください。
このような記述が活字になるのは、多分初めてでしょう。評論家は、このような経験がありません。幹部は、こんなことを文章にするのは嫌がるでしょうね。でも、私が経験した中でも、後輩たちに教えたい「重要な事柄」です。そう思って、書きました。
内容は、次の通りです。
失敗が起きた、1上司への報告、2事実の確認、3関係者へのおわびと公表、4再発防止策、5関係者の処分、おわびの仕方・形が大切、おわびの仕方・中身が大切、調査と再発防止、嫌な仕事は課長の仕事、叱ってはいけない。
反響、クレーマーへの対応
連載「明るい公務員講座・中級編」の「交渉(4)苦情への対応」(2月6日発行)に、何人かの読者から、「私はもっとひどい目に遭った・・・」というようなメールをもらいました。少し改変してあります。
Aさん 11時から18時頃まで、苦情電話に付き合ったことがあります。「こちらからは電話を切るな」と指導されていたので、辛抱しました。
Bさん 以前、つい本音が出て少し反論したら相手が激高し、上司に苦情が回りました。この時は、上司に防波堤になって助けてもらいました。
「逃げてはいけない」という基本的スタンスに立ちながら、「いちいち反論しない」というのは、誰かに言ってもらわないと、あるいはやけどをしてみないと気付かない点です。
Cさん つい先日、住民からの長電話に付き合ったばかりです。あの電話の前に、この記事を読んでいたら、もう少し落ち着いて対応できたのですが。
明るい公務員講座・中級編13
『地方行政』連載「明るい公務員講座・中級編」の第13回「交渉(4)苦情への対応」が発行されました。庁外との関係で、「楽しくない」けれども、重要な仕事があります。その一つが、住民からの苦情への対応です。上司の職に行くほど、困りごとが持ち込まれます。問題ない案件なら、部下が処理してくれるからです。庁外の人との関係も、楽しいことばかりではありません。今回は、その対処方法をお教えします。もちろん、簡単に片がつくような万能薬はありません。
今回の内容は、次の通り。
職員の接遇がまずかった、住民の期待に応えていない事業、クレーマーへの対応、逃げてはいけない。