「市町村アカデミー」カテゴリーアーカイブ

市町村職員中央研修所の運営2

市町村職員中央研修所の運営」の続きにもなります。
研修所の広報媒体として、機関誌「アカデミア」とホームページがあります。これについても、職員が常に改善に取り組んでいます。今年度に行った改善をいくつか紹介しましょう。これらは、若手職員を中心に企画、実行してくれました。うれしいですねえ。

1 ホームページの充実
(1)「講義の実例」ページの新設
実際の講義内容を、一覧にとしてまとめて紹介する場を作りました。
・アカデミア「講義Again」掲載記事の一覧化(過去6年分、約60本)
・各科目ページへ該当記事のリンク掲載
(2)「視察録」ページの新設
市町村アカデミーを紹介する機会です。

2 機関誌「アカデミア」の充実
(1)「自治体職員×JAMP研修講師事例紹介Menu」の欄を新設
アカデミーの講義へ全国の自治体職員が講師として出講し、自治体独自の政策などの事例を紹介してもらっています。講義の概要を記事にして載せるようにしました。
全国の自治体にヒントを提供できます。出講してもらった自治体を紹介することにもなります。
(2)JAMP OB座談会
アカデミーOB教授がアカデミーに集まり座談会を実施しました。教授の多くは、自治体から派遣してもらっています。
「アカデミーへ来て、どんな仕事・暮らしをしていたか」「どのような思いで仕事をしていたか」「アカデミーでの経験が出向元で役立ったこと」「これからのアカデミーに期待すること」などを語ってもらいました。

職員研修の変化

市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)の業務は、市町村職員への研修の提供であり、研修を通じた職員の能力向上です。
1 分野は、大きく分けると次のようになっています。
・実務の基礎(法令実務、課税徴収、福祉行政など)
・政策(まちづくり、少子高齢化、文化、産業など)
・新しい課題(電子化、ハラスメント対策、働き方改革など)
・管理職養成

地域の課題の変化と職場の変化に応じて、これらの内容も変化してきています。例えば管理職研修でも、部下の心の健康などが重要になってきました。

2 授業の方法も、変わってきました。
かつて研修と言えば、講師が話をして、研修生がそれを学ぶ手法が主流でした。そのような講義もありますが、「教える」ということだけでなく、「育てる」ことに重点が移ってきました。
すなわち、課題演習や討論の時間を増やしてきたのです。聞くという受け身から、考えて発言するという参加型への変化です。机の配置も、みんなが講師の方を向く教室型でなく、研修生同士が向かい合う島形になります。

3 講師の話を聞くだけなら、全国から千葉に集まる必要はなく、オンライン授業でもできます。しかし、班別討議など参加型の研修は、オンラインでは効果が上がりません。同じような悩みを持った職員が集まって、意見を交換する。そのことに大きな意義があります。
市町村職員は意外と、他自治体の職員との交流は少ないのです。

3 そして、授業時間以外にも意見交換をして、知人や友人をつくる。これが、大きな財産になります。

市町村アカデミー機関誌2025年冬号

市町村アカデミーの機関誌「アカデミア」令和7年冬号が発行されました。いくつか紹介しますので、関心ある方はその記事をお読みください。

西村浩・ワークヴィジョンズ 代表「縮退の時代に生き残るための新しいまちづくり実践論
谷口尚子・慶應大学教授「多様な人材の地方議会への参画促進
森戸裕一・ナレッジネットワーク社長「自治体DXの推進とタイムマネジメント
瀬田 史彦・東京大学准教授「人口減少社会におけるまちづくり関連計画の意義とポイント

自治体職員の方に事例紹介をしてもらうことにも、力を入れています。
埼玉県吉川市「デジタル化と住民サービス向上の取組」
福島県会津若松市「働き方改革に取り組む自治体のリアルすぎる挑戦の道のり」
栃木県宇都宮市「ネットワーク型コンパクトシティ形成に向けたまちづくり」
茨城県取手市「議会のペーパーレス化等」

市町村議会議員特別セミナー

市町村アカデミーでは、新年最初の研修が始まりました。市町村議会議員特別セミナーです。100人を超える方が、参加してくださいました。

今回は、次の4方の講演です。
溝畑宏・大阪観光局理事長「やる気と仕掛けでまちは変わる!」
原田隆史・原田教育研究所社長「いかに人間力・仕事力を磨き続けるか」
中村健・早稲田大学マニフェスト研究所事務局長「住民から期待される議会になるには」
岩崎尚子・早稲田大学電子政府・自治体研究所教授「超高齢社会における議会のデジタル化とは」

14日からは、市町村長特別セミナーが始まります。

市町村職員中央研修所の運営

市町村職員中央研修所では、年間で約80本の研修を行い、約5000人の研修生を受け入れています。一つの研修は、短いもので3日、多くは5日か2週間です。

講義に関する数字を、職員に調べてもらいました。
合計の講義数(コマ数)は約1800で、400人の外部講師を招いています。
その企画と調整、実施が大変なことをわかっていただけるでしょうか。