今日は午後から、参議院復興特別委員会の審議でした。大臣の所信表明と先日の被災地視察を受けての質疑です。新大臣にとって、初めての質疑でした。いろんな角度からの質問が出ます。
私は、昨晩(28日)、福島視察から上野駅について、それから職場に帰って(そんなことはめったにしないのですが)、職員が作ってくれた答弁案を確認しました。職員に見つからないように執務室に入ったのですが、めざとく見つけた職員(O君他)が、「ちょっと良いですか」と、別件でゲリラ攻撃をかけてきました。
でも、20時過ぎには、お腹をすかせて、家に帰りました。お風呂に入ろうとして服を脱いだら、そんなときに限って、携帯メールが鳴るのです。その後は、日付変更線をまたぐまで、電子メールで部下とのやりとり。私は自宅で仕事をしていますが、職場で残って作業をしている職員に感謝します。
朝は、8時半から、アメリカの研究者と京都大学の研究者さんの、インタビューでした。というか、その時間に変えてもらいました。質問は、どのようにして復興庁ができたのか、どのように復興庁を作ったのか、何が良くて何が悪かったのかなどです。当時の実務を仕切った坂本参事官にメモを出してもらい、記憶を呼び戻しながら、答えました。
手前味噌ですが、被災者支援本部、復興本部、復興庁は、良くできた組織であり、うまく運営し、よく仕事をしたと、自己評価しています。もちろん、職員たちが頑張ってくれたからです。最初は、こんな大きな組織になるとは、思っていませんでした。「小さな本部で良いのに」と考えていたのです。反省。予告しているように、いずれこの経験は記録に残します。原稿に着手しているのですが、続きまへんわ。
今週は、月火と出張、今日は国会対応と、自分の時間が取れません。電子メールと資料がたまり、職員との打ち合わせは延期しと、たくさん仕事を後送りしました。ごめん、今日相手できなかった職員諸君。
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生き様-仕事の仕方
各部局との交渉は公平に、嘘を言わない
日経新聞10月21日「私の課長時代」は、TOTO社長の喜多村円さんでした。1999年3月期に上場以来初の赤字に転落。喜多村さんが経理課長になった2000年3月期も業績は厳しく、経費を削減する必要がありました。現場の人に会社の状況を理解してもらうために、全国の拠点を行脚して予算交渉をします。
当時、営業企画本部長だった後の張本邦雄会長との議論です。数億円の予算カットをめぐり、20分議論する予定が2時間経っても話がまとまりません。「もう時間切れだ、帰れ」と言われ、「ここに(会議室に)布団を敷いてくれ。納得いくまで話をさせてくださいよ」と言い返したそうです。
・・経理は公平性以外に武器がありません。嘘を言わないことと、駆け引きをせずストレートに接することを心がけていました。相手によって態度や判断を変えていたら、信用を得られません。役員にたてついたこともありました・・
管理職になってから、部下から決裁を求められた際に、「あなたの意思は何ですか? 何がしたいの?」と聞くことにしておられるそうです。
・・自分の思いがなく、人にやらされていることでは長続きしないし、成功する確率も落ちる。固い意思があれば、周囲の人を巻き込んで新たな成果を生む原動力にもなるのです。人を巻き込むには甘い仮説では通用しません。仮説に至るまで、客観的な事実の積み重ねが大事です。それには勉強しなければなりません・・
宝塚歌劇団、スターを育成する、2
昨日の記述の前に、次のような話も載っています。
・・(宝塚音楽学校)在学中は随時、試験が行われ、卒業証書の授与は成績順。歌劇団入団後も試験があり、結果は退団後もついて回る。OGの会合でひとたび「集合」の声がかかれば、出席者は入団年次別に成績順に並ぶ。この時は、舞台でトップをはったかどうかは関係ない。
ただ、成績と舞台のポジションは別物といっていい。鳳蘭は学校の成績が思わしくなかったが、星組トップ男役になった・・
他方、戦前の日本陸軍が、士官学校の卒業成績順位で、その後の出世が決まったという話は、有名です。
また、卒業成績がトップクラスでありながら、舞台ではいまいちだった人は、残念でしょうね。その理由は何なのでしょうか。学校の試験や成績が、歌劇団での演技や人気に相関していないのでしょうか。あるいは、卒業時の成績に慢心してしまうのでしょうか。役所でも、学校の成績や採用試験の成績と、その後の活躍や出世が必ずしも比例しないのです。
宝塚歌劇団、スターを育成する
日経新聞「私の履歴書」10月は、植田紳爾・宝塚歌劇団名誉理事です。19日の「スター育成」から。1973年に、宝塚音楽学校の入試試験委員に、任命されます。合格者を、どのように見極めるか。
・・試験委員に声楽やダンスなどの専門家がいるので、私はもっぱら受験生の適性を見る。重視するのは、欠点を自覚できる人物かどうか。メーキャップ一つ取っても、欠点を自覚すればこそ、自身に合う化粧法を身につけられる・・
・・私はスター誕生に、3パターンあると思っている。第1が音楽学校入団時や歌劇団入団時に、目を引きつけられる生徒。鳳蘭や麻実れい、天海祐希らだ。天海が入試会場に現れた時は、「よくぞご両親が産んでくださった」と喜んだ。それほど光っていた。
次が、制作スタッフの抜擢で伸びるケース。遙くららや神奈美帆らだ。3つめがコツコツやっていて突然、輝き出す生徒。松あきらや日向薫らがその例といえよう。
いずれのパターンも、配慮せねばならない点がある。芽を出しそうな頃合いを見計らって、資質に合った役に就けることだ・・
なるほど。私もこれまで、職員採用や後輩の育成で、いろいろな経験をしてきました。いくつかは、後輩たちに伝授しているのですが。これも、経験がものを言う、本を読んだだけでは身につかない「特殊技能」です。本文では、具体事例が書かれています。お読みください。
出張の翌日
今朝は出勤して、まずは、たまった電子メールの処理。1日半職場を空けていると、えらいことになっています。もちろん、急ぎの案件は、携帯電話で処理してありますが。机の上にも、資料がいろいろと並んでいます。「××をお願いします」と付箋を付けて。
その前に、朝8時過ぎに地下鉄を降りたら、後ろから追いかけてくる職員あり。「朝一番で、相談したい案件があります」とのこと。職場に着くと、彼女に引き続いて、次々と「ちょっと良いですか」という職員の波状攻撃が来襲。
ありがたいことです。大変な事態になる前に、相談に来てくれるのですから。大半は「それで良いわ」とか、「ここを次のように修正して。もう一度見せて」とか、「次のように修正して。後は任せた。修正後の資料を届けておいて」と言えばすみます。
私が部下職員に常に言っているのは、「35%の完成度でよいから、早く相談に来てくれ」です。この程度の熟度(未熟度)なら、お互いに議論がしやすいです。詰めて詰めてから持ってこられたら、本人も修正はいやでしょうし、こちらも修正指示を出すのは、気が引けます(私は小心者なので)。