日経新聞「やさしい経済学」(経済教室の下の欄)に、中林真幸東大准教授が、「日本の長い近代化と市場経済」を連載しておられます。
明治以降の日本の発展の基礎に、江戸時代の識字率などがあったということは、定説になっています。制度は、文化資本がないところでは、育ちにくく、また「輸入」も困難なのです。
先生は、人がモノを交換すると、満足が増える。しかし、初めて見るモノの品質を、交換前に知ることは容易ではない。どうして、交換による損失を少なくするか。
一つは、長期の取引関係をつくることである。しかし、これでは、見知らぬ相手とは取引できない。自由な経済市場をつくるには、強い第三者に執行を担保してもらう。すなわち、国家をつくるしかない。
として、織田信長から明治時代の、市場経済を成り立たせた要因を分析しておられます。興味深いです。