カテゴリー別アーカイブ: 報道機関

ホワイトハウスの記者会見に出席しない

3月7日の日経新聞オピニオン欄「トランプ氏VSメディア」、ジョン・ミクルスウェイト、米ブルームバーグニュース編集長の発言から。
・・・過去の大統領も一部のメディアを嫌い、不安定な関係にあった。トランプ氏だけが特別ではない・・・ただ、これまでにない異例なことが起きた。ホワイトハウスで開催された記者懇談で一部の記者が排除されたのだ。ブルームバーグの記者はそうした状況を知らずに参加したが、今後こうしたことがあれば、出席しないと決断した。公共の利益に反すると思うからだ・・・
「あえて参加し、情報を得たり、その場で意見を述べたりする道もあるのでは」という問いに。
・・・白か黒かすっきり割り切れる問題ではなく、逆の考え方もあり得る。ブルームバーグの顧客にも「内部で何が起きているか知りたい」という人がいるかもしれない。しかし、情報の流れをオープンに保つことが公共の利益にかなうと思う。何ら抗議せずに参加すれば、さらに悪いことが起きる・・・
原文をお読みください。

戦争、マスメディアの責任

12月23日の朝日新聞オピニオン欄「社説余滴」は、加戸靖史・論説委員の「『逃げるな消さう』重い過去」でした。第二次世界大戦中の本土空襲についてです。
・・・国は戦後、「国民は戦争被害を受忍しなければならない」という「受忍論」をたてに、空襲被害の補償を拒んできた。「命を投げ出して国を守れ」という国策が多くの人を死なせたのに。大前さんの詳細な検証からは、受忍論の理不尽さが浮かび上がる。
国民を死に追いやりながら、責任を取ろうとしない国は明らかにおかしいと思う。
では、国が言うがまま「死ぬまで頑張れ」と書き続けたメディアはどうだったか。
私は今まで、自分が属する社が何を書いてきたか、聞いたことも、考えたこともなかった。そのこと自体、いたたまれない思いにかられる・・・

つい昨日のことの検証

昨日に続き、新聞記事から。
12月5日の朝日新聞経済欄「証言そのとき」は、佐渡賢一・元検事の「不正に挑んだ45年」でした。リクルート事件を捜査立件した経験が、書かれています。リクルート事件は、バブル期に起きた、未公開株を譲渡することで、巨額の金を贈賄した事件です。それが明らかになり、政治家や官僚、大企業のトップが起訴された事件です。これまでにない経済犯罪に、どのように切り込んだか。生々しい証言です。
12月4日の日経新聞「日曜に考える。検証」は、「ダイエー60年、消える看板」でした。日本一の小売業だったダイエー、一時はデパートを追い抜いたスーパーマーケットの雄でした。それがなぜ破綻し、看板も消えたのか。その検証記事です。
高度成長期は、はるか昔になりましたが、バブル期も、四半世紀以上前のことになりました。私たちの年代にとっては、「つい昨日のこと」ですが、若者は知りません。学校でも本でも勉強していないことが、多いでしょう。私たちも、同時代のこととしてニュースで見ましたが、体系立てて全体像は知りません。このような検証記事は、勉強になります。新聞の大きな役割です。

社会の問題を発掘する調査報道

今朝12月5日の新聞朝刊1面は、良い記事が並んでいました。朝日新聞は、「認可外保育、監督に差」です。
・・・年1回の実施が定められている認可外保育施設への各自治体の立ち入り調査について、厚生労働省の資料などをもとに朝日新聞が2014年度の実施率をまとめたところ、東京都が13%で最も低かった。神奈川、愛知、兵庫の3県も50%未満だったが、施設数が3県より多い埼玉県は95%で、実施率にばらつきがある実態が浮かんだ・・・
保育施設での死亡事故の約7割が、認可外施設で起きています。国の基準を満たす認可保育所と異なり、届け出だけで開設できるため、立ち入り調査がほぼ唯一の「行政のチェック」になっている、とのことです。

読売新聞1面トップは、「介護殺人や心中179件。2013年以降高齢者夫婦間が4割」でした。
・・・ 高齢者介護を巡る家族間の殺人や心中などの事件が2013年以降、全国で少なくとも179件発生し、189人が死亡していたことが読売新聞の調査で明らかになった。ほぼ1週間に1件のペースで発生しており、70歳以上の夫婦間で事件が起きたケースが4割を占めた・・・
老老介護、特に男性が主な介護者になっている場合、加害者が男性のケースが目立つようです。

それぞれ、原文をお読みください。記者が、自らの調査で書いた記事です。官庁や企業側からの広報やリークと違い、このような記事を「調査報道」と呼びます。今日紹介した2つの記事は、記者が現場で足で稼いだ記事ではありませんが、官庁の資料を基に、あるいはそれを端緒にして、新聞社が調べて記事にしたものです。そして社会の大きな問題を、浮き彫りにしました。1面トップに来るだけの価値はあります。
これからのマスコミの役割はここにあると、私は考えています。新しい事実の報道なら、電波媒体やインターネットの方が早いのです。

さて、このように社会の問題を提起された場合、政治と行政はどのように対応するか。ボールは役所の側に投げられました。

新聞への信頼の低下、アメリカ大統領選挙

11月15日の朝日新聞国際欄「旧来メディア 問われる役割」の続きです。今回は新聞についてです。
・・・全米の新聞は、圧倒的に「反トランプ」だった。だが既存政治に不満を抱える有権者には響かなかった。
米国では新聞社が社説で候補を推薦する伝統がある。カリフォルニア大学サンタバーバラ校のまとめによると、全米で部数が最も多い100紙のうち、57がクリントン氏を推したのに対し、トランプ氏は2紙だけ。リバタリアン党のジョンソン氏を推薦した4紙よりも少なかった・・・
・・・経営不振が続く米メディアの構造的な問題もある。
メディア研究などを手がける、ハーバード大学のショレスタイン・センターのニッコ・ミリ所長は10日にウエッブサイトで、米メディアの記者のうち5人に1人がニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルスの3都市に勤務していると指摘した。対照的に、50州中21州では連邦議会を専門に担当している記者を置く新聞が1紙もないという。
記者が暮らしの現場から離れる一方、数多くの州では政府で何が行われているのか、市民が知る方法がなくなっているとの分析だ。
大手メディアの本社は大都市部に集中する。トランプ支持者の「エリート」「エスタブリッシュメント(既得権層)」批判は、メディアにも重ねられた。
ギャラップ社の今年の調査によると、「メディアを信用する」と答えた人は過去最低の水準で、特に共和党支持者では14%に急落した・・・
原文をお読みください。