カテゴリーアーカイブ:社会の見方

G7への市民社会の働きかけ

2023年4月10日   岡本全勝

3月30日の朝日新聞オピニオン欄、三浦まり・上智大学教授の「G7へ市民社会が作るアツ」から。

・・・今年のG7サミット(主要7カ国首脳会議)はなんだか騒がしい。7年前の伊勢志摩サミットでは今回の広島サミットほどには市民社会の関与は見えなかったように思う。首脳同士が直接会って信頼醸成を行うことの意義が強調されるサミットだが、G7にしてもG20(主要20カ国・地域)にしても、昨今のグローバルガバナンスでは市民社会との対話が重視されており、市民社会としても政府に対して効果的に発言できる機会となっている。

市民社会が国際的な連携で作り出せる圧力は、外国政府が持ちうる力よりは弱いかもしれないが、それでも人権や平和、気候変動など、さまざまな分野で市民社会がアツを生み出し、政府の決定に影響力を持ってきた。これは外からの圧力というよりも、国内状況を改善したいと願う市民が海外の市民と協力しながら作り出すもので、実際には内圧あってこそ、外圧が梃子になりうる。

広島サミットが日本の市民社会にとって強く意識されるのは、LGBTQ+(性的少数者)の権利や安全、性と生殖に関する健康と権利、性暴力根絶などについて国内法が未整備の状況が続いており、日本とG6を比較することで内圧を高める戦略が一定の効果を持つからだ。とりわけ、ロシアに対して結束を高めるG7は自由、民主主義、人権を高らかに謳う。日本がその一員を占めるのであれば、国内で人権分野の法整備が進まない状況を放置できなくなる。対外アピールを狙った政策転換が打ち出されるのではとの期待が芽生える・・・

古代東北太平洋岸地帯の文化

2023年4月9日   岡本全勝

近江俊秀著『海から読み解く日本古代史 太平洋の海上交通』(2020年、朝日選書)を読みました。
石巻市の五松山洞窟から、古墳時代の墓が見つかりました。発掘調査で、北方系と関東系の人骨が一緒に再葬されていました。また、大和政権からと思われる遺物などが見つかりました。北と南の文化が共存していたのです。大和朝廷側の史書では、蝦夷を軍事力で征服したと書かれていますが、そのような簡単なものではなさそうです。

この本は、太平洋岸を関東から三陸まで、どのように交易があり、文化は交流したか。史書には多く書かれていない時代と地域を、発掘調査、神社や古墳などで、推理します。
奈良で育った私には、知らないことが多かったです。東日本大震災復興に従事したので、土地勘が身について、出てくる場所はわかりやすかったです。

国際情勢、1930年代との類似

2023年4月8日   岡本全勝

中国とロシアが、アメリカや西欧に対立する最近の国際情勢が、1930年代と似ているという説があります。3月31日の日経新聞、ギデオン・ラックマンさんの「1930〜40年代繰り返すな 当時の日独、現中ロに酷似」も、その一つでした。

・・・対立する2つの陣営が世界に出現したことで新たな冷戦が始まったとの議論が沸き起こっている。新冷戦も米ソの冷戦と明らかに似たところがある。つまり、中ロが米国を中心とする民主主義諸国を敵視する一方、今回もいずれの陣営とも同盟関係を結んでいない多くの途上国(最近は「グローバルサウス」と呼ばれている)が、どちらにもつかないで両陣営の動きをそばで見ている点はそっくりだ。

しかし、歴史を振り返れば米ソ冷戦以上に今の状況に似た時代がある。それは世界各地で緊張が高まった1930~40年代だ。当時も今と同じく、欧州とアジアの2つの権威主義国家が、英米が不当に世界を支配しているとみなし、強い不満を抱いていた。30年代にそうした不満を募らせていたのはドイツと日本だ。
朝日新聞は1941年に日本政府の公式見解を要約する形で、米国と英国が「アングロサクソンの世界観に基づく世界支配のシステム」を押しつけていると訴えた。こうした不満は現在、ロシアの国営放送や中国共産党系のメディアの環球時報が時折伝えている・・・

社内結婚は時代遅れか

2023年4月7日   岡本全勝

3月30日の日経新聞夕刊に「社内恋愛・結婚は時代遅れ?」が載っていました。
・・・結婚に至る王道ともいえる社内恋愛が曲がり角を迎えている。かつて職場の上司らが支援した時代もあった社内恋愛・職場結婚だが、セクハラにつながりかねないリスクや「公私を分けたい」という若者の意識変化で長期的な減少傾向に。そこに新型コロナウイルス禍が追い打ちをかけ、最近では新たに登場したライバル、マッチングアプリにも押されつつある・・・

理由として、「同僚の男性と結婚しても豊かな生活は保障されないと、冷めた目で見てしまう」という例が紹介されています。また、誘うとセクハラのリスクがあるとも書かれています。

図(出生動向基本調査)によると、1987年では、職場や仕事で知り合ったが3割を超え、友人・兄弟姉妹を通じてと見合い結婚がそれぞれ2割を超えていました。2021年では、職場や仕事でが2割に減り、見合い結婚も1割を下回っています。友人・兄弟姉妹を通じては依然として2割を超えています。新しいのが、ネットで知り合ったで、1割を超えさらに増えています。

「主人」から「夫」へ、「家内」から「妻」へ。配偶者の呼び方

2023年4月2日   岡本全勝

3月27日の読売新聞女性欄「「妻と呼んで」6割も実際は35%」から。

・・・自分や他人の配偶者を、あなたはどのように呼びますか――。男性は「夫」「旦那」「主人」、女性は「妻」「嫁」「奥さん」「家内」など日本語には配偶者に関する表現がいくつも存在するが、どのように呼ぶのがふさわしいのだろう。日経ウーマノミクス・プロジェクトが実施したアンケート調査から、配偶者の呼び方に関する悩みを探った。

調査は2月に実施、「配偶者の呼び方」について男女1584人から回答を得た。
自分の配偶者を誰かに説明するときの呼び方について、女性では「夫」が51.9%と最も多く、「旦那」(18.2%)「主人」(9.5%)を大きく離した。男性では「妻」が35.6%と最も多い。
文化庁が1999年に行った国語に関する世論調査では、自分の配偶者について既婚男性の51.1%が「家内」と呼んでいた。また既婚女性では74.6%が「主人」と呼んでいたことも踏まえれば、使われる呼称は大きく変化していると考えられる。
ただ、他人の前で配偶者に何と呼ばれたいかとの問いに、57.7%の女性が「妻」と答えており、実際の呼ばれ方との差もみられる。男性は31.1%が「夫」、27.6%は「主人」と答えている。

家内、奥さん、嫁、主人、旦那・・いずれも過去の偏った役割分担からきた呼び名ですよね。妻、夫もよいのですが、他によい呼び方はないでしょうか。「連れ合い」と呼ぶ人もいますが。