28日の日経新聞夕刊によると、東京株式市場の平均株価は、前年末に比べ11.1%下がったそうです。世界各国を見ると、主要20か国市場で下がっているのは他に、イタリア8.7%、スイス4.5%だけです。中国96%、インド45%の上昇(それぞれ1年間に2倍、1,5倍です)は特別としても、韓国33%、ドイツ20%、アメリカ7%、イギリス3%の上昇です。なぜこんなに、日本の力が弱いのでしょうか。
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経済
日本は原料輸出国
先日、記者さんとしゃべっていて、次のような議論になりました。
日本は金余りである。それを、日本国内で使えず、国債に吸い上げた以外は、ロンドンまで持っていって、運用してもらっている。円を「原料」と考えれば、日本で円を加工できず、原料のまま輸出している。
それがロンドンで加工され、アジアなどに回っている。一部は日本に環流している。そして、加工賃は、ロンドンが受け取っている。
円がどのくらい「輸出」されているか不明だが、すごい金額であろう。よって、日本の原料輸出のナンバーワンは、円である。
日本は原料を輸入し、加工して輸出することで稼いでいるといわれている。それは、大間違い。確かにモノにあっては、加工型である。それは工業の話。金融業については、加工能力がなく、原料のまま輸出している、後進国だ。
先進国から滑り落ちた日本
人生前半投資
18日の日経新聞経済教室は、守島基博教授の「格差是正に向けた経済政策、人的資本形成重視を」でした。
経済成長と公平を実現するために、人的資本形成を重要視しておられます。それは、個人の持っている知識や技術だけでなく、意欲、コミュニケーション能力、忍耐力をも含めたものです。そのために、人生の早い時期から形成すべきであることを主張しておられます。就学前から能力開発をしようというのです。問題発生後に「給付」するより、人生前半期に投資しようということです。
経済成長
4日の日経新聞経済教室に、牛尾治朗さんが、「人口減少下のサービス産業、生産性向上に国民運動を」を書いておられます。日本で広義のサービス産業のGDPの割合は7割を超えていること。その生産性向上は、製造業以上に効果があることを述べておられます。
学校で、1次産業・2次産業・3次産業の区分を習いました。しかし、経済の分析には、この区分は役に立ちません。2005年の統計では、第1次産業(農林水産業)は1.4%しかありません。第2次産業(鉱業、製造業、建設業)は26.4%、第3次産業(その他)が72.2%になっています(「平成17年度国民経済計算のポイント」p4、詳しくは「経済活動別国内総生産」の構成比)。
ここからわかるのは、日本がそして地域が豊かになるためには、農業だけでは限界があるということ、製造業も大切だけれども、サービス業の方がもっと重要だということです。