「寄稿や記事」カテゴリーアーカイブ

雑誌への寄稿や取り上げられた記事、講演録など

日経新聞夕刊コラム第23回

日経新聞夕刊コラム第21回「鷹の目と象の時間」が載りました。
「鷹の目と蟻の目」、あるいは「鳥の目と虫の目」は皆さんご存じですよね。視野の広さです。拙著『明るい公務員講座 仕事の達人編』でも、わかりやすい挿絵を描いてもらいました(第3章扉)。

長期的な視野と短期的な視野を、どのような比喩で例えるか。なかなか良い言葉が見つかりません。そこでお借りしたのが、本川達雄著『ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学』 (中公新書、1992年)です。
初めてこの本を読んだ時は、驚きました。へ~、そうなっているんだと。もっとも、人間はこの算式に、ぴったりとは当てはまらないようですが。

このコラムにも書きましたが、鼠も象もお互いに、自分以外の「時間の進み方」は知らないのでしょうね。人間だけが、このように他の生物の「時間」を計測して、比較することができます。
もっとも、私たち個人個人は、自分の「時間」でしか物事を考えられないことが多いのです。だから、今回のようなコラムが成り立つのですが。
少し違いますが、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という金言があります。先達の経験と智恵を、どのように活用するか。ここに、できる人とできない人の差が出ます。

日経新聞夕刊コラム第22回

日経新聞夕刊コラム第22回「内閣官僚」が載りました。今回は、本業の話に戻って、官僚論です。
連載を読んでいる方からは、最近の私生活編について、「カルガモが良かった」「仏像、私も好きです」という反応があったのですが。まあ、硬軟織り交ぜてと、お許しください。

政治主導、そして内閣(官邸)主導が進むと、官僚の役割が変わるとともに、その養成も変える必要があるでしょう。もはや、これまでのような、各省で完結する官僚人生、官僚の人事管理は、基本モデルになりません。
既に、課長になるまでに、ほかの省などを2か所経験させる決まりがあります。視野を広げるためにも、よその釜の飯を食べる必要があります。それとともに、内閣官房を支える官僚たちを、育てる仕組みが必要なのです。
私の経験を基に、書きました。

日経新聞夕刊コラム第21回

日経新聞夕刊コラム第21回「仏像」が載りました。前回に引き続き、私生活編です。

生家の隣には、岡本寺というお堂がありました。ご先祖様が、つくったようです。
中は暗くて、大きな本尊(子安観音)が怖かったです。今は、お堂は建て替えられ、明るくなっているので、あの当時の怖さはありません(お寺も、わが家とは関係なくなっています)。

仏様は、美術品として鑑賞するのではなく、信仰の対象なのですが。信仰の対象だからこそ、厳かなお顔になったのでしょう。
ミケランジェロと比較するのは、不謹慎ですかね。あり得ない話ですが、「東西巨匠対決」って、想像すると面白いじゃないですか。
写真集やインターネットで、世界中の絵画や彫刻を見ることができます。便利な世の中です。そして、展覧会には、世界中の美術品が来てくれます。海外旅行もその気になれば、行けます。
しかも、お堂に安置されているより、展覧会の方が間近で、かつ適切な照明の下で見ることができます。もちろん、臨場感と厳かさには欠けますが。見る前に、手を合わせなければなりませんね。

画像は、次のサイトをご覧ください。リンクを張っておきます。「山田寺仏頭」、本当は斜め下から見たお顔が、引き締まっているのですが。見つけられないので。
竜燈鬼と天燈鬼」「竜燈鬼と天燈鬼の模型」。
東大寺戒壇院四天王は、かつては飛鳥園の写真を見ることができたのですが、今は見ることができません。

飛鳥園の写真は、プロが撮ったものなので、きれいです。私が卓上に飾っているのも、飛鳥園で買ってきたものです。
奈良に行かれた時は、飛鳥園に寄って、写真や絵はがきを買ってくることをお勧めします。かさばらないので、お土産にぴったりです。お店は、東大寺の前にあります。

日経新聞夕刊コラム第20回

日経新聞夕刊コラム第20回「高円寺のカエル」が載りました。今回は、話題をガラッと変えて、ご近所ものです。

いや~、家の前をカルガモ親子が歩いているのを見た時は、びっくりしました。「ダーウィンが来た」なら楽しんでいられますが、ここは東京の住宅地です。
お向かいの生物博士ご夫婦がおられたら、直ちに保護をお願いしたのですが。運悪く、ご不在でした。お庭には、たくさんの小鳥が来ます。えさもやっておられます。後でお話しすると「うちには、猫がいるからねえ・・・」と。
コラムには書きませんでしたが、すでに電柱の上にはカラスがいて、狙っていました。雛が2羽だったということは、それだけしかふ化しなかったのか、すでに襲われたのか。

カエルは、このホームページにしばしば登場します。例えば去年の7月
これも、12年前に初めて見た時は、びっくりしました。夜の暗闇の中でうごめいているということもあって。悲しいかな、しばしば車にひかれた状態で見ます。

高円寺近辺は、昭和の初めまで、畑だったそうです。人間の都合で開発しておきながら、自然が残って欲しいとは、身勝手ですね。

毎日新聞「論点 国家公務員の不祥事」2

毎日新聞「論点 国家公務員の不祥事」の続きです。

何人もの人から、反応がありました。
・きれいに分類してあって、わかりやすかったです。
・「坂の上の雲」ははつらつとして明るいですが、「坂の下の影」はうつむき加減で暗いですね。
・現場を見ろというのは、その通りだと思います。それは公務員だけでなく、新聞記者もです。
・もっと、厳しく後輩たちを叱ってください。

官僚が信頼を取り戻すには、「政策で勝負」し、国民や政治家から評価してもらうしかありません。政策には、「政策立案」と「施策実施」があります。その政策立案です。
具体的方法の一つとして、各局長は「所管行政について、5年後、10年後の課題と展望、そしてその実現方法を論文に書く」ことを義務づけてはどうでしょうか。
少し古くなりましたが、藤井直樹・国土交通省自動車局長(当時)が、季刊『運輸政策研究』2016年10月号に寄稿した「自動車を巡る課題―コンプライアンスと技術革新」を紹介したことがあります(自動車行政の課題、藤井自動車局長)。

官僚制の構造改革については、かつて雑誌に連載したことがあります。連載「行政構造改革-日本の行政と官僚の未来」(月刊『地方財務』2007年9月号から2008年10月号)。総理秘書官になったことで、中断しました。いずれ、私の官僚生活の集大成として、まとめたいと思っています。いつになることやら・・・。