カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座

生き様-明るい課長講座

顧客からの嫌がらせ、カスタマーハラスメント

11月27日の日経新聞夕刊に「「カスハラ」経験64.5% 土下座強要や居座りも クレーム対応担当者を調査」が載っていました。
・・・顧客からの嫌がらせや迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を直近1年間に受けた人は64.5%に上るとの調査結果を危機管理コンサルティング業「エス・ピー・ネットワーク」(東京)が27日までに発表した。土下座強要や長時間の居座りなどを経験した人もいた。
同社は「従業員を守れないと、人材確保に大きな影響を及ぼす」と指摘している・・・
取り上げられている行為は、執拗な言動や威圧的な言動で、「土下座を強要」「2時間近く居座り」「3時間以上の拘束」などが挙げられています。
カスハラの影響の質問(複数回答)では「メンタル・モチベーション低下」49.2%、「本来の仕事への圧迫」28.3%、「従業員の離職」20.9%です。

12月1日の読売新聞には「カスハラ被害経験52% 人材サービス会社調査 大声で威嚇、謝罪を要求」が載っていました。
求人サイトに登録している女性640人に、客から理不尽な要求などを突き付けられるカスタマーハラスメントの経験を尋ねたところ、52%が被害を受けていたとのことです。
「大声でどなられたり罵倒されたりする」「長時間しつこく問いただされる」「暴言をはかれる」などです。「お客様は神様ではないということを幅広い年代に理解してほしい」という期待や、「理不尽な要求など、正当性のないカスハラはもはや犯罪なので、どんどん警察に通報すべきだ」「法律で取り締まる方がいい。監視カメラなどでチェックが必要だ」と、毅然とした対応を求める意見もありました。

厚生労働省は昨年2月に対応の手引を策定しました。今後これを実効性あるものにすることが必要です。
役所では、早い時期から、行政対象暴力が問題になりました。

転職希望者1000万人

11月28日の日経新聞に「転職希望者1000万人突破 転職実績は横ばい」が載っていました。
・・・転職はしたいが、実際にはなかなか踏み切れない。総務省の労働力調査によると、そんな就業者の実態が浮かび上がる。2023年7〜9月平均の転職希望者は初めて1000万人を上回った。一方、実際に転職した人はほぼ横ばいだ。人手不足は深刻だが企業もやみくもに採用に走っているわけではない。
労働力調査によると、23年7〜9月平均の全国の就業者が6768万人。このうち15%にあたる1035万人が転職希望者だ・・・

しかし次のような指摘もあります。
・・・リクルートワークス研究所の調査によると、転職希望者の1年後の転職率は2割未満だ・・・

世界の転勤事情

11月27日の日経新聞夕刊「ニッキィの大疑問」に、「転勤、必要なの? 本人同意・説明が大前提に」が載っていました。

当たり前だった転勤を見直す動きが出ています。ある会社では、一般社員について同意のない転勤を廃止しました。転勤辞令を出すにしろ、必ず本人の意向を確認します。詳しくは記事を読んでいただくとして。

各国の事情が図になって紹介されています。
日本は、本人同意がなくても業務命令で転勤があるが約2割、本人同意があれば転勤があるが約2割で、合計約4割です。
アメリカでは、同意なくても転勤があるが5%未満、労働組合が同意すれば転勤があるが1割近く、本に同意があれば転勤があるなどが5割で、合計6割です。フランスは、本人同意なしで転勤ありが1割近く、労組の同意あればが1割、本人同意があればが5割近くで、合計7割です。(リクルートワークス研究所2020年「5カ国リレーション調査」)

日本は本人同意なしでの転勤が多いですが、転勤そのものはアメリカやフランスなどの方が多いのですね。ただしこれは制度であって、実際の社員が何人、何割くらい移動しているのでしょうか。

法令順守疲れ

11月20日の日経新聞に、「不正対策 絞って強化 「コンプラ疲れ」解消」が載っていました。これは、多くの職場で役に立ちます。何か不始末があるとそのたびに確認や対策が積み重ねられる役所では、よくある話です。詳しくは原文をお読みください。

・・・コンプライアンス(法令順守)対策を効率化し、不正防止の効果を高めようとする企業が増えている。三菱電機は品質不正問題を機に、社内監査の質問数を大幅に減らし、リスクが高い項目に絞る手法に転換した。イオン銀行は営業員の報告書チェックに人工知能(AI)を活用している。法改正や不祥事の度に増える社内規定や研修を負担に感じる「コンプラ疲れ」を解消する狙いもある・・・

・・・社内の雰囲気を一変させたのは、21年に発覚した長崎県の工場での大規模な品質不正問題だった。不正検査やデータの虚偽記載が判明した。外部の弁護士らによる調査は約1年4カ月に及び、不正は最終的に同社単体だけで197件見つかった。
三菱電機の経営陣にとって衝撃だったのは、21年の品質不正問題が「再発」だったことだった。18年度に発覚した子会社の不正を受けて、他に品質不正がないかを点検してグループ全体で再発防止策を講じたばかりだった。その前の16、17年にも他社の品質問題を受けて品質不正の有無をチェックしていた。
3度にわたって徹底的に点検したのに、なぜ不正が見つけられなかったのか――。再発防止策の機能不全や対応する中間管理職の疲弊などの問題も浮かんだ。日下部聡常務執行役は「やり方を抜本的に変える必要を痛感した」と振り返る。
たどり着いたのが社内リスクを調べ、重要な事象を優先して対応する「リスクベース・アプローチ」だ。不正を受けて設置したガバナンスレビュー委員会にも同様の提言を受け、正式に方針を決めた。本体の各部門や子会社に想定リスクを尋ね、リスクの高い部門や事業を特定して先に対応にあたるやり方に改めた・・・

・・・コンプラ強化を目指す企業は多いが、一方で社内ルールや研修の負担が業務を圧迫する「コンプラ疲れ」の問題も指摘される。一橋大学経済研究所の森川正之特任教授が21年、政府の規制や社内、業界も含むルールが過剰だと思うかどうかについてネット上でアンケート調査を実施したところ、回答した20歳以上の労働者5707人のうち29.7%が「過剰感がある」と回答した。業種別にみると、金融・保険業(40.6%)や情報通信業(36.9%)で、過剰感が高かった。
調査では、就労者全体で労働時間の約20%がコンプラ業務に費やされるとの結果も出た・・・

話を聞いてくれる先輩と上司

拙著『明るい公務員講座』にも書きましたが、いろんな上司や先輩のおかげで、ここまで来ることができました。素晴らしい上司や先輩に巡り会ったのですが、その中でも「特にうれしかった」人を考えました。

何が違うか。皆さん仕事ができて、部下にも優しく、甲乙つけがたいのです。一つ差を見つけました。相談に行くと直ちに正解を教えてくださる方と、しばらく話を聞いてくださる方の違いです。効率的に考えると前者の方が良いと思えるのですが、その後長く付き合いが続いたのは後者の方です。

人の悩みには2種類のものがあるようです。一つは目の前の課題解決です。もう一つは漠然とした不安です。後者は、話を聞いてもらうだけで、解決策がなくても安心できます。

話を聞いてもらえることは、若手だけでなく、この歳になってもありがたいことです。残念ながら、私は聞き上手ではなかったです。何人かの後輩たちからは「全勝さんに話を聞いてもらえた」と言われたことがあるのですが。まだまだでした。