3日の日経新聞経済教室「道州制への視点」は、岩崎美紀子教授の「分権型国家を目指せ。焦点は権限移譲、全国一律規制を見直し」でした。「以前の道州制論は、効率化と広域行政がその積極的支持理由となっており、分権は官治分権が暗黙の了解となっていた。これに対して現在の道州制論議は市町村合併の進展が一つの契機となって浮上し、府県の区域が狭小であることへの問題意識は継続しているが、その中心テーマとなっているのは自治分権である」
「日本は先進諸国のなかで最大の単一制国家である・・。国土は南北2千キロメートルに及ぶ列島や離島により構成され、地域により自然や気候が異なっている。しかしどこに行っても同じような街並み、同じような教育システムで、個性に満ちた魅力的空間とはなっていない。その一方で東京一極集中は加速を続け、東京都それ以外というゼロサムゲームのなかで地方は疲弊している。これらの原因が単一制にあるならば、解決するには連邦制への移行が必要となるが、日本の問題は単一制度にあるわけではなく、中央省庁の省令などによる全国一律の画一的規制の強さにある。これが閉塞感をもたらし創造力をそいでいる」
連邦憲法を制定せずとも、分権国家を実現することは可能である。道州制はそのような国家刷新改革の切り札ともなるべきものであり・・」
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地方行財政
破綻法制
2006.01.05
遅くなりましたが、12月31日の読売新聞国際面に「イタリア市議会、移民の代表『議員補』続々」「不満を代弁、行政とのパイプ役」が載っていました。イタリアでは、市議会が、外国人に地方選挙への参政権を与えるために条例改正しようとしました。しかし、政府は、法律を変えない限り無効だとと宣告しました。そこで、次善の策として、5年以上の合法的滞在者が、独自選挙で議会に代表を送る制度をつくりました。いくつかの市に、広がっています。議会での表決には加わらないものの、移民の声を代弁する補完的制度だそうです。
補足ですが、欧州連合(EU)では、加盟国民は他国でも地方参政権があります。ここで言う外国人は、EU以外の出身者です。興味深い制度です。もっとも、議会が何を決めるかによって、その機能は違ってきます。
三位一体改革(補助金改革・税源移譲)金額内訳
(H15改革分
2,344億円)
H15決定
(H16分)
1兆314億円
|
5,565億円 スリム化4,235億 円 交付金化1,330億 円 |
(H15改革分義務教育共 済等2,344億円) H16改革分4,749億円 |
6,559億円
義務教育共済等H15改革分 |
H16決定
(H17・18分)
2兆3,980億
円 |
6,441億円 スリム化3,011億 円 交付金化3,430億 円 |
1兆7,539億円
公営住宅家賃補助、養護
老人ホーム等2,211億円 国民健康保険6,862億円
義務教育8,467億円
|
1兆7,429億円
公営住宅家賃補助、養護老
人ホーム等2,101億円 国民健康保険6,862億円
義務教育8,467億円
|
H17決定
(H18分)
1兆2,367億
円 |
5,823億円 スリム化2,640億 円 交付金化3,183億 円 |
6,544億円
公営住宅家賃補助、児童 |
6,106億円
公営住宅家賃補助、児童手
当等5,761億円 公立学校施設等345億円
|
(作成協力 森山正之さん)
三位一体改革の経緯(簡略版)
14年6月 15年度予算 |
「骨太の方針2002」閣議決定。
国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分のあり方を三位一体で検
討し、それらの望ましい姿とそこに至る具体的な改革行程を含む改革案を、今後 1年以内を目途にとりまとめる。 三位一体改革の芽だし
・国庫補助負担金5,625億円の削減
・義務教育費(共済長期給付、公務災害補償)2,334億円の一般財源化(1/2
を特例交付金、1/2を交付税) |
15年6月 16年度予算 |
「骨太の方針2003」閣議決定 「改革と展望」の期間(18年度まで)に、国庫補助負担金については、おおむね 4兆円を目途に廃し、縮減等の改革を行う。 1兆円の補助金改革 ・税源移譲に結びつく改革 4,749億円 (公立保育所運営費 2,440億円、義務教育退職手当等 2,309億円) ・スリム化、交付金化 5,527億円 税源移譲等 ・所得譲与税 4,249億円 (公立保育所運営費 2,198億円、義務教共済長期等15年度改革分 2,05 1億円) ・税源移譲予定交付金 2,309億円 (義務教育退職手当・児童手当) |
16年6月 8月 9~11月 11月 17年度予算 |
「骨太の方針2004」閣議決定 平成17年度および18年度に行う3兆円程度の国庫補助負担金改革の工程 表、税源移譲の内容および交付税改革の方向を一体的に盛り込む。 そのため、税源移譲は大旨3兆円規模を目指す。その前提として地方公共団体 に対して、国庫補助負担金の具体案を取りまとめるように要請し、これを踏まえ て検討する。 地方の改革案を政府に提出 ・税源移譲 21年度までに8兆円程度、18年度までに3.2兆円 ・国庫補助負担金の見直し 21年度までに9兆円程度、18年度までに3兆円 国と地方、政府部内、政府与党の調整 国と地方の協議の場 7回、四大臣会合 17回、政府与党協議会 4回 政府与党合意「三位一体の改革の全体像」 概ね3兆円規模の税源移譲を目指す。 その8割方(24,160億円)について次のとおりとする。 ・義務教育費(暫定) 8,500億円 (17年度分 4,250億円) ・国民健康保険、公営住宅等 9,100億円 ・16年度分 6,560億円 補助金改革 1.8兆円 一般財源化 1.1兆円 (所得譲与税化7千億円、税源移譲予定特例交付金化4千億円) |
17年4月 6月 7月 10~11月 11月 18年度予算 |
総務大臣から地方6団体に対し、残る6,000億円の改革案検討を依頼 「骨太の方針2005」閣議決定 残された課題については、平成17年度秋までに結論を得る。 地方6団体改革案(2)を政府に提出 ・18年度移譲対象補助金(9,973億円)を選定 ・19年度以降「第2期改革」 ・「国と地方の協議の場」の制度化 国と地方、政府部内、政府与党の調整 補助金改革 1.2兆円 |