13日の日経新聞「エコノ探偵団」は、「日本の労働生産性なぜ低い?非製造業の効率化が課題」として、日本の労働生産性、特に非製造業での低さの原因を、わかりやすく解説していました
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2006年度の結果
昨日、トヨタ自動車の2007年3月期決算が、発表されました。各紙の一面を飾ったので、ご覧になった方も多いでしょう。営業利益2兆円、世界一の自動車メーカーです。喜ばしいことです。売上高24兆円は、ロシアの国家予算と同額、日本の国家予算の30%にもなります。朝日新聞の図表が、わかりやすかったです。
さて、日本の国家財政は、まだ2007年度決算が出ていません。これは会計年度は3月までですが、5月まで出納整理期間があるので、数字が確定しないのです(遅れて納められる税金があるので、それを待ちます)。
もっとも、ここにも問題はあります。収納整理期間は、納めるべき税金は決まっているけど、納付が遅れているためのものです。だから、3月末には、取るべき税収の数字は、あらかた確定します(入るかどうかは不確定ですが、これまでの傾向値が参考になります)。ところが、国税はそうではないのです。1980年度に、税収不足を埋めるために、13か月分を税収としたのです。それ以来、法人税は、翌年5月以降に総額の約半額が入ることになりました(うーん。ということは、国税の出納整理期間は、6月までなのかな?すみません、勉強不足で)。
多分その当時は、「緊急避難」として知恵を出したのでしょうが、その後元に戻すことなく、この特例は続けられています(若い研究者や記者さんは知らないでしょうね。もう少し詳しくは、「新地方自治入門」p122。より詳しい資料を探しているのですが、財務省資料では見あたりません)。
国の特別会計
国の財政を議論するときに、多くの場合、一般会計が取り上げられ、特別会計を入れた全体像はよく分かりません。決算数値だと、GDP統計には合計で出てきますが、内訳の詳細が分かりません。国の財政の解説書や教科書も、一般会計のことばかり書いてあります。特別会計が書いてあっても、それは個別の会計の解説です。全体像を書いた本が、見あたらないのです。
わかりやすい資料を、教えてもらいました。財務省の資料「平成19年度予算政府案」の「特別会計の見直しについて」です(ちなみに、この予算政府案の資料も、主に一般会計について解説してあって、特別会計との合計・全体像は説明がありません)。
そのp5に、特別会計総額と純計額が載っています。それによると、19年度の特別会計総額は362兆円です。これは、一般会計総額80兆円の4倍以上もの額になります。ところが会計間のやりとりがあって、それを差し引いた純計額では、175兆円です。それでも、一般会計の2倍もあります。
もっとも、そこには、国債の返還80兆円、交付税の配分15兆円、財政融資資金への繰り入れ19兆円があり、これらは「仕事をしている」のではありません。すると、仕事をしているのは、残る63兆円です。このうち、社会保険給付が51兆円、その他が12兆円です。その詳細は、p6に載っています。
残念ながら、この資料では、財源が分からないのと、性質別支出区分が分かりません。だから、例えば人件費総額や公共事業総額は出てこないのです。また、税収も特別会計に入る分があって、別の資料を見ないと税収総額も出てきません。
改革指向型論文
年金、医療、介護、社会福祉、公的扶助について、現状・課題・改革への青写真が論じられています。日本の社会科学は、過去の分析と仕組みの解説に偏していますが、このように社会保障など経済財政政策分野は、改革指向型の論文が増えてきています。
日本の労働生産性
11日の日経新聞は、日本の労働生産性が、アメリカの7割であることを伝えていました。この数字は、OECD平均より劣ります。サービス分野が低く、産業別では、飲食・宿泊が4割、卸・小売りが5割以下です。