カテゴリー別アーカイブ: 歴史

キーウ大公ウォロディーミル1世

日経新聞連載、佐藤賢一さんの「王の綽名」、5月14日は「聖大公キーウ大公」でした。
スラブの王様は、なじみが薄いです。今回の王様、キーウ大公ウォロディーミル1世(在位978~1015年)は、ノルマン人が作った国を、今のウクライナやロシアを含む大国に広げた王様です。

詳しくは原文を読んでいただくとして。ウクライナ大統領ゼレンスキーさんの名前はウォロディーミル、ロシア大統領のプーチンさんの名前もウラジミールで、この王様から来ているのだそうです。

戦後はいつ終わるか

5月18日の肝冷斎「むかしむかしのこと」は、中国の明の時代の話ですが、末尾に次のような文章があります。
・・・中公新書の「中曽根康弘」を読んでいるんですが、中曽根さんが総理になったのは昭和57年(1982)だったそうです。それからもう四十年経ちました。中曽根さんが「戦後政治の総決算」と言ってた「戦後」がその時までで37年間だったので、それよりも今までの方が長くなってしまったのだ・・・

指摘されて、驚きました。確かにそうですね。
私は、若いときは戦後を区切るとしたら、1970年の大阪万博(日本が経済成長をして先進国の仲間入りをした時点)であり、1973年の石油危機(高度成長が終わった時点)だと考えていました。最近は、1991年のバブル崩壊が区切りだと考えています。「経済成長の軌跡
戦後は既に77年です。沖縄が返還されて50年になりましたが、アメリカ占領下が27年ですから、その2倍近くの時間が経ちました。

戦後77年の転換点を1991年だとすると、1945年からは46年間、2022年までは31年間です。時間的に中間点とはいえませんが、それに近いのです。
さて問題は、いつになったら「戦後は終わった」と言えるかです。それを連載「公共を創る」で考えています。

合羽王ユーグ・カペー

日経新聞連載、佐藤賢一さんの「王の綽名」、4月30日は「合羽王 フランス王ユーグ」でした。「青歯王 デンマーク王ハーラル1世

ユーグ・カペーは、フランス史で習います。カペーは、カッパのことだったのですね。日本語のカッパは、ポルトガル語から来ていますが、元は同じです。家名はロベールなので、本名はユーグ・ロベールなのです。

本人はぱっとしない王様だったようですが、子孫はカペー朝、ヴァロア朝、ブルボン朝と、800年も続いたのです。
フランス革命でルイ16世が廃位されたあとは、ルイ・カペーと呼ばれたのだそうです。へえ・・。

青歯王 デンマーク王ハーラル1世

日曜日の日経新聞に佐藤賢一さんが「王の綽名」を連載しておられます。ヨーロッパの王様のあだなの由来を説明しています。変な(?)あだ名もあって、興味深いです。

4月16日は「青歯王 デンマーク王ハーラル1世」でした。
詳しくは原文をお読みいただくとして。英語では、ブルートゥースになります。そうです、パソコンなどで使う無線通信の規格です。
この王様が、デンマーク王でありつつ、ノルウェー王の地位を手に入れるのです。海に隔てられた二つの国を治める。そこから名づけられたそうです。なるほど。

伊藤俊一著「荘園」

伊藤俊一著『荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで』(2021年、中公新書)が、勉強になりました。

荘園は、学校で習いました。律令制の公地公民が、荘園によって浸食され、公家や寺社の経済・権力基盤になったこと。武士がそれを奪ったことなど。
本書では、そのような歴史的変化とともに、なぜ支配者が変わったか、現場ではどのような実態になっていたかを説明します。
京都や地方での権力争いだけを見ていては分からないこと、中央政界と地方の経済とが連動していることが分かります。面白いです。
これまで主流だった(中央)政治史は、つまらないです。この本は、中央政治との関係も抑えつつ、地域経済、暮らしなどの歴史と変化を説明してくれます。お勧めです。