カテゴリーアーカイブ:生き様

会読の持つ社会的、政治的意義

2018年5月1日   岡本全勝

江戸時代の授業方法」の続きです。
会読が、政治問題討論の場と、変わっていくのです。「図録」p17。

会読では参加者の身分にとらわれず、平等な関係に立ちます。従来、政治には関与できなかった低い身分の者でも、発言が可能になるのです。そして、主義主張が共通する者たちは、(政治)集団を形成します。学校を経由して藩の要職に就くと、派閥を形成します。
公家の学校だった学習院で学んだ公家たちも、政治化し、幕末の政局に関与します。さらには、尊攘過激派も出入りします。

会読が、参加者が自発的に集会をするという結社の性格を持ち、幕末の言論の場を作り、同士を育てたのです。それは、藩を超え、広いつながりを作ります。
幕末維新の言論空間、人材登用の素地をつくったのです。政治が、制度や為政者によってのみつくられるのではないことが、わかります。

江戸時代の授業方法

2018年4月30日   岡本全勝

国立公文書館の展示「江戸幕府最後の闘い」を見て、いろいろと勉強になったのですが、その一つに、江戸時代の授業方法があります。
江戸後期には、幕府の昌平坂学問所のほか、各藩の藩校や私塾がたくさんできます。そこでは、素読、講釈、会読の3つの方法で、教えたのだそうです。「図録」p12。
素読は、ご存じの通り、意味内容を教えず、ただ声を上げて丸暗記します。「しのたまわく・・・」でしょう。これは、7歳~15歳くらいの初学者が対象です。
次に、講釈に進みます。先生が生徒たちの前で、書物の中の1章、1節について内容を説明する一斉授業です。これは、日本の小中学校の古典的授業風景ですね。

興味深いのは、会読です。素読を終了した程度の学力を持つ者たちが集まって、ある書物について問題点を出したり、意見を出したりして集団研究をする、共同学習です。
会読には、テキストを読む会読と、講ずる輪講があります。輪講は、10人前後の生徒が1グループになり、一人が指定されていたテキストのか所を読み、講義します。そのあと、他の生徒から読み方や質問などが出され、講師はそれに答え、討論を行うのだそうです。今で言う、ゼミに当たりますね。
しかも、身分社会の江戸時代に、輪講では参加者の身分にとらわれず、平等な関係に立ちます。また、参加者が自発的に集会をするという、結社の性格を持っていました。自主ゼミです。この項続く。

国立公文書館、春の特別展

2018年4月29日   岡本全勝

大型連休が始まりました。東京は良い天気です。行き先を決めておられない方に、一つ良い場所をお教えします。

先日、国立公文書館の特別展「江戸幕府、最後の闘い ―幕末の「文武」改革―」を見てきました。見応えがあります。へえ、こんな文書が残っているのだと。幕府役人の人事カードとも言える書類なども。江戸城多聞櫓に残っていたのです。
幕末の知識があれば、より興味深く見ることができます。また、図録を見ると、よくわかります。5月6日まで、無料です。

公文書館からは、江戸城(皇居)の壮大な石垣を見ることができます。そのあと、皇居東御苑を散策するのも良いですよ。江戸城多聞櫓の一つが残っていて、公開されています。三の丸尚蔵館では、それに続く時代の展覧会をやっています。こちらも無料です。

春の雨

2018年4月25日   岡本全勝

今日の東北、関東地方は、春の雨でした。昼、福島から東京に向かう新幹線の窓からは、雨に煙った田んぼと里山が見えました。
ほとんどの田には水が張られ、きれいな景色です。水蒸気に満ちた景色は、東南アジア、モンスーン地帯特有のものですが、水田との取り合わせが、よくわかります。こんなに雨が降らなかったら、牧草地になったり、もっと乾燥した景色になるのでしょう。
雨模様は、外出する際には困ったものですが、このような風情も、良いものですね。

横山大観展

2018年4月22日   岡本全勝

国立近代美術館で開催されている「横山大観展」がよかったです。明治元年の誕生なので、生誕150年だそうです。
大観と言えば富士。その富士は、いろんな富士が見ることができます。「生々流転」も、40メートルを全て見ることができます。解説が添えてあって、それを読みながら見ると、よくわかります。というか、猿は見落とします。春夏秋冬も、気がつきません。

先日、展覧会によく行く先輩たちと話していたら、高齢化によって、休日より平日が混み、さらに開館直後が混むのだそうです。今日は、開館直後の10時過ぎに行きました。並ばずに入館できましたが、第1室は混んでいました。係の人に聞いたら、開館前に100人並んでおられたとのこと。
また、いつも不思議に思うのですが、第1室は混んでいるのに、出口近くになると、すいているのですよね。
途中で展示替えがあるので、もう一度行かなければなりません。
私は、大観の「雨霽る」の複製画を仕事場に飾っていたのですが、大震災の仕事に就いたときに、雰囲気に合わないので外しました。もうそろそろ、飾っても良いのですが。

国立近代美術館の隣、国立公文書館では、「江戸幕府、最後の戦い」が展示されています。無料です。こちらもどうぞ。
泉屋博古館の「木島櫻谷展」後半も良いですよ。