カテゴリーアーカイブ:人生の達人

近藤和彦先生、自宅の改装

2023年7月1日   岡本全勝

近藤和彦先生のブログを紹介します。先生が雑誌『図書』に連載されている「『歴史とは何か』の人びと」は、楽しみにしています。今日紹介するのは、そちらの方ではなく、「〈リフォーム〉ほどではないけれど」(6月3日掲載)です。

・・・じつは現在の集合住宅に入居して、この春でちょうど20年。同居人の構成も変化したうえ、いろいろなモノが貯まり堆積して、自宅がまるで考古学遺跡のようになってしまいそう、と心配してくれた娘の提言で(準備のメールとZoom会議をへて)、4月から夏まで数次に分けて、部屋の使いかたを多少とも転換中です・・・
・・・久方ぶりに床のフローリングがしっかり見えるのは、感動的です!
(とはいえ、ぼくの書斎、図書・ファイルにかかわることについては、さすがの娘も関与を諦め/謝絶し、お父さんが自分で考えてやって、と引導を渡されました!)・・・

同じように荷物と本に埋まった我が家を見て、身につまされます。私は、いつになったら着手するのやら・・・。

教員の長時間労働の是正

2023年6月27日   岡本全勝

6月13日の日経新聞教育欄に、青木栄一・東北大学教授の「教員の長時間労働の是正 首長・教育長、役割大きく」が載っていました。青木先生は、教育行政学の第一人者です。『文部科学省-揺らぐ日本の教育と学術』(2021年、中公新書)、「福島市いじめ問題対応改善有識者会議

・・・文部科学省による公立小中学校教員などの勤務実態調査は2006、16、22の各年度に行われた。筆者は研究者チームの一員として調査の企画や結果の分析に関わった。
2年度の調査は携わって3回目にして初めて長時間労働の改善が強く推測できる結果となった。1日の勤務時間に当たる在校等時間(速報値)は16年度比で校長、副校長・教頭、教諭の全職種で減少。教諭では平日は小中ともに約30分、休日は小学校で約30分、中学校では約1時間減った。
平均でこれだけ減ったのは大きな改善である。特に部活動休養日を設定した効果は如実に表れた。新型コロナウイルス禍での行事の縮小なども改善につながった可能性がある・・・

・・・さらに、これだけでは限界がある。文科省は残業を月45時間以内とする指針を定めているが、残業が指針の上限以上に相当する教員は小学校で64.5%、中学校で77.1%に上る。
指針を超える教員がかなり存在する以上、教員文化や学校の職場風土にメスを入れる必要がある。そこで筆者が携わった教員の気質に関するパイロット(試行)的調査の結果を参照しながら、変えるべきことは何かを考えてみたい。
この調査で明らかになったのは教員の極めて強い平等意識である。加えて、学校管理職は過酷な長時間労働を耐えて勤続年数を重ねた「サバイバー」だ。
公立学校は女性管理職比率の低さが問題になる業界だが、当然である。男性並みに働けない限り管理職に登用されることはない。調査では管理職の方が一般教員よりもメンタルヘルスが良好でストレス耐性が高く、仕事の進め方が上手であることが分かった。

病気休職者に占める精神疾患を原因とする教員の割合を年代別に見ると、20代で割合が最も高く年代が上がるにつれて低くなる。これは若手のストレス耐性の低さが問題なのではなく、管理職は耐性の低い教員がいても仕事ができる職場をつくらないといけない。
教頭・副校長は全職種の中で最も労働時間が長い。その教頭・副校長が相互監視の場である「大部屋」すなわち職員室にいて、平等主義が強く「自分だけ得や損をするのは嫌」と考える傾向の強い教員同士が集まって仕事をしている。
そこでは働き方改革の機運が生じることはまずなく、同調圧力によって巻き込まれ型残業が生まれる。定時退勤はもってのほかとみなされ、効率性やタイムパフォーマンス(タイパ)は考慮されない・・・

助手の研究と発言を止めようとする教授

2023年6月21日   岡本全勝

朝日新聞に連載された「語る 人生の贈りもの」、環境工学者・中西準子さんの第7回「圧力10年、不屈の主張で国動かす」(6月6日掲載)から。

・・・《激しい論戦のきっかけは「浮間(うきま)レポート」だった》
工場排水を共同で処理する最新鋭施設とのふれこみで1960年代半ば、浮間処理場(当時)が東京都内にできました。でも、私たちが調査すると、水銀、鉛、銅、クロムなどの有害な重金属の多くが処理されずに川に流れ出ていました。大量の排水を集めたことで有害物質の濃度が薄まったものの、肝心の物質が除去されなかったのです。
岩波書店が出した雑誌「公害研究」創刊号(71年)に調査結果をまとめた記事(通称・浮間レポート)を出すと、教授や学界、行政の圧力にさらされました。

