「地方行政」カテゴリーアーカイブ

地方行財政-地方行政

地方自治の議論

先日紹介した地方自治に関する記事を書いている「自治体のツボ」。その後も、熱心に記事を載せておられます。例えば「無投票で市長になった27人」。

この4月は統一地方選挙です。この時期から外れた自治体もあるのですが、まだまだ統一選は、多くの自治体の首長と議員の選挙の時期です。マスコミも指摘しているように、投票率の低下、候補者の減少が続いています。

見方によっては、地方政治と地方行政が平穏無事だとも言えます。
地方行政については、公共サービスは世界最高水準になりました。地域間のサービス格差も大きくならないように、交付税によって支えられています。もちろん、少子高齢化、過疎化、地域の活力低下、さらには借金漬けなどの問題もあるのですが。しばらくそれを忘れると、平和な時代が続いています。
地方政治については、中央政界でも、党派によるイデオロギー対立もなくなりました。地方政治でも、主張の激突もありません。
争点がないのです。誠に、穏やかな時代です。

他方で、首長や議員が魅力ある仕事と、思われていないのかもしれません。
平穏無事で争点がないとしても、政治家が一定の尊敬を受ける仕事なら、それを目指す人が出てもおかしくありません。それもないとすると・・・。

自治体職員有志によるコンサートの会

各地の自治体職員有志によるコンサートの会」を紹介します。
平成24年から、東日本大震災の被災地を訪問して、被災地を応援しています。元は、福岡市職員音楽会だそうです。会員は、北海道から沖縄まで30の県庁・市町村の職員54名です。

私にも入会のお誘いがあったのですが、ここのところフルートに触れていないのです。もともと、この方々と一緒に吹くほど上手ではありませんが・・・。練習して上手になったら、入れてもらうことにしました。

各地には、上手な方がたくさんおられると思います。そして、演奏の場がなくて、残念な思いをしておられる方も。ぜひ、主催者と連絡を取って、参加してください。都合のつくときだけで良いようです。

ブログ「自治体のツボ」

ブログ「自治体のツボ」を紹介します。筆者や趣旨が書かれていないようなので、詳しくはわかないのですが。
初回「消えた地方分権」などを読むと、地方自治の現状を憂いている方のようです。
地方行政や現場のニュースなども、丁寧に追いかけておられます。かなりの頻度で更新されています。ご関心ある方は、ご覧ください。

記事についている写真は、地方自治に関係ないように思えますが。趣味なのでしょうね。

持田信樹先生、最終講義

今日は、持田信樹・東大経済学部教授の最終講義に、行ってきました。
先生には、地方財政を通じて、教えを頂きました。地方消費税の生みの親でもあります。名著『地方財政論』は、授業でも使わせてもらっています。「地方財政学会」「持田ゼミ

今日の最終講義は、最初、この道に進んだことの振り返りで、ユーモアを交えての話でしたが、後半は先生の性格通りに、折り目正しい講義でした。
地方財政研究については、この時代に地方財政が、分権に絡んで「表通りの日の当たる学問」になったことを挙げられました。日本地方財政学会が設立されたのが、1992年です。新聞紙上に現れた「地方分権」の見出しの件数が1990年以降急増したこと(そして2011年以降急減したこと)を、表で表されました。
最後は、財政学者として、中福祉・低負担と借金依存財政への警鐘で終えられました。『日本の財政と社会保障: 給付と負担の将来ビジョン』(2019年、東洋経済新報社)

私自身は、財政学と地方財政論は、貝塚啓明先生林健久先生に学びました。学生時代、本を読んでも理解できなかった財政学、マクロ経済学が、貝塚先生に講義に出ると、すっと理解できました。「日本経済学会」「戦後の区切り方

黒田・前自治財政局長の新著2

黒田武一郎著『地方交付税を考える』の続きです。

「おわりに」に、私の名前も出て来ます。
以前から、「局長たるもの、所管行政について、将来像を書いて示すべきだ」と、そそのかしていたのです。
特に地方財政制度、交付税制度、地方自治体の財政運営については、近年はまとまった著作がありませんでした。小西砂千夫先生を代表とする、研究者の著作はあるのですが。黒田君が、それに答えてくれました。

また、制度の解説だけでなく、その問題点を書くには、担当者としては勇気が要ります。
拙著『地方交付税 仕組みと機能』を出版したのが、1995年でした。それまでにない詳しさで制度の解説をし、さらにその果たした機能の評価を書きました。当時は、交付税課の課長補佐で、おそるおそる書きました。先輩に「こんなこと書いても良いですか?」と相談したら、「自己責任で書け」と助言くださいました。

私も、拙著を改定するつもりでいたのですが。交付税課長の時に『地方財政改革論議』『新地方自治入門』を書いたあと、地方財政を離れ「内閣官僚」になって、書けなくなりました。
続く後輩が出てきてくれたことは、うれしいです。他の局長たちも、書いてくれることを期待しています。
現役諸君が日常業務に忙しいことは、同情できるのですが。かつての先輩たちも、それほど暇ではなかったのですよ。