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自治体研修のあり方2

自治体研修のあり方」の続きです。
「人材育成の重要性」を首長さんも幹部も発言されますが、多くの自治体でそれが実行されているようには思えません。問題は、予算削減による研修機会の削減と、適切な研修がなされていないことです。

前者については、企業以上に自治体の力は、職員の能力とやる気に左右されます。そして国に言われたことをしていれば良い時代が終わり、これまで以上に職員養成が重要なのです。
この20年間に研修予算をどれだけ増やしたか減らしたか、各自治体で調べてみてください。多くの自治体で、財政課は経費削減をしていると思います。その効果は直ちには現れないのですが、長期的に効いてきます。

後者については、専門分野の知識の研修はそれなりの内容が行われているようですが、人材育成や管理職研修は、教材も教師も不十分なようです。
本屋に並んでいるリーダーシップの教科書は、一般の公務員にほとんど役に立ちません。幹部などの経験談では、十分ではありません。成功した人の自慢話でなく、悩んでいる職員やうまくいかない職員への手当が必要なのです。
私が「明るい公務員講座」3部作を書いたのは、「公務員の教科書」がないので、それをつくろうとしたのです。「管理職の必須知識講座」も、そのような意図です。
国家公務員においても、十分ではありません「国家公務員のためのマネジメントテキスト」。市町村アカデミーも力を入れますが、内閣人事局と総務省公務員部に頑張ってもらわなければなりません。

自治体研修のあり方

専門誌『地方行政』の10月3日号に、高嶋直人・人事院公務研修所客員教授が「自治体研修はいかに在るべきか 現状の課題分析と基本認識」を書いておられます。自治体の人事、研修関係者には、ぜひ読んでいただきたいです。

企業と役所のマネジメントは異なる。ところが、自治体では職員研修を民間研修会社に委託する場合が多い、また自治体の研修所でも外部講師を使う場合が多い。それでは、成果が出ていないのではないかと、指摘しておられます。
公務員の経験も知識もない人からマネジメントを学ぶという、不思議なことが行われている。「野球のコーチにサッカー出身者がいない」と、たとえておられます。外国の公務員研修では、教える人も公務員が多いとのことです。日本には公務員出身の教育者が少ないとも、指摘しておられます(少ない例外として、私の名前を挙げていただきました)。

民間に学ぶべきことは多いが、まずは公務員に必要なことを学んだ上で、民間から学ぶべきだ。
定員削減によって、研修も外部委託された。しかし、それは研修実施のノウハウを奪い、研修担当者が入札担当者に変化してしまった。研修担当は職員育成の重要な役割もあるのに、自らの機会を削減している(これは、ほかの企画業務にも当てはまります)。
このような研修の外部委託による弊害を、いくつも指摘しておられます。ご指摘の通りです。
この項続く

市町村アカデミー、対面研修再開

新型コロナウイルスの感染が拡大していたので、市町村アカデミーでは集合研修を取りやめ、オンライン研修に振り替えていました。ようやく落ち着く気配が見えてきたのと、感染の疑いある人が発生した場合の対応が可能になったので、20日から、集合研修を再開しました。
感染者は出ないことが望ましいのですが、完全に防ぐことはできません。その際に、医療機関の受け入れが十分かどうかで、私たちの研修が左右されます。

「自治体ファイナンス基礎講座」(地方公共団体金融機構と共催)、「公営企業の経営」(総務省と共催)、「全国地域づくり人財塾」(総務省と共催)の3つです。それぞれ、所管組織や専門組織との共催です。それらの組織にとっても、良い講習の機会になります。この仕組みは、なかなか良くできています。

ウクライナ避難民支援自治体研修

このホームページでお知らせしていた、「ウクライナ避難民支援自治体向け研修会」を、9、10日で実施しました。全国から自治体職員や支援に携わっている団体職員など、32人が参加しました。

市町村アカデミーの年間計画にはない研修でしたが、時宜にかなったものであり、よい成果を上げることができたと考えています。研修内容は、日本財団と関係者が知恵を出してくれました。このような「これまでにない課題」「現在進行形の業務」の場合は、完璧を求めてはいけません。まずは、できるところから始めることが必要です。
そして、同じ悩みを抱えている人たちが、集まって意見交換することが重要です。出入国在留管理庁も、自治体も、支援団体も、みんな手探り状態でしょうから。このような研修実績がなかったであろう法務省出入国在留管理庁と、自治体現場をつなぐこともできました。その場を提供できたことを、うれしく思います。

急な企画にもかかわらず、準備や実施に汗をかいてくれた職員に感謝します。これからも、自治体の新しい課題に取り組んで、自治体の期待に応えましょう。

セミ時雨

勤務先の市町村アカデミーで、昼休みに外周沿いに散歩します。校地は東西100メートル、南北300メートルの長方形です。塀の中も外もたくさんの木が植えてあるので、気持ちよいです。小鳥もたくさん見かけます。
この季節は、暑すぎますが。セミの大合唱です。手の届くところに、たくさんいます。クマゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシだそうです。
クスノキも多いので、アオスジアゲハもたくさん飛んでいます。クスノキは防虫剤を作る材料になるのに、青虫がその葉を食べるのですね。

先日は、孫娘と近くの公園に、セミ取りに行ってきました。木がたくさんあってセミも多く、簡単に取れました。クマゼミが多いです。蚊にも刺されました。
子どもの頃は、家の前や近所にたくさん桜の木があって、夏休みは毎日午前中、セミ取りでした。アブラゼミとニイニイゼミでした。クマゼミは、明日香村にはいませんでした。
たくさん捕らえて虫かごに入れるのですが、父が「かわいそうだから放してやれ」というので、その日のうちに放しました。もっとも毎日たくさん捕まえるので、虫かごには入れておけませんでした。
ヒグラシは少し離れた神社に行かないと見つからず、高いところにとまっているので、なかなか捕ることはできませんでした。