教授は私に直接、記事を取り下げるように求めました。多くの関係者が大学に現れ、「なぜ言うことを聞かせられないのか」と教授に迫ったといいます。私の研究を手伝う学生たちの就職も妨害されましたが、私たちは屈しませんでした。明らかに技術としておかしい、公害対策として効果がないと分かったのに引き下がるわけにはいかない。ごく単純なことです。数年後に浮間処理場は廃止され、76年の下水道法改正に至ります。

《「万年助手」の一人に数えられ、助手ながら「中西研」と呼ばれる研究グループができていた》
私の研究グループに対する学内外からの圧力は10年以上続きました。肩書は20年以上、東大助手のままでした。それでも私は心ある多くの学生たちに囲まれ、研究を前に進めることができました。
私たちの主張は、学会や専門誌での発表の機会を得にくく、たびたび一般向けの雑誌に記事を書きました。文系出身者が主導する国の政策を変えるには「縦書きで書く」必要がありました。工場排水の規制に次いで、私たちは大規模な流域下水道の問題点を指摘します。82年に家庭の下水を分散型で処理する「個人下水道」を本格提案する頃には理解者も増え、建設省(当時)もやがて姿勢を転換します。私たちは国の方針を動かしたのです・・・

その教授に話を聞いてみたいですね。

「誤解を与えたとすれば申し訳ない」

2023年6月15日   岡本全勝

5月31日の朝日新聞オピニオン欄、松田謙次郎・神戸松蔭女子学院大学教授の「「誤解を与えて申し訳ない」えっ、受け手の問題?」から。

・・・誤解を与えたとすれば申し訳ない――。もはや釈明の言として定着した感のある言葉ですが、耳にするたび、釈然としない思いがこみ上げます。えっ、それってこちらの誤解だったの!? 社会言語学者の松田謙次郎・神戸松蔭女子学院大教授(61)に、謝罪表現について聞きました・・・

・・・政治家や企業トップの謝罪会見で、相変わらず頻繁に登場する言い回しですね。「舌足らずだった」なども含めて、こうした表現を私は「フェイク謝罪」と呼んでいます。差別発言でも軽率な発言でも、問われているのは発言者の考えでありスタンスなのに、表現の稚拙さの問題にすり替えてしまっている。さらには、受け手の側が文字どおり「誤った理解」をしているのであって自分は非難されるいわれはない、という責任転嫁と加害の上塗りにすらなってしまっています。
ホンネをポロリと漏らしてしまったという意味での失言は、どの国の政治家にもあります。その場合、米国などでは、過ちを認めて撤回するか、認めず開き直るかのどちらかのようです。発言内容の問題性に向き合わぬまま、謝罪になっていない謝罪の言葉だけ述べて穏便に済ませようとするのは、極めて日本的な政治戦術だと思います・・・

・・・フェイク謝罪を謝罪表現として定着させないためには、このコミュニケーションを成り立たせない、共犯関係に陥らないことが大切。話し手が使ったら、国民もメディアも即座に「誤解とはどういう意味ですか?」「それなら発言の真意は?」と、ツッコミを入れることを忘れないでください・・・

あらこんなところに××が

2023年6月14日   岡本全勝

オクラホマミキサーのメロディーに乗せて、「あらこんなところに牛肉が。玉ねぎ玉ねぎあったわね。ハッシュドビーフ。こんなに美味しく出来ちゃった」という歌を覚えていますか。
1991年に放映された、ハウス食品ハッシュドビーフの宣伝だそうです。若い人は、知らないか。

冷蔵庫や冷凍庫の中で、肉や野菜などが隠れんぼをするのですよね。乾物置き場では、もっと古いものが隠れんぼをしています。その際の歌は、ちあきなおみさんの「喝采」で、「あれは三年前・・・」です。

かつては、執務机の上で書類が積み上げられて、隠れんぼをしました。最近はパソコンのおかげで、紙の書類は減って、電子媒体としてパソコンの中に保管されます。
紙の場合は、積み上げすぎると見栄えが悪く(整理できない奴だと思われる)、倒れてきたり、上司から注意を受けるので、それ以上は保管できません。ところが、パソコンの中は、かなりの容量があります。冷蔵庫と違い、格段に隠れやすいのです。
みなさんの職場では、隠れんぼをさせないために、どのようにしていますか。

ところで、私も高校で踊ったオクラホマミキサー。近年も学校で行われているのでしょうか。女子校や男子校では、難しいですよね。