カテゴリー別アーカイブ: 地方行政

地方行財政-地方行政

地方財政健全化法から10年

4月1日の朝日新聞が「財政健全化法10年、自治体は今」を詳しく書いていました。
・・・自治体の倒産を未然に防ぐ。そんな狙いの地方自治体財政健全化法が施行されたのは、北海道夕張市が財政破綻(はたん)した翌年のことだ。それから10年。最悪水準の借金を抱える国と比べて、地方は指標上は財政再建が進んだ。ただ、緊縮財政で住民が流出する悪循環も起きている。健全化は、本物か・・・

記事によれば、標準的な収入に対する借金返済額を示す実質公債費比率でみると、新たな借り入れ(起債)に国や都道府県の許可がいる自治体は、2007年度の436から2016年度は15まで減り、2008年度に健全化法の黄信号にあたる早期健全化基準以上だった自治体は21が2013年度以降は一つもなくなりました。赤信号とされる財政再生団体の夕張市が残るだけです。

第二の夕張市を生まないこと、財政状況の悪化している自治体に健全化努力をさせることについて、成功したと言って良いでしょう。もっとも、国も地方も、総体的に赤字国債と赤字地方債に依存していて、財政状況は悪化したままです。

朝日新聞「しつもん!ドラえもん」、地方自治編

朝日新聞1面右下に「しつもん!ドラえもん」という、子ども向けのクイズが連載されています。
最近は、「ちほうじち編」です。
3月20日の問は「自治体の収入の差を埋めるために、国が地方に配るお金のことを何というかな?」でした。
ありがとうございます。地方交付税の宣伝をしていただいて。
でも、小学生に分かるかな。

地方分権改革 提案募集方式

月刊『地方財務』3月号が「地方分権改革 提案募集方式の展開」を特集しています。巻頭に、大村慎一・内閣府地方分権改革推進室次長が「提案募集方式の成果と今後の課題」を概説しています。
第一次分権改革は、「委員会勧告方式」で進みました。それは、全国共通の制度について勧告を受け、法令を見直しました。平成26年からは、「提案募集方式」をとっています。全国一律でなく、地域の個性を生かすこと、地方の発意を生かすことが、特徴です。

4年やってみて、提案に対する実現や対応の割合は、平成26年の64%から年々上昇し、29年では90%になっています。
提案内容は、放課後児童クラブ、保育所、給食費のコンビニ納付、タクシーの貨客混載、所有者不明土地など、生活に密着したものとなっています。
また、提案が実現することになったもののうち、法律改正が20%、政省令改正が7%、告示や通知が53%、自治体への情報提供が20%です。法令ではなく、運用が支障になっていることがわかります。
具体的な提案と改善例が紹介されています。ご関心ある方は、お読みください。

シェアリングエコノミーで地域活性化

シェアリングエコノミーが、一つの流行になっています。「個人が保有している遊休資産の貸出を仲介するサービス。それもインターネットを介して行われるもの」というのが定義のようです。はやり言葉ですから、きっちりとした定義はありません。
これを活用して、地域活性化につなげようという動きがあります。
三井住友海上火災が、シェアリングエコノミー協会と、自治体向けに、先進的な取り組みを紹介するセミナーを開くそうです。
おしらせ プログラム

行政だけでなく、民間の知恵と力を活用して、地域を元気にしようとする試みです。
総務省でも、いろんな取り組みをしています。

人口減少地区でのサービス維持

1月29日の日経新聞が、「小売店などの撤退で生活に支障をきたしている地域を抱えた自治体が4割に上ることが判明、自治体主導で店舗やガソリンスタンドを設ける事例もあった。小規模集落を抱えたところも多く、住民の生活をどう支えるのか試行錯誤している」と伝えています。「店舗閉鎖「生活に支障」4割 人口減市町村
調査対象は、2015年の国勢調査人口が、2010年に比べて10%以上減少した220市町村です。回答は175です。
市町村は、ガソリンスタンドや商店を設けたり、バスを走らせたりしています。集落が消滅する事例も出ていますが、住民が減った地域でどのように商業サービスを維持するか。新しい課題です。