カテゴリー別アーカイブ: 生き方

生き様-生き方

1日1食

3月4日の日経新聞The style欄、星野リゾートの星野佳路社長の生き方です。
そこに、1日1食と書かれています。コレステロールや血圧に注意し、40歳を過ぎて兆候が現れたので、朝食をやめたそうです。そこで数値は戻ったのですが。50歳を過ぎてから、コレステロール値が上がり始めたので、昼食の時間を遅くして夕食の量を減らしました。結局、夕食と一緒になって、1日1食になったそうです。
1日1食主義で思考がクリアに」という記事もあります。

私は、星野さんより5歳年上のようです。私も60歳を越えてから、食事量を減らしても、太るようになりました。基礎代謝量が減ったのでしょう。
なるべく車を使わないようにしています。最近は、キョーコさんの協力を得て、家での食事は軽くして、昼は健康弁当を持って行っています(これは結婚以来ずっと)。福島勤務の日は、ホテルの朝食は米とパンを食べない、スクランブルエッグとクロワッサンは好きだけど食べない。昼はヨーグルトだけとか。涙ぐましい努力をしているのですが。星野さんに比べれば、まだまだですね。
しかも、私は米の粒は食べないのですが、米の「絞り汁」を毎晩飲んでいるのです。福島産のお酒です。米の粒より、絞り汁の方がカロリーが高いようです。

茶の湯 藪内家

NHK趣味どきっ、3月は、「茶の湯 藪内家」です。本屋でテキストを見つけて、買ってきました。
富山県庁勤務の時に、県庁茶道部に入って、お茶を教えてもらいました。それが、藪内です。西本願寺に連れて行ってもらって、お茶をいただくことも経験しました。その後、機会がなく、袱紗もしまったままです。お茶の点て方どころか、飲み方まで、作法をすっかり忘れてしまいました。

もっとも、お詫びの記者会見の際に、役に立ちました。日経新聞夕刊コラム「あすへの話題」2月1日「お詫びの訓練」にも書きました。

山極寿一・鎌田浩毅 著『ゴリラと学ぶ』

山極寿一・鎌田浩毅 著『ゴリラと学ぶー家族の起源と人類の未来』(2018年、ミネルヴァ書房)を紹介します。面白くて、一気に読み終えました。

鎌田浩毅・京大教授が聞き手となった、山極寿一・京大総長との対談です。山極先生は、ゴリラ研究で有名です。本書の前半、どのようにしてこの研究に進んだか、現地調査での死の危険を伴う調査など、体験談は興味深いです。
多彩な経験をされた方、これまでにない業績を上げられた方の体験談とそれに基づく話は、面白いですね。学問や研究が、透明な空気の中でできるのではなく、ある人の営みの中でできあがることがよくわかります。若き研究者に読んでもらいたい本です。
後半では、ゴリラの家族研究と、それを通じた人類の起源やあり方の議論です。行動生物学や社会生物学との違いが、よくわかりました。なぜ人類は家族を持つようになったのか。副題に「家族の起源と人類の未来」とあります。

鎌田先生は、上手な聞き手です。相手の話を発展させ、あるときは本筋に戻しと。また、巻末の「講義レポート」もよいですね。単なる対談のしっぱなしではなく、これがついていることで、価値が上がります。

書店のホームページでは、次のように説明されています。
「〝知の伝道師〟鎌田浩毅が受け手となる講義形式で、斯界の第一人者の人生・思想に鋭く切り込むシリーズの第一巻。ゴリラ研究のパイオニア、山極寿一京大総長を迎え、第Ⅰ部でその半生に迫る。第Ⅱ部では霊長類学の世界へを踏み入れ、われわれ人類の起源と未来を縦横に語る。五感をフルに使い、研ぎ澄まされた直観がつかむ「曖昧なもの」に導かれた豊かな知が溢れる一冊」
ミネルヴァ書房は良い研究書とともに、人物評伝もたくさん手がけています。このシリーズも期待ましょう。

柳川範之・東大教授の独学勉強法

柳川範之・東大経済学部教授の『東大教授が教える独学勉強法』(2017年、草思社文庫)が参考になります。
先生は日本の公立中学卒業後、父親の海外転勤などで、以後、独学を続けました。大学も、慶應大学の通信制です。そして、東大の教授になられました。

この本は、勉強とは何かを教えてくれます。知識や情報を覚えることと、考えて判断することの二つがあると、冒頭で強調されています。納得です。
それなら、独学でも身につく。いえ、先生が指摘するように、覚えるだけなら、大勢で授業を受けるより一人で取り組んだ方が効率的です。
もっとも、一人で目標と時間割を決めて勉強することは、かなりの精神力が必要です。学校で強制されても、サボるのですから。よって、凡人には学校で強制されるか、家庭教師がついて強制されることが必要でしょう。

この本を読むと、独学だけでなく、授業で学ぶ際や、本を読む際に必要なことやコツも分かります。勉強によって身につけるのは、知識と考え方です。授業を受けていても、結局は本人が身につけないと、効果がありません。 馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ますことはできないのです。
すると、知識と考え方を得る「方法」を身につけることが重要です。その方法がわかれば、あとは自分で勉強できます。

もう一つ、私が学校で学んだことは、友人や先生との対人関係であり、社会での身の処し方です。これは、家庭でのしつけや、テレビや小説を読むことでも身につくでしょうが、学校での集団生活が便利です。特に、引きこもりの問題が指摘されている現代では、対人関係をつくる能力は重要です。
先生の場合も、全く独学というわけではありません。経済学の道に進む際には、伊藤元重・東大教授との出会いがあるのです。

鹿島茂さんの「ノートル=ダム・ド・パリ」

鹿島茂さんが、NHKEテレ「100分de名著」でヴィクトル・ユゴーの「ノートル=ダム・ド・パリ」を解説しておられます。私は、テキストを読んだだけですが。
「ノートルダムのせむし男」は、多くの人が聞いたことがあるのではないでしょうか。でも、先生がおっしゃっているように、原作を読んだ人は少ないでしょう。私もその一人です。
鹿島先生の書かれるものは、とても面白いので、テキストを本屋で手に取りました。

いや~、面白いです。鹿島先生ワールドが、炸裂です。
小説の背景、登場人物の個性、人間関係の構図、さらに作者の意図、書かれた時代背景、作者の育ちと培われた人間観・・・。もう原作を離れて、鹿島先生による、中世パリの案内と人間の葛藤、そしてユゴーが生きた時代の「豪華な展覧会」です。
小説も、このような解説を読んでからもう一度読むと、違ったものが見えてくるでしょうね。