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経済

空飛ぶ車は東京の空を飛ぶか

空飛ぶ車の開発に、企業がしのぎを削っています。ニュースでも、しばしば取り上げられます。
私は、空飛ぶ車が空を飛ぶことについて、懐疑的です。技術的には、いずれ課題は解決され、実用化されるでしょう。しかし、それが日本の空、東京の空を飛ぶこととは別です。

何が障害になるか。
・少人数で空を移動する手段なら、ヘリコプターがあります。空飛ぶ車と、何が違うか。空飛ぶ車が簡単に操縦できるなら、ヘリコプターもそうなるでしょう。あるいは、ドローン型のヘリコプターができるでしょう。
・ヘリコプターをご存じの方は、あの騒音を知っておられるでしょう。回転翼ドローンも大型になると、うるさいです。私の家の上を飛ぶのはやめて欲しいです。
・自動車が道路を走っても、交通事故が起きます。空の上でどのように衝突を防ぐのか。飛行機の場合は、航空路線が決まっていて、あるいは届け出て許可を得ます。それを考えると、空飛ぶ車も自由勝手に飛ぶことはできないでしょう。衝突回避は技術的にできるでしょうが、通る空路を限定しないと、危ないし、うるさいです。
・自動車も、たまに故障して立ち止まります。空で故障すると、墜落するのでしょう。その安全をどう確保するか。これも、私の家の上空を通ることを拒否する理由です。
・空を飛ぶことに特化しているヘリコプターと、道路を走り空も飛ぶ車と比較すれば、ヘリコプターと自動車を別々に利用する方が、燃料効率は良いでしょう。

どこか広大な砂漠の上を飛ぶ分には、自由に飛んでもらって問題はないでしょう。しかし、町の上、東京の空を飛ぶには、航空道路法規とも言うべき、利用に際する問題解決の決まりを明確にしないとなりません。技術開発とともに、使う決まりを解決しなければなりません。

アルファベットの会社名、回答

アルファベットの会社名」の回答です。

AGC これが正式名称のようです。かつての旭硝子株式会社。これを取り上げたのは、広告でよく見かけるのですが、覚えられなくて。
DIC これも、これが正式会社名のようです。かつての大日本インキ化学工業株式会社。これも広告でよく見るのですが、会社名を覚えられません。

JA 農業協同組合の愛称
JT 日本たばこ産業株式会社の略称
JF 漁業協同組合の略称

JR これは、会社名ではありません。旧国鉄の分割民営化により発足した、北海道旅客鉄道、東日本旅客鉄道、東海旅客鉄道、西日本旅客鉄道、四国旅客鉄道、九州旅客鉄道、日本貨物鉄道の総称です。これを簡単に説明できたら、すばらしい。

アルファベットの会社名

アルファベット単語」の続きです。アルファベット単語は、どの程度答えられましたか。
アルファベットは、会社の名前にも増えました。それも、名称と言うより、略称のような名前です。それぞれ知恵を絞って考えられたのでしょうが、一般の人にどこまで覚えてもらっているでしょうか。次の会社名を答えてください。

AGC
DIC

JA
JT
JF

JR(これは、意外と難問です。説明してみて下さい)
回答は次回に

外国人労働者の就労手続き代行会社

8月26日の日経新聞「挑戦者たち」は、ジョバティカルCEOのカロリ・ヒンドリクスさん「旅と働くは両立できる 国境越えて自由に」でした。
ジョバティカルは、外国人が企業で働く際の橋渡しをします。求人サイトではなく、移民局などへの手続きを代行するのです。ベルリンでの例では、労働許可を得るのに90日かかったのが、3~5日でできるそうです。初めての人にはわからないことばかりでしょうからね。
ヒンドリクスさんは、エストニア出身、1983年生まれで37歳です。20代後半はアメリカのシリコンバレーで、起業を学んでいました。

・・・そこはグーグル、アップル、ネットフリックスといった名だたるIT企業が本社を置く、世界のスタートアップの聖地。ある朝のこと、海辺をランニングしながら「こんなにも成長企業が集積しているのはなぜだろうか」と考えた。たどり着いたシンプルな答えがそのままジョバティカルの構想になる。「世界中から人材が集まっているからだ。企業と人材の国境を越えた結びつきが、きっと新しい時代を動かしていく」
外国を旅しながらIT職などで働きたい「デジタルノマド」と、国籍を問わず優秀な人材を獲得したい企業をつなぐ求人サイト「ジョバティカル」はブームを巻き起こした。米国、インド、ブラジル、ロシアなど世界の好奇心旺盛な若者らがエストニア、シンガポール、マレーシアなどに渡っていった。

ところが、ヒンドリクスはある疑問を抱えるようになる。「求人サイトよりも、雇用手続きの支援に集中すべきではないか」。企業が採用を決めても手続きが滞るケースが相次いでいたからだ。大使館や移民局に書類を提出し、国籍によっては審査で延々と待たされる。「働きたい人がいて、雇いたい企業があるのに」。ソ連崩壊前後のあの行列が脳裏をかすめた。
そして19年、求人サイトを畳み、雇用支援サービスに大きくかじを切った。エストニアはもちろん、独ベルリン移民局とも提携。ジョバティカルのシステムにパスポート情報などを登録するとシステム接続する移民局に電子申請され、わずか3~5日で労働許可が下りる。スペイン当局とも提携関係にあり、英、仏、フィンランドとも交渉中だ。将来的には日本を含むアジアにも広げる・・・

フランス、使命を果たす会社制度

8月9日の日経新聞、ファベール・仏ダノン会長兼CEOへのインタビュー「人・自然重視の資本主義に」から。
・・・フランスは2019年に新法を制定し、利益以外の目標を達成する責任を負う「使命を果たす会社」を新たな会社形態に取り入れた。上場企業で第1号となったのが仏食品大手ダノンだ。エマニュエル・ファベール会長兼最高経営責任者(CEO)に、目指す会社像やウィズコロナの時代の経営について聞いた・・・

―6月の株主総会で定款変更が認められ、「使命を果たす会社」になりました。どういった点が変わるのでしょうか。
「定款にESG(環境・社会・企業統治)に関する新たな4つの目標を盛り込んだ。①製品を介した健康の改善②地球資源の保護③将来を社員と形成すること④包摂的な成長
―だ。取締役のメンバーはこれらの目標に対して責任を負う。」
「外部の有識者や従業員の代表からなる10人の独立した『ミッション委員会』が取締役会を監督し、目標を達成できていなければ改善を迫る。株主とそれ以外の利害関係者に対する価値創造のバランスをどう取るか指針を示す役割を担う」

―長年、環境や社会面に配慮した経営をしています。なぜですか。
「ビジネスは現金で始まり、現金で終わる今の経済モデルは間違えている。近代経済は金融資本で語る癖があるが、人的資本や自然資本も経済活動に活用している。それらを資本と捉え、お返ししないといけないという概念が乏しい」
「実際、現金がなく事業が赤字でも、卓越したアイデアがあれば会社は資金を集められる。企業が破綻するのも資金が尽きるからではない。リーダーが生態系への自信をなくすからだ。ビジネスは人で始まり、人で終わる」

フランスでは、このような試みが始まっているのですね。大賛成です。フランスは近年、非営利団体についても力を入れ、非営利活動を包括する「社会的連帯経済に関する2014年7月31日法」をつくりました。連載「公共を創る」第28回注3で紹介しました。参考「廣田裕之の社会的連帯経済ウォッチ
また、こうなると、企業とNPOとの違いは、小さくなります。経済学の教科書は、どのようにこのような要素を取り入れるのでしょうか。