カテゴリー別アーカイブ: 経済

経済

派遣自由化

14日の朝日新聞「変転経済」は、労働者派遣法でした。規制緩和の歴史が、簡単な年表になっています。1986年に派遣法ができて、99年に原則自由化になりました。記事は、99年改正を取り上げています。長期不況と規制緩和の流れを要因としています。
私は、派遣やパートの不安定さもさることながら、正社員との格差の大きさが問題だと考えています。

外国為替特会

9日の日経新聞「YEN漂流」は、外国為替資金特別会計を取り上げていました。この会計は、円高時に、ドル買い円売りで介入します。財源は政府短期証券とのことです(1年未満の国債。地方団体だと一時借入金のようなものといったらいいでしょうか)。ドルを買うので、結果としてドル(外貨)が残ります。それがたまって、9千億ドル(約100兆円)になっています。
これだけなら、借金で財産を築いたので、純資産はありません。円ドル相場が変化してドル高になると、持っているドルの価値(円での評価)が上がり、プラスになります。例えば100円借金して1ドル買ったとします。その後、ドルが値上がりして1ドル=120円になると、借金は100円なのに、持っているドルは120円になっているのです。
また、アメリカ国債で運用しているので、金利が収入になります。日本の短期金利(調達金利)と、アメリカ国債の金利(運用利息)との差が、収入になるということです。
ということは、この金利差が縮まると利益は減ります。また、円高になると、持っているドルの価値は減ります。持っているドル=アメリカ国債を徐々に売るのが一つの選択肢ですが、難しい問題もあるようです。
私も詳しくはないのですが、多くの人は、この特会を知らないのではないでしょうか。

戦後日本の再分配政策

9日の朝日新聞「この人、この話題」は、広井良典教授の「現代の格差、社会保障による再分配強めよ」でした。
・・戦後の日本をふり返ると、再分配政策、言い換えると富の分配の平等のための政策は、おおむね次のような4つの段階をたどってきたといえる。第1ステップは、終戦直後の「強力な機会の平等」政策で、農地改革による土地の再分配と中等教育の義務化などである。第2ステップはおおむね1950~60年代前半までの高度成長期で、この時期は「生産部門を通じた再分配」という点が特徴的だ。農業補助金、地方交付税、中小企業助成などの産業政策であり、成長の果実を産業部門間で配分し、比較的平等にその恩恵がいきわたるよう調整された。
こうした対応の効果に陰りが差してくるのが第3ステップ(1970年代~90年代頃)であり、この時期の特徴は、公共事業型社会保障と高齢者関係の社会保障整備である。そして、現在に続く第4ステップは2001年以降の小泉改革以降の流れであり、戦後日本を特徴づけた「生産部門を通じた再分配」が壊される一方で、それに代替するはずの社会保障制度もまた縮減されていった過程である・・
このほか、経済発展段階における格差を、①土地所有をめぐる格差、②都市ー農村の格差、③退職者をめぐる格差、④現役世代内(都市居住者)内部の格差と分類し、①は農地改革で、②は生産部門を通じた再分配で、③は社会保障(年金)によって対応され、いま④に直面していると述べておられます。
すごくわかりやすいです。いくつか異論はありますが。引用は抜粋してあるので、原文をお読みください。

日本の財政状況

9日の朝日新聞「07参院選」は、「財政火の車、再建策は」を特集していました。日本の財政の悪化状況、その原因、それをどうするか、簡潔に解説してあってわかりやすいです。

コンビニ33年

7日の朝日新聞変転経済は、コンビニでした。「33年前に日本に誕生したコンビニエンスストアは、その後、著しい進化を遂げた。国民生活に欠かせない社会基盤になり、コンビニおにぎりはおふくろの味に取って代わった。晩婚化や女性の社会進出を支える役割も果たし、ますますコンビニ需要を膨張させた・・」
現在は全国に4万店。月間来店客は10億人、ということは1年で120億人。国民1人が、1年に100回行っている計算ですね。セブンイレブンが1年間に売るおにぎりは、12億5千万個。国民一人当たり10個です。
24時間営業が普通。日用雑貨だけでなく、弁当、おにぎり、おでんまで。単身者の食堂であり、冷蔵庫です。宅配便の受付、催し物のチケット販売、銀行のATM。コピー機も便利ですね。小売りでなく、便利さを売っているんですね。名前の通りです。
晩婚化と一人世帯の増加、さらには女性の社会進出を、コンビニやパソコンが支えたと言われています。