カテゴリー別アーカイブ: 地方行財政

地方行財政

かつて国道は県が管理していた

21日の読売新聞社説は、「地方分権改革、政治主導で権限を移譲せよ」でした。
・・地方分権で具体的な成果を上げるには、官僚任せにはできない。政治主導を徹底すべきだ。福田首相は、「各府省の対応は不十分」としたうえ、全閣僚に対し、「政治家としての判断をしてほしい」と分権委に前向きに協力するよう指示した。国土交通、農水、文部科学などの関係閣僚は、首相指示を真摯に受け止めねばならない。自らの役所の代弁者ではなく、地方分権を推進する内閣の一員としての立場で発言、行動すべきだ。第1次勧告の焦点は、国直轄の一般国道や、各都道府県内で完結する1級河川だ。それぞれの管理権を国から都道府県に移譲することを、明確にできるだろうか。一般国道の管理は高度成長期まで、すべて都道府県が機関委任事務として実施していた経緯がある。国でなければできない、という理屈は成り立たない・・

各紙の解説

18日の朝日新聞は、「分権推進委員会、格上げ討議でも不発」を伝えていました。これまで各省の部長級を相手に議論してきましたが、局長級を呼んで権限移譲を迫る公開討議を始めました。しかし、前進せず、丹羽委員長は「あまり実りがなく、ぱっとした回答がなかった」と語っておられます。詳しくは、記事をお読みください。
また、毎日新聞は18日の社説で、
「ゼロ回答にもほどがある」を書いています。・・これまでは中央省庁の抵抗が目立ち、丹羽宇一郎委員長が「頭にきている」と批判する事態だ。福田内閣が官僚に足元を見られている表れではないか。同委はひるまず勧告に踏み切り、福田康夫首相に実現を迫るべきだ・・

国と地方の責任の取り方の違い

16日の読売新聞に、山田啓二京都府知事の「国の出先機関の統廃合。分権の目玉、政治主導で」が載っていました。
・・道路特定財源をめぐって国政が混乱している。だが、冷静に考えてみると、この国の将来にかかわるもっと本質的な問題が忘れられているように思える。この国は、衆参両院がねじれただけで、住民生活まで混乱してしまう。地方は陳情を重ね、政党は世論調査結果に一喜一憂する。地方財政や国民生活を人質にするような異常な状況で、果たして冷静な政策選択ができるのだろうか。国民に遠いところで議論せず、住民が受益と負担を考えて選べる仕組みに、なぜならないのか。道路財源を、マッサージチェアや職員旅行に使っていた例があった。地域生活を左右する大切な税金の使い道を、住民の付託を受けていない国の出先機関や外郭団体が握っていていいのだろうか。
こうした問題を解決するために行う改革が、地方分権だと思う。もちろん、地方自治体がすべて健全かと問われれば、ここ数年、地方も多くの不祥事を起こしてきたので、大きなことは言えない。しかし、地方自治体は常に住民の目にさらされ、住民の監視を受ける仕組みがある。もし、社会保険庁長官が地方公務員だったら、おそらく今ごろは何十億円かの賠償を求める住民訴訟を起こされているだろう。国とは違って、地方自治体には責任を取る体制がある。
各政党は、この(出先機関)改革こそ政治主導が必要だということを忘れて欲しくない。道路特定財源などに向けられる国民の不信を、表面だけでとらえず、改革が必要な根底の問題解決を先送りしてはならない。
詳しくは、原文をお読みください。インターネットでは、読めないようです。

福田総理の分権指示

15日に閣僚による分権本部が開かれました。NHKニュースによると、次の通りです。
・・・福田総理大臣は「現時点での各省庁の対応は地方分権改革を推進する観点から不十分だといわざるをえない」と述べました。そのうえで、福田総理大臣は「国と地方の役割分担のあり方を見直し、権限などの移譲を進めることは、きわめて重要だ。改革の実をあげられるよう、各閣僚は政治家としての判断を明確に示し、地方分権改革に向け、しっかり取り組んでもらいたい」と指示しました・・・

地方分権委員長の考え

12日の読売新聞に、丹羽宇一郎分権改革委員長のインタビューが、載っていました。5月下旬にも首相に出す第1次勧告に、「旧1級国道(58本)を除く直轄国道と、県内で完結する1級河川(53水系)の権限を、都道府県に移すことを盛り込む」と明言されたそうです。あわせて、それに関連する職員と財源も地方に移すとも述べておられます。各省の抵抗が激しいほど、やりがいがある。中途半端な改革にとどめたら、改悪になってしまうとも。是非、原文をお読みください。